親子二人で登った日本百名山

北海道の山

(利尻山・羅臼岳・斜里岳・雌阿寒岳・トムラウシ山・十勝岳・大雪岳・幌尻岳・後方羊蹄山)

利 尻 山(1721m)

              
      利尻港から

登山日      2001年8月16日
天候       霧雨・ガス
登山経路   利尻北麓野営場5:20〜7合目7:00〜長官山〜避難小屋8:00〜利尻山頂9:00/9:30〜野営場12:25


「明日は天気が変わりそうだな」と言うタクシー運転手の声に不安を感じながら、利尻港から利尻山北麓野営場へ。
息子と二人、百名山前夜祭をビールと稚内で仕入れたコンビニ弁当を食べてテントの中で祝いました。
深夜までは満天の星空も、朝がたから回りの木々がざわざわと騒ぎ始め、怪しい天気の中、隣にテントを張った大学生3人組と5時20分にテンバを出発しました。
5合目過ぎるあたりから雨が降りだし雨着をつけました.7合目7時、長官山8時ときりの良い時間に到着しましたが、雨は小降りながらもガスと強風が吹き荒れ始め、途中敗退組も出てきて不安が募りますが止めるわけには行きません。
避難小屋で一息入れて山頂を目指しました。軽石と雨で滑りやすい9合目から上の急登も委細かまわず突破して、9時ジャスト霧雨の利尻山頂上を極めました。
山頂はわが「親子二人連れ登山隊」だけ、二人で感激の握手。
ぶるぶる震えながらも心は暖かモードです。
とうとう百名山完登達成ですが思った程の感激はありませんでした。
後続の大学生と記念写真の後名残を惜しんで山頂を後にしました.


PS

百名山完登の記念写真をとるために新しいTシャッツと、新しいスラックスを着けて登り始めたのですが、5合目からは生憎の天気になって雨着をつけました。霧雨と強風というのは、ゴアテックスの雨着でもどんどん濡れ始め、頂上に着く頃はパンツまでびしょ濡れになってしまい、折角の晴舞台の記念写真も雨着をつけたままになってしまいました。
当初はシャンパンを持って上がり、乾杯しようとも思いましたが地味な「親子二人連れ登山隊」に不釣合いなことはやめよう、下りで事故を起こしたらお笑いものだと思いそれも止めました。結局霧雨と強風の中、紅茶でお茶を濁すことになりました。
後続の大学生に「小父さん達はここで百名山達成だよ」と言っても乗ってきません拍子抜けして30分の山頂スティの後、山を下ることになりました。登りで滑った道ですから下りは更に滑り、ムスコは何回も尻もちをつきながらほうほうの態で9合目まで下りました。
一等三角点の長官山まで来ると息子は走るように山を下りはじめ、親父も負けじと走り下りました。山頂から3時間でテンバに戻ったわけですが、息子はもゥ着替えを済ませていました。管理棟に行ってビールを買ってこさせて、ここで百名山完登の祝杯を二人であげました。息子は感激して涙ぽろぽろ流し始め、後から戻った大学生の前で親父は「泣くんじゃない恥かしいじゃないか」と自分もまた感激の涙をこぼしながら、テントを撤収するのでありました。
キャンプ場の洗い場に来て、京都の女性に「百名山全部登り終えましたよ」と話すと、大きな声で「おめでとうございます」と祝福され、少し晴れがましい気分になり、キャンプ場を後にしました。

利尻富士温泉で汗を流し、着替えを済ませて外に出ると、さっき登った利尻富士がくっきりと晴れていました。
雨が降ったのは結局我が「親子二人連れ登山隊」が山に登っている間だけだったようです。

「めでたさも 中ぐらいなり 百名山」 

と言う気分で利尻島に別れをつげました.

再登山 2006年8月20日の記録

羅臼岳(1660m)

登山日   2000年8月13日
登山経路  岩尾別温泉6:50〜羅臼平9:30〜羅臼岳10:50/11:40〜岩尾別温泉15:10
天候     快晴

網走のホテルを4時出発、無人の知床街道を疾走し知床5湖の終点まで走り、戻って6時半に岩尾別温泉着。
知床も秘境とはほど遠いムードです。
憧れの北海道に来たせいか、軽い興奮状態が続いています。
地の涯ホテル前の駐車場は車で一杯で路肩駐車して出発しました。
熊に注意の看板を見ながら足を速め、弥三吉水、銀冷水の水場にも目もくれず沢筋の小さな雪渓を超えて、羅臼平まで2時間40分ノンストップで到着。
それまで頂上にかかっていた雲も取れて超快晴の中、溶岩ドームの岩場を攀じ登り、10時40分に山頂の人になりました。
国後島が目の前に細長い姿を見せています。爺爺岳も霞みの向こうにはっきりと見て取れます。残雪と見間違う白い山肌の硫黄岳までも手に取るようです。
が、我が登山隊には縦走は無理。岳人のHPで我慢我慢。知床峠〜斜里岳方面もよく見渡せます。
ウトロや羅臼の漁港も目の前にそして知床5湖を眺めながら、軽食を取り1時間の山頂スティ、地の果ての感動をかみしめました。
15時15分下山、地の涯ホテルの無料の露天風呂で汗を流しました。
海別岳の麓のオホーツク海の海水浴場の峰浜キャンプ場にテントを張り、オホーツクの波音を聞きながら一夜を過ごしました。

 

斜里岳(1545m)

登山日   2000年8月14日
登山経路  清岳荘6:35〜下二股8:30〜馬の背〜斜里岳10:10/11:00〜上二股〜熊見峠〜下二股〜清岳荘13:40
天候     快晴

海別岳の麓の峰浜キャンプ場でテント泊、斜里で食料を仕入れて6時25分清岳荘出発。
今日も路肩に先行者の車が並んでいました。この山は予備知識不足で、まさか沢登の山とは思いませんでした。息子はバランス感覚が悪いので、急坂下りと飛び石が大の苦手です。羽衣の滝から上は連続する滝を上り詰めてスリル満点、2時間かけて上二股まで沢を登りました。馬の背までの急登は暑さで足が伸びません。10時10分、今日も超快晴の頂上へ。
摩周湖のカムイッシュ、屈斜路湖の全容、海別岳の向こうに昨日登った羅臼を始め知床の山々がくっきりみえました。
沢下りは遠慮して上二股〜熊見峠の新道を下りましたが、悪路には閉口しました。
斜里岳で93座制覇の千葉の青木さんを車に誘い、川湯温泉経由で阿寒湖畔へ。屈斜路湖の川湯近くの露天風呂へ40年ぶりによって見たかったのですが残念でした。
阿寒湖畔のホテル御前水で酒井さん夫婦と楽しい一晩を過ごしました。

  再登山 2022年7月9日の記録

 

雌阿寒岳(1499m)


登山日   2000年8月15日
登山経路  野中温泉6:50〜雌阿寒岳9:10〜オンネトー11:10
天候     曇/雨

北見の友人S夫妻と、今にも降り出しそうな中6時50分、雌阿寒温泉登山口を出発。
ハイキング気分の登山も5合目からとうとう雨に、それでも阿寒湖が見えたり周囲の景色は確認できました。
巨岩を縫い砂礫の道を登りつめて、9時10分頂上についたときは、雨風ともに本格的になり、証拠の写真を撮るのも精一杯です。
急ぎ足でオンネトーの野営場に下りました。全身びしょぬれとなったので着替えて足寄に下り、トムラウシキャンプ場に向かいました。
雄阿寒岳と共に再登山の楽しみが残りました。

 

再登山 2018年7月の記録

 

トムラウシ山(2141m)

登山日   2000年8月16日
登山経路   トムラウシ短縮登山口5:35〜カムイ天上〜コマドリ沢〜前トム平9:30〜トムラウシ自然公園〜トムラウシ10:50/11:40〜前トム平 〜短縮登山口15:40
天候     曇/晴

トムラウシ自然休養林野営場でキャンプの予定も、雷雨が激しく車の中で待機中に日が暮れてしまい、東大雪荘の駐車場で車中泊。
夜が明けるのを待って林道を進みました。
百名山の中でも、超人気のトムラウシに心がはやります。
5時35分、霧雨のトムラウシ温泉短縮口出発。
ひどい泥濘と徒渉とコマドリ沢から上の急登を越えて、4時間、前トムラウシに。
雲はだんだんきれてトムラウシ公園につく頃には、とうとう太陽が、そしてトムラウシ山が遠来の我らをお出迎え。
羅臼岳によく似た溶岩の道を5時間15分かけて、10時50分山頂到着。360度の展望までは無理でしたが、旭岳方面はばっちり、南沼も,北沼もカメラに収めました。この山のために持ってあがったビールで乾杯。
1時間の山頂ステイーは至福のひとときでした。全山花の山と言えるほどのお花畑が広がっていました。
この花の名山の登山路の荒廃はひどいもので、自然がどんどん蝕まれていきます。自分も責任を感じます早期手当てが絶対必要ですね。
同じコースを4時間20分で登った埼玉の青年にびっくりしていたら、な・なんと3時間26分で登った富山の35歳くらいの方にあんぐりです。それではまけじと急ぎ足で下山しましたが、4時間ジャストかかって15時40分登山口へ。山中であった人は大概本州からので、それも100名山完登目前の人ばかりでした。トムラウシ温泉、東大雪荘で泥だらけになった衣服を着替え、汗を流しました。
富良野で焼肉を食べ、十勝岳に向かう駐車場で車中泊。

 

十勝岳(2077m)

登山日   2000年8月17日
登山経路  望岳台5:40〜避難小屋〜十勝岳8:50/9:45〜望岳台12:10
天候     快晴

5時40分、望岳台出発。望岳台から見上げる十勝岳は、モーレツな噴煙の向こうです。有珠山,三宅島が頭を過ぎり、不安に駆られます。避難小屋を過ぎて急斜面を登って稜線までくれば不安解消、美しい十勝岳に納得。頂上直下の急登も難なく突破、北海道山行の悼尾を飾るこの山頂もピーカン状態。旭岳、トムラウシはもとより、日高の山なみも確認できました。新潟から来た人、岡山の大学生とにぎやかな山頂です。12時ジャストに望岳台に戻り、旭岳から十勝岳の峰を仰ぎ見て、2000年夏北海道山行を締めくくりました。

 

大雪山(旭岳)(2290m)

登山日   2001年8月14日
天候     晴
登山経路  旭岳ロープウェィ山麓駅7:30〜姿見駅7:45〜旭岳山頂9:55/10:50〜間宮岳11:45 〜中岳分岐12:10〜中岳温泉〜裾合平〜姿見駅15:00〜山麓駅

地獄谷の噴煙を左に見ながら火山レキの滑りやすい登山路を登りました。
昨夜の焼肉がやはりお腹に良くなかったようで大きな岩の陰で脱糞。「大雪山よごめんなさい」でも砂と石できれいに隠しておきました。火山の山とはどこも一緒で滑りやすく登りにくいものです。
右手にトムラウシ・十勝岳連峰を見ながら去年のことが思い出させられます。姿見の駅から2時間少しで旭岳山頂へ。
お盆の休みを利用してか、沢山の登山者がすでに来ていました。カップラーメンの朝食をとりながら、雄大な大雪の山々を眺めましたが、ここはまだ大雪山の一角でお鉢からは少し離れているのに気づきました。
1時間の休憩の後、お鉢平を覗きに間宮岳に回りました。お鉢平は安達太良山の沼の平に良く似た地形で不毛の沼地と言う感じでした。中武分岐にある看板を見ると黒岳まで、5キロ 姿見まで5,6キロとあり縦走もそんなにむづかしいことはないなと感じました。中武温泉から裾合せ平と歩いて雄大な大雪山を満喫することが出来ました。お花畑も満開です。予定では、ここは手抜きをして旭岳ピストンでしたが、欲張って歩いたことで満足の大雪山になりました。黒岳までの縦走より良かったかなと思います。
  

        

 再登山 2007年黒岳・白雲岳の記録

 再登山 2022年7月14日旭岳の記録


幌 尻 岳(2052m)



幌尻岳カール

登山日   2001年8月12日〜13日
天候     晴
登山経路  1日目 平取町幌尻林道ゲート11:10〜取水ダム12:30/12:45〜幌尻山荘14:45
        2日目 幌尻山荘5:00〜命の水6:20/6:40〜幌尻岳山頂8:10/9:00〜戸蔦別岳11:00〜1881m峰11:50〜幌尻山荘14:20/14:40〜林道ゲート17:40

前夜、苫小牧に泊り今日は幌尻山荘までです.
10時半、林道ゲートに車を止めて11時過ぎに出発、山小屋泊りの装備のザックを担いで取水ダムまで1時間20分、ここで昼食をとっていよいよ徒渉の始まりです.地下足袋に履き替えて、心地良い冷たさの清冽な額平川を何回も渡りましたが思っていたほどの苦労もなく、楽しみさえ感じる川歩きでした.水量は脚の短い私のひざ上まであるところもありました.心配した息子も嬉々として徒渉を楽しんでいました.14時45分満員の幌尻山荘に到着.宿泊手続き中に昨年羅臼岳・斜里岳でお会いした千葉の青木さんと遭遇。ここで99座を極め、明後日一足お先に利尻岳でで完登とのことお互いの快挙をたたえ合いました.
翌日5時に山荘出発。ここもいきなりの急登に息があがりましたが、命の水で一息入れて稜線に出ればお花畑が満開です.花を写真に納めながらカールの縁を回って9時丁度に憧れの幌尻岳に着きました.快晴とはいかないが日高の山々から大雪山系の山々が見
渡せて、横浜・東京・埼玉の関東勢と関西と地元を含め、合計8人でわいわいがやがや北海道の山座同定に花が咲きました.
そそくさと往路を戻るものを見送って、北海道の萱野さんと戸蔦別岳を目指しました。
7つ沼カールを眺め、幌尻岳を正面に見ながらの散策は最高でした.その後急坂を河床に下り、飛び石・徒渉を楽しみながら幌尻山荘には14時20分に戻りました.荷物をまとめ、昨日来た道を歓声と悲鳴をあげながら徒渉を楽しみ、林道ゲートまで下りました。

 
  戸蔦別岳から伏見岳ピパイロ岳を見る                                  幌尻岳山頂


羊 蹄 山(1898m)


登山日   2001年8月11日
天候       晴
登山経路  倶知安登山口6:45〜9合目9:45〜山頂10:45/11:50〜避難小屋〜9合目13:00〜登山口14:50

 

新潟を8月10日10時に発ったフェリーは朝5時に小樽に着きました。
フェリーでは良く眠れて長旅の疲れはありません。
登山口から山頂は雲に隠れていました。3合目まではウォーミングアップに丁度良い傾斜と時間の1時間ですが、それから上は急登に次ぐ急登をあえいで9合目まで汗を搾り取られました。
9合目のガレバに来ると視界も開け、登ってきた道の先にニセコアンヌプリが大きく見えます。
母釜の火口はお花畑になっていて心和みます。父釜の火口縁に出てしばらくすると最高点に到着丁度4時間で登りつきました。
真狩村の向こうに洞爺湖が良く見えました。
地元の登山者が10人ほど来ていてあちこちの山の名前を教えてもらいました。(山座同定)
昼食をとりながら1時間以上も休んで、火口縁をぐるりと回って、避難小屋を覗き9合目に戻り急坂を走るように下りました。
富士山の5合目から登るような羊蹄山でした。
一路苫小牧へ       

 

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