空木岳 ウツギダケ 標 高 2864m 日本百名山

山 域

中央アルプス
赤梛岳 アカナギダケ 標 高 2798m 日本百高山

山 域

中央アルプス
南駒ケ岳 ミナミコマガタケ 標 高 2841m 日本二百名山

山 域

中央アルプス
登 山 記 録
登山月日 2007年6月28日〜29日
登山経路 6月28日
大桑村・今朝沢橋ゲート6:10〜林道分岐7:30〜うさぎ平7:55/8:25〜六合目9:20〜仙人の泉10:25/10:35〜八合目11:15〜木曽殿山荘12:30/12:35〜空木岳14:05/14:50〜赤梛岳16:15〜摺鉢窪避難小屋16:50
6月29日
摺鉢窪避難小屋5:25〜南駒ケ岳6:25/6:35〜2411mピーク7:25〜今朝沢林道登山口9:35〜今朝沢橋ゲート10:35
行動時間 第1日目 10時間40分 第2日目 5時間10分 合計15時間50分(休憩時間を含む)
天  候 第1日目 晴 第2日目霧雨
メンバー 単独

情  報

アクセス 伊奈川ダムの先今朝沢林道入口まで舗装道路
トレイル 木曽殿越までは良く整備されている 空木岳までは岩稜地帯の急坂 南駒ケ岳までは岩稜の中ペンキマークが頼り 北沢尾根も上部はペンキが頼り下部は樹林帯の中迷うことは無い
水場・トイレ 水場 木曽殿越まで3箇所ある 摺鉢窪避難小屋は崩壊地にあり取水は少し危険
トイレ 今朝沢橋の登山口にも無い 小屋まで無いので要注意
その他 木曽殿越までは素晴らしい登山道が続く

山行記


うさぎ平登山口八合目を過ぎた見晴台から空木岳を見る

 
空木岳から南駒ケ岳方面と空木平


キバナシャクナゲとイワウメが見ごろだ


赤梛岳山頂の遭難慰霊レリーフと赤梛岳から南駒ケ岳を見る


霧の南駒ケ岳山頂と今朝沢林道の登山口


赤梛岳山頂から摺鉢窪避難小屋(百間ナギの崩壊地が間近だ)

今朝沢林道ゲートから伊奈川林道に入る。林道を1時間20分ほど歩くと倉本からの登山道、中八丁方面への分岐である。ここを右折し、発電用の取水堰堤を過ぎると木曽殿越・空木岳への登山口「うさぎ平」で、空木岳登山道の五合目である。登山口にはベンチもあり、格好の休憩ポイントになっている。ここで朝食休憩を取る。
登山口を入るとしばらく緩い登山道を登るが、直ぐに急坂に代わり、樹林の東金尾根を登る。好展望台の「八丁のぞき」を過ぎると東金尾根を巻きながら緩く北沢に下る。(この道は少し荒れている)北沢に掛かる丸木橋を渡ると六合目であった。ここからはジグザグの急登が八合目付近まで続く。しかし登山道は良く整備されている上、途中には「仙人の泉」なる水場もあって、良い休憩ポイントになっている。
八合目から木曽殿越まで緩やかな登山道で歩きやすい。やがて木々の間からは中央アルプスの稜線が見えてくる。「義仲の力水」は木曽殿越まで10分の処で涸れることの無い水場だ。9年前に一晩泊まったことのある木曽殿山荘で一息入れ、ビールを買い求める。まだこの時期宿泊者はいないようで3人の小屋番が暇をもてあましていた。
空木岳への登山道は厳しい岩稜を越えてゆく。「山頂に着いたかな」と思うとその先に岩稜が続いていて、2回ほど同じ思いをする。木曽殿山荘からは結局1時間30分かかって空木岳山頂に着いた。北方の東川岳から先の中央アルプス主脈にはガスがかかっていたが南側の南駒ケ岳方面は吹き上げるガスにさえぎられながらも時々その姿をのぞかせる。湿った空気が山に纏わり着いているのが実感できて明日の天気が心配になる。駒峰ヒュッテや空木岳避難小屋のある空木平は箱庭のように見えて、まだ疎林の下には残雪も見える。昼食をとったり、メールで登頂報告などをして1時間近くの休憩する。ここからは今日の宿泊地摺鉢窪避難小屋まで2時間もあれば大丈夫と思うと気が楽だ。
1時間近くも休憩した後、縦走路に入り、キバナシャクナゲやイワウメを写真に収めながら砂礫の道をゆっくり下る。実は今回の最大目標は南駒ケ岳までの稜線をつなぐ事とその間にある隠れ百高山の赤梛岳を踏むことである。小さなアップダウンを3回ほど超えて岩の赤梛岳に着いた。山頂標識は無く、山頂と思しき岩には、遭難者の慰霊のレリーフがはめ込まれていた。山頂からは擂鉢窪カールが見下ろせて、赤い避難小屋の屋根が良く見える。
南駒ケ岳との鞍部が摺鉢窪避難小屋への分岐となっていたがカールへの入口は雪渓が残り、アイゼンが無いと滑り落ちそうであった。私はピッケルを出して雪渓とハイマツの境界を恐る恐る下る。別に急ぐことも無いからゆっくりと雪渓を下って摺鉢窪避難小屋には17時前に到着した。到着と同時に雨が落ちてきたが大したことは無い。ザックをおろして水場を探すがカールを流れる小さな沢は既に水は涸れていた。百間ナギの崩壊地の縁に立つと崖から10mほど下った場所に水が噴出していた。しかしザイルが無いとここに下ることは厳しいようだ。「義仲の力水」で3リットルの水を補給してきたことが報われた思いで、うれしかった。
木曽殿山荘で買ったビールと担ぎ上げた日本酒二合を飲むとほろ酔い機嫌になる。夕飯の支度を始めていると恵那市から来たと言うn2人が小屋に着きビックリする。二人は私のにらむところ警察官のようであった。私には聞かれたくないのか、ひそひそと話をしながら、夕飯の支度をして20時頃には静かに休んでしまった。私も余り談笑する気にもなれず、寝袋に包まってゆっくりと休んだ。

摺鉢窪避難小屋の夜は時々カールを吹き抜ける風が小屋を揺るがせたが、風が止むと静かな雨音が聞こえてきて「天気の変化が半日早かったなー」と思うのであった。案の定、目を覚ますと、小屋の周囲は霧に包まれていて霧雨も舞っていた。
朝食のパンをかじりながら思案する。2人組は空木岳経由木曽殿から今朝沢林道コースに回るようだ。私は南駒ケ岳山頂に登って最短ルートの北沢尾根を下ることにして先に小屋をでる。前回も登ったことの有る、山頂へ直接登る雪渓を登る。雪渓が切れて、岩屑の中を何回か見失うが、慎重に選んで小屋から1時間かかって南駒ケ岳山頂に着いた。山頂は強風下の霧の中であった。
山頂標識を素早くカメラに収め、北沢尾根への道に入る。岩場のペンキマークを失わないようにする。戸惑うことも何回かあったが1時間ほどで尾根の途中の三角点2411mピークに下る。ここから先は樹林の中で迷うことの無い道が続いていた。霧雨とハイマツ帯の露を浴びて着衣はびしょ濡れである靴の中も濡れて音を立てている。何も考えずに黙々と樹林帯を下り、鋼製階段が設置された今朝沢林道の登山口には摺鉢窪避難小屋から4時間南駒ケ岳山頂からは3時間で下りついた。
休むことなく林道を歩く。30分で越百山登山口の福栃橋を過ぎ更に30分ほどで今朝沢林道ゲートに帰り着くことが出来た。


日本二百名山 南駒ケ岳 ミナミコマガタケ 標 高 2841m

山 域

中央アルプス
日本三百名山 越百山 コスモヤマ 標 高 2613m

山 域

中央アルプス
登 山 記 録
登山月日 2002年6月9日〜10日
登山経路 6/9 今朝沢林道ゲート8:20〜福栃橋9:10〜越百山小屋13:00〜越百山13:50/14:05〜仙涯嶺〜南駒ケ岳16:50/17:10〜摺鉢窪避難小屋17:40
6/10 摺鉢窪避難小屋6:00〜南駒ケ岳6:55/7:20〜2411mピーク〜今朝沢林道10:50〜林道ゲート12:00
行動時間 1日目9時間20分 2日目6時間 合計15時間20分(休憩時間含む)
天  候 6/9快晴  6/10晴
メンバー 単独

情  報

アクセス R19伊奈川橋から伊奈川ダムを越えて、今朝沢林道前のゲートに登山口
トレイル 福栃橋登山口から上の水場まではジグザグ切ってある。福栃山は樹林の中の急登が続く。縦走路はまさに稜線漫歩が楽しめる。仙涯嶺〜南駒ケ岳は岩場の厳しいトレイル。下りに使った北沢尾根も踏み後薄いが迷うことはない。
水場・トイレ 福栃山にかかる前に水場ある。摺鉢窪避難小屋も雪解け水あるが夏・秋は?
トイレは越百小屋以外にはない。摺鉢窪避難小屋にもない。
その他 カモシカ永井一押しの訪れる人も少ない静かなコースである

山行記


越百山から南駒ケ岳・仙涯嶺と南駒ケ岳から見る空木岳中央アルプス主脈

[木曽路はすべて山の中」で始まる夜明け前の島崎藤村の故郷木曽郡山口村は、岐阜県中津川市との任意合併協議会を発足させ、長野県から岐阜県へ越境合併も視野に入ってきたところである。
我が田中康夫知事にして、近代長野県の父ともいえる島崎藤村が岐阜県に行くとなると何をかいわんやと嘆かせるのは長野県人として当然の思いである。
山の中の木曽路と言えども、登山口としては御嶽山を除いてあまりポピュラーなものはない。、中央アルプス駒ケ岳・空木岳は伊那谷側に表玄関を譲り、裏登山口の悲哀をなめているのである。しかし南駒ケ岳・越百山登山道は大桑村から登路が開けていて奥深い木曽の山々を体験するには丁度よいのではないかと思い、伊奈川ダム上流の今朝沢林道に車を走らせた。
真っ青に佇む伊奈川ダムを越えて、今朝沢林道前のゲートに車を止め、小屋泊リの15キロくらいのザックを背負い50分の林道歩きで福栃橋登山口につく。
この山は最近までは「コシモヤマ」と呼ばれていたのだろうか、案内看板に白ペンキで訂正されていた。
登山道は地元大桑村野歩路会により、最近開かれた後も良く整備されていて、急登も少なくジグザゲを切ってある。2時間ほど登った、上の水場までは快調に登ることが出きるが、福栃山に掛かると急登が続き、1時間近くアルバイトを強いられる。「どうせ今日は越百小屋泊り」と、ゆっくり休養と昼食を挟みながら13時に越百小屋に到着だ。
小屋番と話をすれば、4時間もあれば次の摺鉢窪避難小屋まで行けるというので休憩も取らずに越百山に急ぐ。樹林帯が切れると中央アルプス最後のハイマツ帯である越百山頂上に到着した。
穂高連峰を彷彿させる、岩稜の仙涯嶺から南駒ケ岳までの稜線が望まれて、大感激である。恵那山は分かるが周辺の山座は同定出きない。いくら日が長いと言っても、これから3時間先の南駒ケ岳までの道のりを考えるとゆっくりもしていられない。疲れた体に鞭打ちながら仙涯嶺までは稜線漫歩、更に南駒ケ岳までは岩稜越えて3ヶ所の雪渓をトラーバースして行くのである。途中女性2人パーティに会う、摺鉢窪避難小屋の情報を確認しながら、とうとう17時前に念願の南駒ケ岳山頂に立つことができたのである。
空木岳から駒ケ岳に通じる中央アルプス北部主脈が一望できて、4年前ガスの中ムスコと二人、黙々と歩いた縦走路に感慨新たにするのであった。
摺鉢窪避難小屋への正規ルートは「雪庇を崩して、雪渓を下らなければならない」と女性パーティからアドバイスを受けていたので、小屋へのエスケープルートを確認しながらここに来たので、山頂から岩屑の斜面を真っ直ぐ下って、30分で小屋に着くことが出来た。
もちろんこの時期人がいるわけがない。無人の避難小屋で急ぎ夕食を取り、下界はWカップサッカーのロシア戦に大騒ぎの中、ラジオを忘れた為にカールの中に吹く風の音にまんじりともしない夜を過ごすのであった。寒さに何回も起きて見下ろす飯島の町の灯がまぶしくきらめいていた。

6月10日
寒さにこらえきれずに4時過ぎ寝袋から起き出して、昨日水を汲んだ雪渓に行ってみれば、なんと氷つていて、水が流れていないのである。今朝は-4〜5℃くらいに冷えたのであろうか。
朝食をしっかりとって、南駒ケ岳に登り返す。昨日の疲れが抜けきらずに1時間近く掛かるもあせりはない。何しろ時間はたっぷりあるし、天気の崩れも心配ないからである。昨夜からの強風は頂上につくと更に厳しく感じられる。空木岳まで行って見ようかなんて気持ちは吹っ飛んでしまい、結局展望を楽しんだ後、2411mピークを回って、頂上から3時間20分かけて今朝沢林道に下った。
更に林道を1時間歩いて12時丁度林道ゲートに帰りつき、Wカップサッカーでロシアに勝って狂喜の下界の様子を知ることが出来た。
林道途中で作業中の森林組合員に会うまで、今日も一人だけの南駒ケ岳登山であった。

越百山〜安平路山〜摺古木山の縦走記録(2009年10月の記録)

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