2005年夏 北岳〜間ノ岳〜仙塩尾根〜塩見岳〜三伏峠へ
(第1日目 8月10日)

小太郎山 コタロウヤマ 標 高 2725m 日本標高順百座

山 域

南アルプス
北岳 キタダケ 標 高 3193m 日本百名山

山 域

南アルプス
登 山 記 録
登山月日 8月10日
登山経路 芦安バス発着場5:10〜広河原6:10/6:35〜大樺沢二俣8:05/8:15〜小太郎尾根11:40/11:50〜小太郎山13:05/13:30〜尾根分岐14:55/15:00〜北岳肩の小屋15:35〜北岳山頂16:25/16:35〜北岳山荘キャンプ場17:35
行動時間  合計11時間25分(休憩時間を含む)
天  候 晴/霧
メンバー 単独

情  報

アクセス 広河原への自家用車乗り入れは規制されて芦安からバスまたはタクシーで
トレイル 小太郎山へはまだ踏み跡不鮮明なところあり
水場・トイレ 広河原から先は各小屋にある
その他 小太郎山は山梨百名山制定後訪れる登山者が増えた

 
小太郎尾根の先端に立つ小太郎山に登り北岳を振り返る

 

 

 
小太郎山・広河原取水堰堤・鳳凰山方面


誰もいない・居るわけがない」16時半過ぎの霧の北岳山頂

山行記

南アルプスの一大登山基地・広河原への通行は昨年からマイカー規制されている。野呂川林道の入口、南アルプス市・芦安に大駐車が完備されて、バスかタクシーで入ることになる。いろいろ問題のあるところではあるが狭隘な林道の安全通行と自然保護の観点からは歓迎すべき事であると思う。
深夜0時過ぎに車で乗り付け、駐車場で仮眠をとる。
早朝4時過ぎに周囲の車のドアーの開閉音に目を覚まし、私もしっかりと支度をする。
5時10分発の始発バスに乗り広河原へ向かう。昭和38年、二十歳の時に1年過ごした広河原へは4年ぶりに入り懐かしさがこみ上げてくる。
1時間ほどで広河原に着くと登山道入口の広河原ロッジの前で腹ごしらえをして、大樺沢を登り始める。山中4泊の幕営山行で、担ぐザックは20キロくらいは有って、グッと肩に食い込む。今日は平日のせいか周りを歩く登山者はそれほど多くはない。
大樺沢二俣までは2時間半掛かってコースタイム通りであった。ここで小休止の後、草滑りを登る。きつい傾斜に汗を搾り取られると、霧雨が降り出して雨衣を着用する。外と内側からの水攻めで体はびしょ濡れになるのである。
「とにかくこのきつい登りを克服しなければ」と必死に登る。ほとんどの登山者が小屋泊まりであるので軽いザックである。私のがんばる姿は共感を呼んで励ましてくれる。
軽い荷物で歩けば、草滑りのすばらしいお花畑に目をやる余裕もあるが、それどころではないのである。
白根御池小屋からの道を合わせると小太郎尾根へは後わずかとなり、大樺沢二俣から2時間半で到着することができた。
稜線に荷物を下ろし、しばし肩で息をする。仙丈ヶ岳や北岳の山頂はガスの中で姿は見えない。
ここにザックを置いてまずは小太郎尾根の先端に立つ、標高順百座の小太郎山を目指す。小太郎山までは霧も晴れていて岩稜の稜線伝いに登山道が見えていて安心だ。しばらく下ると山頂を踏んで戻ってきた登山者に会う。「思ったより時間が掛かった」と汗を拭いていた。岩稜を下りきると樹林帯に入るが、ながい時間ではない。山頂一つ手前のこぶを越えて更に10分ほど歩いて小太郎山に到着した。
「山梨百名山」の山頂標識が立てられていた。「山梨百名山」制定後には訪れる人も多くなったと聞く。
野呂川の対岸にはアサヨ峰・鳳凰山がすぐそこに聳えている。そして眼下の広河原には40年以上も前の思い出の野呂川発電所広河原取水堰堤が、周囲の景色にしっかりととけ込んで、エメラルドの光を輝かせている。
昼食を取りながらしばし休憩するが、先の行程を考えると長居は無用。山頂を後にする。
稜線の登り返しは軽荷とはいえ厳しいものである。常に目の前には霧に頭を隠した北岳を望むので有るから威圧感がある。結局下りよりは30分も時間をかけて分岐に戻る。
ここで再び重いザックを担ぎ、まずは北岳肩の小屋を目指す。余力がなかったらそこでキャンプをしようと思う。
30分ほどで肩の小屋に着くがまだまだ余力も気力もたっぷり。ここで今日の行動を中止したら、明日からの行動が厳しくなることがわかっているからだ。まだまだ15時半過ぎたところ周囲の目も気になるが、一気に北岳山頂めざす。
霧と強風の中、岩場の道を拾い、肩で息をして時々ザックを岩に預けながら休みを挟み、必死で登る。
16時半、ようやく霧の北岳山頂に登り着いた。「誰もいない、居るわけがない」。
山頂標識には昨年再測量の結果、従来より1m高くなったとかで、「標高・3193m」と書き換えられていた。
展望の利かない山頂にいても仕方ないので、すぐに下山に掛かる。
岩場を慎重に下って<北岳山荘に着くとすでに17時半過ぎであった。
今日はここでテントを張る。
周囲には10張りにも満たない静かな北岳のキャンプ場であった。

第2日目北岳山荘〜間ノ岳〜仙塩尾根〜北荒川岳へ
第3日目雪投げ沢〜蝙蝠岳〜塩見岳〜三伏峠へ

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