2003年夏ふれあいの北海道山行−2

(ニセイカウシュッペ・ニペソツ山・石狩岳・樽前山)

日本二百名山 樽前山 タルマエヤマ 標 高 1024m

山 域

支笏湖
登 山 記 録
登山月日 2003年8月27日
登山経路 七合目ヒュッテ10:50〜東山11:55/13:00〜(遭難者救助)〜風不死岳分岐〜七合目15:20
行動時間 登り1時間05分 下り2時間20分 合計4時間30分(休憩・遭難者救助時間含む)
天  候
メンバー 札幌の友人ご夫妻と

情  報

アクセス 支笏湖畔から7合目樽前ヒュッテへ
トレイル 砂礫の道が続く樹林がないので日よけ対策が必要だ
水場・トイレ 登山口以外にはない
その他 隣の風不死岳とセットで登るとよい
山行記

札幌から支笏湖畔に来ると支笏湖の反対側に端正な山容を見せている山が樽前山かと思うが、実は風不死岳であって、樽前山はその影に隠れている。
七合目まで車が入れる。駐車場には平日にもかかわらず、久しぶりの好天に誘われて登山者が押し寄せたのか車が溢れていた。
「樽前山は活火山の山です。立ち入り禁止区域や噴出ガスに気をつけ注意して登ってください」なる看板が立てかけられていた。
駐車場から登山道に入ると10分もしないうちに火山礫の道となり草木もまばらになる。浅間山か富士山の登山道を歩いている気分になる。一直線に西山の望まれる稜線に登り、折り返して東山山頂には一時間で到着した。一等三角点の山頂である。樽前山の最高峰は正面に見える溶岩ドーム上にあるが、今は登山規制されている。又支笏湖畔に立つ風不死岳も見事な山で、実際標高は風不死岳のほうが高いのである。ここは風不死岳と二つでひとつ、両方登らなければならないように思う。
火口原を見ながら昼食をとる。友人夫妻の温かいもてなしに感激する。
1時間ほど休んで、火口原の縁を風不死岳方面に廻って裾野を歩いて七合目に向う。
途中、登山道で足を滑らせて負傷し歩行不能の登山者を発見。落ち着いて苫小牧警察に救助を要請する。30分ほどで、ヘリコプターが飛来し収容する。連れの奥さんを伴って七合目に帰り着く。
友人夫妻は奥さんを乗せ車を回収して札幌に戻ると言うことでここでお別れをする。少し良いことが出来たかナーとハッピーな気分になり、北海道の汗を流しに登別温泉に向った。

2018年7月 樽前山・西山周回の記録

 


日本二百名山 石狩岳 イシカリダケ 標 高 1967m

山 域

東大雪山系
登 山 記 録
登山月日 2003年8月26日
登山経路 二十一の沢出合5:55〜シュナイダーコース開削の看板6:30〜稜線分岐9:10/9:10〜山頂9:45/10:35〜分岐11:00〜登山口13:10
行動時間 登り3時間50分 下り2時間35分 合計7時間15分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス R273十勝三股から砂利道の林道を9キロ入る
トレイル 登山口から30分でシュナイダーコースの急坂に取り付く後は急登に次ぐ急登をよじって稜線へ 山頂への道は展望が素晴らしい
水場・トイレ 登山口に水有るが煮沸必要? トイレも簡易式がある
その他 山頂はアルペンムードが漂う
山行記

十勝三股から20キロほどの糠平温泉で汗を流し、アルコールと栄養を補給すると疲れも相まってたまらなく眠たくなり、トイレ完備の駐車場で朝を迎えた。今日の午前中は雨で、その後は急速に回復するという天気予報だ。案の定、外は雨だがそれ程のこともない。
急いで十勝三股に戻り、音更林道に入ると雨は上がってきて石狩岳の駐車場に着く頃には完全に雨は上がった。
早朝5時半であるが誰もいない。車も一台も止まっていない。いるわけがない。不気味な静寂でなんだか心細くなる。駐車場の入口が泥濘になっているので林道脇に車を止めて支度を始める。シュナイダーコースの急坂を直登するのできつい登りを覚悟して気合いが入り、昨日のニペソツよりは厳しい登山を覚悟する。
登山口には天狗神社なる祠があって石ころが安置されている。熊除け祈願をして登山道に入る。
登山道は
二十一の沢に沿って平坦な道が続き、30分もすると二十一の沢を徒渉するが問題はない。
シュナイダーコース開削記念の看板を過ぎると、いよいよ登りに掛かるが。取り付きは恐れるほどではないがコースは荒れている。30分ほどで尾根道に出ると傾斜もゆるみ歩きやすくなる。木々の間から稜線が望まれるようになるといよいよ急登が始まる。最初は濡れた土の急坂で足を滑らせるが、ニペ見の座・かくれんぼ岩等と名付けられた岩稜の道になると両手を使って体を引き上げなければならい。
このあたりになると樹相は小灌木となり、振り返ると周囲の山々が見渡せる。、昨日登ったニペソツ山も山頂には雲が掛かっている。何回も休憩をはさみながら稜線分岐に飛び出した。4時間近く掛かるだろうかと思っていたが、登山口からは3時間で登り切った。気合いが入っていたのだろうと思う。
稜線から見上げる山頂は南面にガスが掛かり、全容は見えないがハイマツの山はアルペンムードが漂っている。こんな大きな山に一人で登っているのかと思うと感動がこみ上げてくる。「あー今俺一人でこの山を独占しているのか・・・・・」。
しかし、なんと、なんと山頂付近から人の声がするのである。昨日音更山に登って今朝ここに回ったものがいるのだろうかと、がっくりする。
しばし休憩し山頂目指してハイマツの中を進む。30分ほどでガスの中、山頂に飛び出すとなんと、大垣の「ウルトラ山キチ女史」一行のT氏であった。携帯電話が通じたので、電話をしているところであった。「ヤーヤー」と挨拶を交わす。「この山は他の3人はパスしたので、私一人で4時から登り、8時50分に登りつきましたよ」と言って記念の写真を撮り、入れ違いに下っていった。勿論私のメモ帳にしっかり名前を記帳していただいたのである。山頂で休憩している間に雲が流れ、時々日も差してくると石狩岳の全容が眺められるようになる。そのたびにカメラに収めるのだが音更山やユニ石狩岳、期待した大雪連峰もなかなか姿を現さない。1時間ほど滞頂した後、名残を惜しみつつ下りに掛かる。
カムイエクウチカウシ山を登れなかった今度の北海道山行もニペソツ、石狩岳を登ったことで満足度80%と言うところである。「機会が有ればウペペサンケ山も登ってみたいなー」と思いつつ、シュウナイダーコースの急坂を慎重に下るのであった。登山口には13時過ぎに下り着き昼食をとるT氏に別れを告げる。
濡れた着衣を全部着替えて駐車場を後に氏林道を走っていると、T氏を迎えに「ウルトラ山キチ女史」一行のパジェロが登ってきた。最後の別れの挨拶と再会を約して手を振りながらお別れしたのである。
糠平温泉で昨日と同じ露天風呂で汗を流し、帯広に出て日勝峠を越えて、札幌の友人宅には予定より早く19時過ぎには入ることが出来た。


日本二百名山 ニペソツ山 標 高 2013m

山 域

東大雪山系
登 山 記 録
登山月日 2003年8月25日
登山経路 駐車場5:15〜十六の沢登山口5:30〜天狗のコル7:20〜前天狗8:20/8:30〜ニペソツ10:00/10:50〜前天狗12:00/12:15〜天狗のコル13:00〜十六の沢登山口14:10〜駐車場14:20
行動時間 登り4時間45分 下り3時間30分 合計9時間05分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独+札幌のY氏

情  報

アクセス R273十勝三股からを入り、石狩岳への道を分けて砂利道の林道を終点まで入る
トレイル 人気の高い山も登山道はあまり整備されていない ニペのコルからは岩稜の道となる
水場・トイレ 十六の沢登山口にトイレがある
その他 北海道随一のアルペンコース
山行記

層雲峡の黒岳温泉でニセイカウシュッペの汗を流し、大雪ダムから三国峠を通って原生林の中の一本道(R273)を上士幌町十勝三股に向かう。
十勝三股の橋の脇にあるニペソツ山・石狩岳への案内板を見落とすこともなく音更林道にはいることが出来た、林道入口には入林ポストが設置されているが記帳するものは少ないようだ。10分ほど走ると石狩岳登山口への道を右に分け・・・林道を進む。しばらく走ると今朝、ニセイカウシュッペを一緒に歩いたウルトラ山キチ女史一行の車が下がってきた。「明日は天気が悪そうなので希望者だけで石狩岳に登り、全員登頂希望の二ペソツは明後日にする」と言う。「明日は何とか天気が持つが明後日の方が悪そうですよ。私は明日ニペソツに登ります」と言ってすれ違う。
登山口から600m程前で通行止めとなっていたが、そこはちょうど駐車場であって、日曜日の今日10台程の車が止まっていた。丁度下山の時間帯で、疲れ切った顔をした登山者が続々とおりてくる。「今日はガスと霧雨でさっぱりだった」と、明日登る私をうらやましそうに見つめる。
食料の買い出しも出来なかったので今日は自炊をしなければならない。車の中でビールと酒を飲んでいると睡魔が押し寄せてしばらく休む。テントは持ってきたがこんな山中一人でキャンプする元気もなく、そのまま車の中で朝を迎えることにする。暗くなりかけた頃に1台の車が到着し私の隣に停車してそのまま休んだようだ。20時時頃に空腹感を覚え、車のライトを灯しお湯を沸かして遅い夕飯をとった。
薄明るくなった翌朝4時過ぎには目を覚まし、昨夜の残りご飯にお茶漬けをかけて腹ごしらえするが少し物足りないので山中でラーメンを作る用意をし、支度を整え5時15分にはコーヒーを飲んでゆっくりしている隣の登山者に「お先に」と声を掛けて出発する。
登山口までは15分ほど一部路肩決壊のおそれのある林道を歩く。山中での携帯トイレが用意されていた。杉の沢を渉って、余り手入れのされていない登山道を黙々と歩く。もちろん熊よけに鈴とラジオはがんがん鳴らす。登山道を塞ぐ笹が昨晩少し降った雨で濡れていて、見る間にズボンが濡れる。雨合羽に履き替えようか思案するがそのまま進むことにする。
登山道に入って15分ほどすると隣に駐車した登山者が追いついてきた。札幌から来た同年輩のy氏で、これから山頂を踏み下山するまで行動を共にするのである。y氏が駐車場を出発する時間には「ウルトラ山キチ女史」一行も車で駆けつけ、ニペソツを目指して後に続いているようだ。
天狗のコルまでの登山道は緩やかな道でなかなか高度が稼げない。樹林帯の切れ目から後ろを振り返るとウペペサンケや糠平富士が望まれるようになり、登り切った岩場を回りこむと天狗山が見えてきた。少し下ると天狗のコルで、ここまで2時間、コースガイドのタイム通りに歩いた。しばし休憩して次の目標地点前天狗を目指す。登山道脇の木々はナナカマドなどが色づき初め、山全体が秋待ち色という感じで夏がなかったという今年の北海道に一抹の寂しさを覚える。樹林が切れてハイマツ帯に出ると、先を行くy氏がググと引き返す。物音に熊の気配を感じたようで慎重に二人で様子をうかがう。鈴音を大きくならして熊さんに所在を知らせ、更に一声「通りマース」と声を掛けて通り過ぎる。熊さんは北海道の王者であるので敬意を表さなければならない。
ようやく展望が開けて石狩岳などがよく見えるようになってきた。巨岩を縫って前天狗に立つとニペソツが天を突いて現れた。鋭い岩峰はさすがに見応え十分で北海道岳人のあこがれの峰であることが納得できる。うっとりとしながらカメラに収めてニペソツ山を眼前に見ながら歩を進める。一旦下って又登り返す天狗平だ。ニペソツの輝きは更に増して感動が高まる。
今度は天狗山を巻いてニペソツのコルまで100m近く下る。そして最後のニペソツへの登りは急登となり、標高差は300mはあるだろうか。右側には大雪山連峰の峰峰が見えてきた。ハイマツ帯が切れて岩稜になると北斜面に回り込み、アルペンムードが漂う中を15分ほど歩いて山頂を踏むことが出来た。同行してくれたy氏とがっちり握手をして登頂を喜ぶ。
決して良い天気とはいえないが高曇りの空の下、十勝連峰からトムラウシを経て大雪山までが一望できて感動が広がる。先日登った芦別岳も特定できるが日高の山は少し無理のようである。食事をとりながら休憩していると天狗山から「ヤッホー」の声が聞こえる。後続の「ウルトラ山キチ女史」ご一行のようでこちらも大きな声で応えて叫ぶ「ヤッホー」。
1時間景色を楽しんで山頂を後にする。ハイマツ帯の切れ目に下ると「ウルトラ山キチ女史」が登ってきた。ここではじめて名乗り合って、今後の活躍と健闘を誓い合う。まさに「自然と人情ふれあいの北海道」を実感する。後は足の速いy氏を追いながら適当に休憩を挟みつつ登山口に下った。

翌日の天候が思わしくないようで一旦糠平温泉温泉に下り様子見とする。

 


日本三百名山 ニセイカウシュッペ 標 高 1683m

山 域

大雪山系
登 山 記 録
登山月日 2003年8月24日
登山経路 古川林道登山口6:10〜見晴台7:30〜ニセイカウシュッペ8:20/9:05〜登山口10:50
行動時間 登り2時間10分 下り1時間45分 合計4時間40分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス JR石北線・上川町中越の駅(廃止)近くにニセイカ登山口案内ある林道を終点まで進む とちゅうくっさりで規制されているので鍵のナンバーを確認すること今年は2468であった
トレイル 緩やかなトレイルが続く
水場・トイレ トイレは登山口にある
その他 花の名山であるので時期を間違えた
山行記

石北線・上川町中越の駅は既に廃止になっていた。
上川国道の古川林道入口にニセイカウシュッペ登山口の看板が立てられていたが一度見落として戻る。
5時前には林道に入り15分ほど進むとゲートがあって鎖がかけられていたが鎖ははずれていて通行できた。更に進むと昨日、天塩岳を一緒に登った「ウルトラ山キチ女史」ご一行のパジェロが後ろから追いついてきた。途中もう一箇所のゲートがあり、これも鎖で通行閉鎖されていたが「ウルトラ山キチ女史」ご一行が番号錠のナンバーを聞いていたので難なく通過することが出来た。早朝一人で来たのに運の良さを感じる。新しく開かれた林道らしくまだ伐採・伐根の爪痕も痛ましい林道ではあるが標高1000mを越える登山口まで入れるとなると有りがたいものだ。尾根を目で追うとその先にニセイカウシュッペ山を見ることが出来る。
朝食をとり今日もぬかるんだ登山道を予想して長靴を履く。
登山道を少し歩くと5キロ標識が立っていた。緩い尾根道をぐんぐん飛ばす。灌木の切れ目から大槍の岩峰が望まれるようになると見晴台はすぐそこである。ガスが上がってくるのがよく分かるので休憩もとらずに先を急ぐ。大槍にかかると少し急坂になる。大槍のコルに着くともうニセイカウシュッペ山頂は目の前だ。
ハイマツの中最後の登りを登り切ると山頂に到着した。と同時にガスが上がってきて乳白色の世界に変わってしまう。このまま待てば晴れるのだろうかと期待しながらゆっくり休憩する。
「ウルトラ山キチ女史」ご一行かと思う後続隊が到着する前に一組の夫婦登山隊が到着した。北見からの青島ご夫妻で友人酒井さんの知り合いの方であった。
続いて到着した「ウルトラ山キチ女史」ご一行はのんびりと楽しみながら来たようである。晴れる気配もないので山頂を後にする。それにしてもシャッターチャンスを逃してしまったことが悔やまれる。花の名山という名残の花畑を見ながら青島夫妻と話をしながら登山口に戻った。
途中何組もの登山者が登っていった。しかし今日は晴れることがなかったので、早朝登山道で全容を見ることが出来たことがラッキーであったというものである。
層雲峡温泉で汗を流してニペソツ山に向かう。

 

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