屋久島の山
(宮之浦岳・永田岳・黒味岳・モッチョム岳)

宮之浦岳 ミヤノウラダケ 標 高 1935m 日本百名山

山 域

屋久島
永田岳 ナガタダケ 標 高 1886m 新日本百名山

山 域

屋久島
黒味岳 クロミダケ 標 高 1831m 日本の山1000

山 域

屋久島
登 山 記 録
登山月日 2010年10月8日〜9日
登山経路 10月8日
淀川登山口5:55〜淀川小屋6:35/6:50〜小花之江河8:20〜花之江河8:20〜黒味岳分岐8:35〜黒味岳9:00/9:05〜分岐9:35〜宮之浦岳11:15/11:25〜焼野三叉路11:45〜永田岳12:35/12:40〜三叉路13:35/13:40〜平石岩屋14:15〜新高塚小屋15:30(泊)
10月9日
新高塚小屋6:00〜縄文杉7:00/7:10〜ウィルソン株8:15/8:20〜大株歩道入口8:40〜楠川分れ9:40〜小杉谷〜荒川登山口10:30
行動時間 1日目 9時間35分 2日目 4時間30分 合計14時間05分 (休憩時間を含む)
天  候 1日目 曇/霧雨  2日目 雨
メンバー 単独

情  報

アクセス 淀川登山口まで舗装道路の林道 荒川登山口へはバスかタクシーしか入れない
トレイル 木道などの設置されているが木の根巨石の荒れた登山道も多い
水場・トイレ 水場は山中随所にある トイレは各小屋と簡易トイレブースがある
その他 小屋にはねずみが夜間出没する 宮之浦岳は一等三角点峰

山行記

第一日目

11年ぶりの屋久島である。
安房の民宿を5時に予約したタクシーに乗り、途中朝日屋という弁当屋に寄って朝食の弁当を貰う。
南国・西国屋久島の夜明けは信州よりは1時間近く遅いようである。タクシーの運転手が色々な事を話してくれながら安房林道を進む。淀川登山口には5時45分には着いたがまだまだ夜明け前であった。登山口には10人くらいが支度をしていた。登山口のトイレで用を済ませ、6時前にヘッデンを点けて登山道に入る。木の根が絡まる緩い登山道を先行したパーテイの声を聞きながら進む。途中で先行したグループを追い越して淀川小屋に到着した。


淀川小屋・小花之江河


花之江河・黒味岳

淀川小屋の前で弁当を広げて朝食をとる。淀川に掛かる橋は新しく架け替えるところであったが資材運搬のヘリコプターが一月前に墜落し、工事は中断延期されていた。朝食をとった後は登山道を黙々と進む。木道も整備されていてとても歩きやすく傾斜も緩い。先行する高齢の男女を2組追い越して、小花之江河に到着し一息入れる。更に花之江河でも休憩する。花之江河から15分ほどで黒味岳分岐であった。分岐にザックをおいて黒味岳に向かう、少々荒れた巨石の道を進み30分で山頂に立つ。宮之浦岳が曇り空の向うに見えるがそれほど遠くには感じない。


翁岳の巨石・宮之浦岳山頂

黒味岳分岐に戻り再び登山道を急ぐ。投石平や翁岳の巨石の芸術品を楽しむ間に栗生岳を越えて宮之浦岳に立つ。途中から一緒に歩いた女性と山頂写真を撮りあう。
11年ぶりの宮之浦岳山頂で息子と一緒に来た前回の事が蘇るのであった。


永田岳


永田岳から見る宮之浦岳

霧雨と風が少し強くなり山頂で雨着を付けた後、焼野三叉路への道を下る。15分ほど下って焼野三叉路である。
ここでもザックを分岐に預け、サブザックに少しの食料と飲料を入れて永田岳を目指す。ヤクザサの中前方に永田岳、後方に宮之浦岳を眺めながらの素晴らしい道である。流水の水場を過ぎると永田岳への登りとなる。白い花崗岩とヤクザサの見事なコントラストの自然庭園をゆっくりと登り、巨岩の永田岳山頂に立つ。
先行していた登山者に写真を撮ってもらい、岩陰でパンをかじって昼食とする。


永田岳の岩峰

僅かな時間しかいない永田岳で有ったが、これで岩崎新日本百名山96座目である。霧雨が更に強くなっては先を急がなくてはならない。焼野三叉路に戻って新高塚小屋方面への道に入るには2時間の永田岳への寄り道であった。

焼野三叉路からの道は巨石の中の荒れた道である。平石・平石岩屋などを下ってゆくが疲れた足には厳しい道であった。第一展望台で宮之浦岳とお別れして、少し下ると今日の宿新高塚小屋に到着した。15時半の到着で淀川登山口を出て9時間半ほどの行程であった。小屋前のデッキでは草を食む鹿を見ることが出来た。


平石岩屋・展望台から見る宮之浦岳


新高塚小屋の鹿

小屋は先着が10人ほどで有ったが、私の後、更に10人ほどが到着し、結局20人ほどの宿泊者で有った。
持参したビールと日本酒を飲みながら寛いで雨が少し強くなった頃には日も暮れて、シュラフにもぐりこむ。
夜半にはネズミの出没に悩まされ、眠られぬままの新高塚小屋の夜ではあった。


第二日目

4時半過ぎには殆どの宿泊者が置きだして朝の支度を始める。ネズミの襲来で眠れぬ夜を過ごした私も起きて支度をする。コーヒーとパン、カップヌードルを食べて朝食とする。
雨着を着てへッデンを点けて6時前二番手の小屋立ちとなった。強くはないが雨の中暗い登山道を行く。ここも結構荒れた道であるが0.5キロ置きにたつ里程標が有り難い。
高塚小屋を過ぎると縄文杉は直ぐであった。雨に降る中デッキに佇む。カメラは濡れてしまい。残念ながら良い写真は撮れなかった。


縄文杉にて


縄文杉(左・下部 右・上部)

縄文杉の木製階段を下り巨石と急坂の大株歩道を黙々と下る。雨は一旦小降りとなるが、再び強くなって雨着を叩く。夫婦杉・大王杉などを見るがカメラは雨に濡れて役に立たなくなる。更に下ってウィルソン株付近まで下ると、今朝荒川登山口を出た縄文杉見物の登山者と行き交うようになる。ウィルソン株でも一息入れるが雨は更に激しくなる。縄文杉見物客に道を譲りながら軌道敷に下りつく。

ここまで下れば後は心配ない。傘を差して、続々と詰め掛ける登山者を見ながら軌道敷をグングン下る。楠川分れで写真を撮っていると白谷山荘を出た女性二人組と会う。白谷雲水峡に出るには徒渉地点の増水が心配である事を知り、11年前に下った荒川登山口へ下る事を決断する。


小杉谷学校跡・小杉谷橋

11年前の記憶の残る小杉谷などを下り、軌道敷を歩いて荒川登山口には10時半の下山となった。
安房林道「荒川分れ」からは交通規制されたいる事は知ってはいたが、連休のこの時期バスかタクシーが登山者を乗せて入ってくるであろうと思って下ったのである。
立派な休憩所で濡れた着衣を着替え、パッキングを点検していると雨も小降りとなった。しかし30分も経っても一台の車も来ない。携帯電話も通じないとなると少々不安になる。公衆電話が通じる「荒川分れ」までの車道歩きを決断し、傘さして車道を歩き始める。20分ほど歩いて荒川ダム湖を右に見る頃、タクシーが登山者を乗せて進入してきた。これで一安心である。帰りのタクシーを拾い、交通規制されたゲート入山料200円を払って、安房林道に出る。
順調に安房林道を下り、最寄のバス停で下車すると待つ間もなく路線バスが来て乗り込む。
屋久島空港まで路線バスに揺られて走り空港の食堂で昼食をとった。

14時の予約のレンタカーを借りて島内観光に出かけた。

 


本富岳 モッチョムダケ 標 高 940m 日本の山1000

山 域

屋久島
登 山 記 録
登山月日 2010年10月10日
登山経路 千尋ノ滝登山口5:20〜万代杉6:30〜稜線7:35〜本富岳8:05/8:30〜稜線9:00〜万代杉9:50〜登山口10:45
行動時間 登り 2時間45分 下り 2時間15分 合計 5時間25分 (休憩時間を含む)
天  候 曇・晴
メンバー 単独

情  報

アクセス 千尋ノ滝には観光道路が延びる
トレイル 急坂で木の根が絡まる荒れた登山道が続く
水場・トイレ 水場は山中3箇所ある トイレは登山口で
その他 岩峰だが登山道は裏山を回りこむ

山行記


山麓から見るモッチョム岳・夜明けの万代杉


最後の鎖場を登りきり山頂へ


万代杉(左・下部 右・上部)

前日レンタカーで島内観光の後、千尋の滝駐車場で車中泊をする。本富岳を登頂し、正午までに空港に戻るにはこの手が一番と考えたからである。
夜明け前の5時に駐車場に車がついてトイレに寄った後、暗闇に消える男女2人組がいて、「どこに行ったのだろうか」と訝る。私も夜の明けるのを待っていては時間が遅すぎる事を知っているので、デイパックに少々の食料・飲料を詰めてヘッデンを点けて、昨日確認してあった登山口を入る。しばらくはしっかりした登山道が続いていた。直ぐに小沢を渡るがここにもロープが設置されていて迷う事はない。
小沢を渡ると急坂になり、一気に300mを稼ぐ事になる。前方が見えない暗闇がかえって有り難いほどである。手足を使って正に暗闇の中をよじ登るのである。
傾斜が緩み周囲に明りがさす頃になると、僅か先を行く先行者がいてびっくりする。万代杉に着くと先行者が休憩していた。なんと朝一番に車をつけた男女パーテイであった。私もここで朝食をとりたかったが、男女2人、迷惑顔で有ったのでそのまま先を行く。
万代杉から先も荒れた登山道でトラバース道も少々怪しいところもあった。沢水の取れる場所で一息入れる。
更に急坂になり木の根・巨石の中を喘ぐ。漸く稜線にたどり着くと登山道脇の立木に「モッチョム岳まで20分」の木札が下げられていて一安心だ。しかし霧が上がってきていてモッチョム岳が見えない。
木札の下がる稜線からは一気に100mほど下り、モッチョム岳への最後の登りになる。ロープが垂らされていて安心であるが肝を冷やすところも随所にあった。2箇所ほどのアップダウンを越えて、最後は巨石をロープ頼りに登りきるとモッチョム岳山頂であった。屹立する岩峰の上であることが良く分かる。後方には花崗岩の地肌がむき出しになった割石岳が聳えている。登ってきた木札が下がる尾根はモッチョム岳に立つための後方の尾根であることが分かる。岩山モッチョム岳に立つにはやはり岩壁とは離れた裏山からのルートで有ったかと思い知るのであった。
山頂で朝食をとりながら展望を楽しむ。すっきりした天気とはいえないが尾の間の海岸線が眼下に見える。30分ほどの山頂ステイで往路を下った。下山途中7パーテイ20人くらいの後続の登山者と行き交った。登山口には予定通り10時50分の下山となり、空港までの時間にも余裕があって一安心である。尾ノ間方面にしばらく走って、屹立するモッチョム岳の岩峰をカメラに収めて空港に走った。

 

屋 久 島 旅 情


大川の滝(オッコウ)・千尋ノ滝(センピロ)


平内海中温泉

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