海別岳 ウナベツダケ 標 高 1419m 日本の山1000 山 域 知床
登 山 記 録
登山月日 2017年4月14日
登山経路 海別林道除雪最終地点6:20〜519mピーク(スキーデポ)7:45/8:00〜森林限界9:35/9:40〜1156m標高点11:10〜1391mピーク12:10〜海別岳12:30/12:50〜1156m13:35〜森林限界14:10〜スキーデポ地点15:30/15:40〜入山場所16:15
行動時間 登り 6時間10分 下り 3時間25分 合計 10時間 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候 晴 山頂付近風強し
メンバー 単独
情   報
アクセス 海別林道入り口まで舗装道路 入山口の牧場入り口までは砂利道もわずかな距離
トレイル 100%残雪歩き 森林限界を抜けると山頂まで雪原が続く
水場・トイレ 両方とも無し
その他 手前の尾根を登るものもあるようだが、519mピーク側を登る方が良さそうだ
山行記

海別岳山頂から根室海峡方面を見る


入山口・519mピーク付近にスキーをデポ


森林限界を越えると斜里岳が・1156m標高点から山頂方面


前衛ピークから本峰・本峰から前衛ピーク


山頂から羅臼岳方面と羅臼町方面

「日本の山1000」を目指した時から「海別岳は山スキーで登ろう」と思い、そのために65歳から山スキーを始めた動機、きっかけでもある。今日はその思い夢が叶う時であるが、体力脚力の衰えは顕著で、スキーを持ってきたがどこまでハイクアップできるかは疑問であった。
前日は吹雪模様の中海別山麓に走って海別林道の看板が立つ場所を確認した後、斜里町中心部にある道の駅で車中泊した。翌朝早く海別林道に入り、わずか先の。除雪最終地点でスキーを履き牧場内を歩いて林道に出る。昨日の吹雪でトレースが消えていないかと心配したがスキーのトレースが薄く残っていたのは幸いであった。山麓を巻く海別林道を20分ほど歩いて樹林帯に入る林道支線に入って行き、やがて519mピーク目指して樹林帯に入って行く。入山口から1時間半ほども掛かって最初の目標点519mピークに達した。その先は平平坦地になりダケカンバの密林になっていて「私の技術では滑降が難しい」と判断し、スキーをデポしてツボ足登山に切り替えた。
デポ地点から先はしばらく平坦地が続きダケカンバやトドマツ林の中を行くが中々高度が稼げない。朝の冷え込みでだまだ雪が締まっていてツボ足でも脚を取られることは無かった。デポ地点から1時間半以上もかかってようやく疎林となって森林限界に達した。少々傾斜が増してきたのでアイゼンを装着し歩き始めると男女2人ずつの4人パーテイが現れて、この先一人でないことに安堵した。森林限界から上部は雪原が開け右側には小海別岳が見え、少し高度を上げると斜里岳が見えてきた。そして振り返ると牧場や農地の先にオホーツクの海岸線が見えてきて心躍る景色が広がっていた。しかし山頂方面には雪煙が舞い、強風が吹き荒れている様子が見える。
延々と続く雪原にも857m・1156m標高点と目標があるのが救いであり、目標点に着くたびに小休憩を挟んで登行して行く。1156m標高点につくと前衛の1391mピークが大きく立ちはだかっていてその奥に海別岳の山頂が姿を現した。この辺りまではスキーで登ってこられそうであるが、私の足では無理であると判断し後悔の念はわかなかった。私を追い越してゆくだろうと思っていた4人パーテイは随分とゆっくりと登って来て未だ下方にいた。1156m標高点からは一気の急登になっていて気合を入れる。強風吹き荒れる中アイゼンを利かして歩数を数数えながら登りあげて行き、標高差250mの前衛のピークには1時間かかって正午過ぎに登り着いた。稜線伝いの海別岳がまだまだ遠くに見えて気が重かった。前衛ピークで一息入れた後少し下って雪庇の発達した尾根歩きを敬遠し尾根の右下側を歩いて海別岳目指した。海別岳山頂には前衛ピークから20分ほどで着くことができた。
知床半島方面には羅臼岳が反対側には斜里岳が特定できるが春霞の先であったのが残念である。強風を避けながら写真撮影と簡単な昼食を摂った。「後続のグループは時間切れで登頂を諦めたのだろうか」と前衛ピークに目をやると、私よりは30分以上も遅れて登り着くところであった。
20分ほどの滞頂の後往路を戻る。稜線上で後続グループと交差するが風強く声かけあうこともできなかったが、4人はザイルで結ばれていて、ガイド付きの女性登山者と思った。登りに1時間かかった前衛ピークから1156m標高点までは30分もかからずに下り着き、これが見納めと思い海別岳山頂にお別れした。森林限界までのメローな雪原はオホーツク海岸を見ながらの快適歩行であるが雪が緩んで足を取られた。樹林帯の平坦地に来るとさらに足を取られることが多くなり時間が気になった。スキーデポ地点に戻り後続グループに追いつかれる前にスキーを履きダケカンバ林の中を怪しい滑りながら下った。薄いトレースがあり、迷うことなく海別林道に下って重い足を引きずりながら入山口に着いた。
最後はスキーで下れたので「海別岳をオホーツク海に向かってっ大滑降の夢は叶えたり」の思いで海別岳を後にした。




オホーツク海を見ながら雪原を下る・入山口から山頂方面を振り返る

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