鶏冠尾根〜木賊山〜雁坂嶺へ

鶏冠山 トサカヤマ 標 高 2115m 山梨百名山

山 域

奥秩父

木賊山 トクサヤマ 標 高 2469m -

山 域

奥秩父

破風山 ハフウヤマ 標 高 2318m 山梨百名山

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奥秩父

雁坂嶺 カリサカレイ 標 高 2289m 山梨百名山

山 域

奥秩父

登 山 記 録
登山月日 2012年7月9日〜7月10日
登山経路

第一日目
広瀬・西沢渓谷入口5:10〜二股〜東沢徒渉点5;50/8:50(東沢遡行・約3時間のロス)〜鶏冠山第一P11:20/11:40〜鶏冠山12:25/12:50〜鶏冠山本峰13:20〜木賊山16:35/16:45〜笹平・破風山避難小屋17:25 水場往復17:35〜18:15
第二日目
破風山避難小屋5:50〜西破風山6]40/6:50〜東破風山〜雁坂嶺8:20/8:25〜雁坂峠8:50/9:00〜車道終点10:50〜広瀬・西沢渓谷入口12:00

行動時間 第一日目 13時間 第二日目 6時間10分 合計 19時間15分 (休憩時間を含む)
天  候 第一日目 晴・曇/雷雨  第二日目 晴・霧
メンバー 単独

情  報

アクセス 西沢渓谷入口はR140から分かれてすぐ先に駐車場ある
トレイル 鶏冠山までは樹林帯・岩稜帯に明瞭な登山道が続く
木賊山まではシャクナゲ林と倒木帯の中の薮を漕ぐが、踏み後はしっかりしている赤布はあまりない
奥秩父主脈縦走路・雁坂峠〜広瀬は快適な一級トレイル広瀬までの最後は5キロ近く舗装道路
水場・トイレ 水場 東沢徒渉点をすぎると水場は避難小屋まで無い 避難小屋の水場も荒廃した笹原の中の道を20分下る。主脈縦走路は甲武信小屋〜雁坂峠小屋間は無い
トイレ 西沢渓谷入口を過ぎると避難小屋にも無い
その他 木賊山までは岩稜帯・ヤブ漕ぎなどが楽しめるマニアックなルートだ

山行記

<第一日目>

西沢渓谷入口を5時過ぎに出発する。15分ほどでトイレも完備した登山指導所があり、登山届けを提出した。西沢山荘までの舗装道路はちょうど良いアイドルタイムであった。西沢山荘は休業中であった。田部重治の文学碑を横に見ながら進み二股に来ると東沢にかかる吊橋を渡る。吊橋を渡るとすぐに西沢との分岐になり東沢川原方面に「鶏冠山」の小さなプレートが案内していた。しかしその行く手には「進入禁止」の大きな看板が立っていた。

 

 

東沢の川原を200mほど進むと徒渉地点になるが、何の標識も無い。
登山靴を脱いでサンダルを履いて渡るが水流はヒザ下くらいの深さであったがそれほどのことも無かった。

徒渉した反対側の少し奥まった場所に鶏冠谷が合流している。

(徒渉後、川原の上流に向かって大きな足跡があり何気なく跡を追ってしまい、甲武信ヶ岳クラシックルートの東沢遡行のみちに迷い込む。最初から高巻などが連続するルートであったが1時間半近く東沢の遡行ルートを歩いてしまった。気が付いて徒渉地点に戻った時は3時間のロスタイムであった.。)


徒渉地点に戻って鶏冠谷を確認すると右岸側にロープがあり僅かに川の縁を進むと尾根に続く登山道に入れた。

樹林帯の登山道は驚くほど広く整備された登山道が続いていて、3時間のロスタイムを少しでも縮めようとするには丁度良い勾配の登山道であった。

 

 


鶏冠谷の入口から1時間半ほど快適な登山道を歩くと、小さな尾根に登りつきこのコース初めて「鶏冠谷出合」の案内看板が現れた。下山時に尾根を直進すると道迷いし易い場所である。そしてその先からは傾斜を増していよいよ鶏冠山の岩峰へのプロローグであった。

 

 

 

 

樹林が疎らになり、岩場が現れると所々にロープも下げられた荒れた登山道を高度を上げてゆく。この先水場は期待できないので岩場から滲み出した水で喉を潤す事が出来て有りがたかった。

鶏冠谷から2時間半で鎖が下がる第一ピークに到着した。

それほどの高度間も恐怖感もない鎖場で問題ない。

 


 

第一ピークで一息入れ次を目指す。

鋸の刃渡りは岩稜のギザギザであるが慎重に歩けば、恐怖感も高度間もそれほどでなく何ら問題は無い。
眼前に第3岩峰の絶壁が見えるのだが今日は雲に隠されていた。

 

 

 

鋸の刃渡りをすぎると大きな岩場の前に着く。

「第3岩峰迂回路」の大きな看板が岩場の前に立てられていて、登山道は樹林帯の中に案内されていた。

岩場の基部を回りこんで登り上げると「鶏冠山・木賊山」の小さなプレートが登山道脇におかれてあって、初めて「木賊山登山道」の看板があった。
(間違いやすい場所危険箇所には看板や鎖場などがしっかりと設置されていたのはありがたかった)

 



木賊山分岐看板からは僅かな時間で「山梨百名山・鶏冠山」標識の立つ岩場に到着した。三角点は無かった。ここまで鶏冠谷から3時間半「ロスタイムが無ければな〜」という気持ちも強かったが、木賊山への時間も読めて少しは安堵した。

 

 

 

 

岩場から見る第一ピーク方面

 

 

                                                                             

 

 

紅葉の頃には素晴らしいと思われる眼前の岩場→

 

 

 


 

岩場で少し休んで分岐に戻り、いよいよ木賊山登山道に入るが、思ったほどひどくは無くシャクナゲ林の中にしっかりとした登山道がついていた。

シャクナゲを掻き分けながら30分ほど進むと標高2115mの鶏冠山本峰に着いたが、ここにも三角点はなかった。
山梨百名山もここまで足を延ばす登山者は少ないものと思った。

 

 






鶏冠山本峰からは大きく右側に曲がる尾根を下る。
グングンと高度を落としてゆくが、登山道は相変わらずシャクナゲ林の中である。稜線上の小さな突起で木賊山に向かう尾根を間違えへて沢に下る迷い跡に入ってしまい、少しウロウロするが、すぐに正規ルートに戻って事なきを得た。大体人間迷うところは同じようなところであって、迷い跡があって引き返し地点にはケルンなども積んであった。登山道は相変わらずシャクナゲ林と倒木地帯を行き、霧雨で濡れていて着衣は既にずぶ濡れで、体も汗と着衣の濡れでずぶ濡れだ。兎に角疲労する前に休憩を先にとる事を心掛けたので、30分に一度は薮の開けた場所に腰をおろし、水分補給に努めた。幸いアクエリアス1本と岩場で補給した水500ml2本があり水分補給が出来た事は大きかった。

 

 

シャクナゲと倒木地獄を3時間近く歩くとようやくシラビソの純林対に入りホッとする。
しかし今度は踏み跡が乱れ始めて何回か逡巡しながら踏み跡を探す。ところどころにある赤布がやはり心強い。

「木賊山に近づいたかな〜」と思っても中々山頂に届かず、少々苛立ち始めるとシラビソ林の中、木賊山山頂に飛び出した。正規ルートよりは木賊山を西側にまいて到着した。ここは奥秩父主脈縦走路が走る山頂であり、もう何の心配も無い場所で思わず「着いたか〜」の声が出るのであった。
ここから甲武信ヶ岳を往復しても1時間半あれば十分だが、もう16時半過ぎでは諦めざるをえない。

 

 

 

奥秩父主脈縦走路は緩く下って行き、疲れた体と脚には心地よい。
50分ほどで笹平にある破風山避難小屋に到着した。埼玉県の建てたログハウスで凄く綺麗で中にはストーブもある。惜しむらくはトイレがない事と小屋の周辺に空き瓶などが散乱していた事である。
小屋にザックをおろし、「水場まで20分」の看板の先の笹原を下って水場に直行する。笹原を過ぎると沢筋になり水場への道は薄く下流に水音を聞くが随分と遠そうである。少し耳を澄ますと小さな水音を聞き2リットルの水を取り、小屋に戻った。水場往復50分のコースであるが40分ほどであった。

小屋に入って30分もしないうちに雷鳴轟いて夕立となり、1時間ほど降り続いた。正に避難小屋のありがたさを思い知らされた。粗末ながらも3合ほどの焼酎を飲みながら腹ごしらえすると、一気に睡魔が押し寄せてきて、ゆっくりと休めたのである。

 

<第二日目>

 

5時前に起きて朝食をとり、5時50分にはパッキング・小屋の掃除を済ませて小屋を出る。
朝の冷気の中の小屋をカメラに収めて。

 

 

 

上昇気流が上がってくる前の奥秩父国師ヶ岳方メンの展望と昨日登った鶏冠尾根も見える。甲武信ヶ岳・木賊山の兄弟峰も見えたがガスが上がってきて山頂を隠してしまった。

 

 

 

昨日の疲れでピッチが上がらなかったが回りの景色を楽しみながらゆっくり歩いた。50分ほどで西は破風山に到着した。山梨百名山標識には破風山、埼玉県の設置した道標には破不山の表示もある。

 

 

快適な奥秩父主脈縦走路→

 

←苔むす癒しのシラビソ林

 

 


 

 

西破風山から東破風山までは僅かな時間であった。縦走路は急坂を下り再び緩く登って、「山梨百名山」の一山・雁坂嶺に着いた。

← 雁坂嶺山頂→

 

 

 

雁坂嶺からは再び急坂を下り、歴史の古道雁坂嶺に着いた。
此処まで破風山避難小屋から3時間を要した。
コースタイムでは2時間20分くらいだがそんな事は気になるものではなかった。
天気がよければ展望が良いのだろうが生憎のガスが上がってきて展望を隠してしまった。


雁が人が越えたという雁坂峠

雁坂峠からの登山道は草原と疎林の中にジグザグ切ってあり、とても歩きやすい道である。
1時間50分ほど下ると車道に飛び出した。民有の林道だそうで登山者も入れないらしい。
1時間ほど舗装道路の林道を歩いて広瀬に下り、R140に出て「道の駅・みとみ」に着いた。
西沢渓谷入口の駐車場に戻って着替えをし、道の駅で昼食をとった後、一路帰宅した。


下山後西沢渓谷入口付近から見る鶏冠山

 

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