将棊頭山 ショウギガシラヤマ 標 高 2730m 標高順百座

山 域

中央アルプス
木曽駒ヶ岳 キソコマガタケ 標 高 2956m 日本百名山

山 域

中央アルプス
宝剣岳 ホウケンダケ 標 高 2931m 日本百一名山

山 域

中央アルプス
三ノ沢岳 サンノサワダケ 標 高 2874m 標高順百座

山 域

中央アルプス
登 山 記 録
登山月日 2005年7月16日〜17日
登山経路 第1日目 伊那市桂小場9:15〜大樽小屋11:45/12:00〜西駒山荘14:10〜将棊頭山14:45〜濃ヶ池分岐15:20〜木曽駒ケ岳16:40〜頂上小屋テント場17:00
第2日目 テント場7:20〜中岳〜宝剣岳8:10〜三ノ沢分岐9:00/9:15〜三ノ沢岳10:40/11:00〜三ノ沢分岐12:40/12:50〜極楽平〜千畳敷ロープウエィ駅13:20/15:40〜山麓駅16:10〜JR駒ヶ根駅17:25〜JR伊那市駅〜タクシー〜桂小場18:20
行動時間 第1日目7時間45分 第2日目5時間(千畳敷ロープウエィ駅まで)
合計12時間45分(休憩時間を含む)
天  候 第1日目 曇  第2日目 晴
メンバー 親子二人連れ登山隊

情  報

アクセス 伊那市小黒川キャンプキャンプ場先まで舗装道路が延びる
トレイル 良く整備されていてとても歩きやすい
水場・トイレ 随所にあるが、稜線上は小屋にしかない
その他 古くから踏まれた伝説の登山道である


将棊頭山山頂
 


稜線上から見る将棊頭山と遭難記念碑


砂で埋まれそうな濃ヶ池と木曽駒ケ岳への登山道


あいにくのガスの中の木曽駒ケ岳山頂


中岳から見る木曽駒ケ岳と宝剣岳


宝剣岳から見る空木岳への縦走路と御嶽山


宝剣岳の岩場と三の沢岳から見る木曾駒ケ岳


三ノ沢岳〜木曽駒ケ岳をバックに


空木岳・南駒ケ岳方面・極楽平付近の縦走路にて


木曽駒ケ岳・三ノ沢岳を彩る高山植物






山行記


第1日目
伊那市小黒川のキャンプ場を抜けて少し走ると桂小場登山口である。しかし桂小場という地名はなく、地元の人に聞いても知っている人は少ないようである。しかしここが以前は木曽駒が岳への表登山道であり、「聖職の碑」で知られる大正年間の学童遭難事故の登山口でもある。
買い物をしたり、道を間違えたりして結局登山開始は9時を回ってしまった。今日は7時間かけて木曽駒ヶ岳山頂のキャンプ地までの道のりで、余り時間は心配することはないのである。
鬱蒼としたシラビソ林の中、広い登山道が切られている。おまけに笹や草木が刈り払われたばかりで、気持ちのよいトレイルである。20分ほどで水場に着く。このコースは水場が随所にあり、それほど担ぎ上げる必要はないようだ。次の目標は大樽小屋で1時間20分の所用タイムである。
久しぶりに同行の息子のピッチは快調で常に私の先を行き、休憩ポイントで休みを取りながら待っている。
梅雨末期で湿気が多く、汗がしたたり落ちる。時間通り大樽小屋に到着し昼食休憩をとる。ここにもしっかりした水場があった。
ここからが胸突き八丁といわれる急坂となるが、それほどの急坂とも思えない。それでも何回か休憩を挟みながら胸突き八丁の頭に出る。ここらあたりが森林限界になっている。緩く稜線直下を左に歩いて、まだこの時期管理人不在の避難小屋、中央アルプス稜線の一角に立建つ西駒荘に着いた。木曽駒ヶ岳から縦走してきた2人組が休んでいた。小屋前で休憩を取り、最初の目標将棊頭山に向かう。
縦走路を5分ほど歩くと将棋頭山への分岐があり、そこから10分で伊那市最高地点の看板が立ち、日本標高84位にランクされている将棊頭山の山頂を踏む。木曽駒ヶ岳への縦走路は途中からガスの中に消えている。一瞬雨が降り出して慌てるが通り雨で事なきを得る。
縦走路に戻って先を急ぐと聖職の碑の大きな碑が建っていた。大正年間の話とはいえ語り継がれた悲劇を思うと感傷的になり思わず手を合わせるのである。
今にも降り出しそうな曇り空の下、木曽駒ヶ岳を目指してハイマツの中の広い稜線の道を歩き続ける。
山頂まで1時間半の濃が池分岐に着くと先が読めて一安心。分岐を木曽駒ヶ岳への道に入り、濃が池を上から見下ろしながら進むとやがてガスの中に入る。しかし少しの不安もない登山道を歩き、植生も薄くなった岩礫の道を歩いて木曽駒ヶ岳山頂に着いた。
6年前もガスの中であったが今回もまた展望の利かない山頂であった。しかし前よりは回りの雰囲気もよくわかり納得の山頂である。「明日天気が良ければ再度登ろう」と話しながら山頂を下る。
中岳との鞍部にある頂上小屋のテンバにテントを張る。桂小場から歩き始めて7時間以上を要して疲労困憊では有ったが久しぶりの息子とのキャンプは信頼と情愛の一夜であって、何にも変えられない幸福感に溢れたのである。
担ぎ上げた食料をたっぷり平らげてシュラフにもぎり込むのであった。

第2日目
風の音が一晩中テントを揺り、隣で熟睡する息子とは裏腹に私はなかなか寝付かれない夜を過ごした。
薄明るくなった4時過ぎにテントの外をのぞくと周囲はガスの中であってがっかりする。更に1時間ほどシュラフにくるまって休み、5時半過ぎには起きて朝食の用意を始める。
この時間になるとガスは切れて、周囲が見渡せ、甲斐駒ヶ岳や北岳が雲の切れ間に覗けられるようになり、今日の好天が予想される。しっかり朝食をとった後テントを撤収し、パッキングをすると7時を回っていた。しかし今日の行動予定はそれほどのものでもないから少しも慌てることはなかった。
時間がたてばたつほど天気がよくなり、キャンプ場から10分の中岳にたつと完全に雲は切れて御嶽山が目の前に見える。そして今日の目標三ノ沢岳が中央アルプスの稜線をはずれた位置に堂々と聳えている。
宝剣山荘に下り、目の前の宝剣岳に登る。スリル満点の岩場を登り、山頂の一角に立つが、山頂の岩場は遠慮する。宝剣岳南陵は更に厳しい鎖場の連続で、岩場の下りに弱い息子は悲鳴を上げながらもしっかり鎖に捕まって下る。他人より倍近い時間をかけて9時前にようやく三ノ沢分岐に到着した。
サブザックに水・食料・雨着を入れ軽荷になって三ノ沢岳への道に入る。ハイマツ帯のざれた登山道を下る。
2ヶ所のアップダウンを越えると三ノ沢岳への最後の登りになる。ハイマツの切れ間にお花畑が見えるようになる。山頂への岩場の直登を登り切り、木曽谷側に回り込むと、そこはちょうど今が咲き頃と花開く一面のお花畑が広がっていた。
そして巨岩が累々と積み重なった山頂はそこからすぐであった。
木曽駒ヶ岳から檜尾岳そして空木岳に続く中央アルプス北部の全容が見える。
6年前ガスと強風吹き荒れる中、息子と縦走した思い出を語り合いながら山頂で休憩する。
関西からのにぎやかな団体さんに辟易しながら20分の滞頂のあと下山を開始する。
お花畑をカメラに納めながらゆっくりゆっくり下る。
分岐に戻り、荷物をまとめ縦走路を極楽平まで歩く。ここにもコマウスユキソウなどの素晴らしい花が咲いている。
極楽平からロープウエィ駅に向かう階段状の道を下る。
20分も下ると喧噪の観光地・千畳敷ロープウエィ駅であった。整理券をもらうと2時間待ちでがっかりする。生ビールを飲み昼食を取りながら時間つぶしをし、山麓駅に下る。更に15分待ってバスに揺られて駒ヶ根駅に、ここでも30分待って飯田線伊那市駅へ。更にタクシーで桂小場に走ると18時半を過ぎていた。

 


茶臼山 チャウスヤマ 標 高 2653m 信州ふるさと120山

山 域

中央アルプス

登 山 記 録
登山月日 2013年7月20日
登山経路

栃洞沢・奈良井林道ゲート〜車〜駒ケ岳登山口7:10〜桂小場コース合流点8:00〜大樽小屋〜胸突き八丁の頭〜行者岩〜茶臼山11:20/12:55〜大樽小屋14:00〜登山口15:50

行動時間 登り 4時間20分 下り 2時間55分 合計 8時間40分 (休憩時間を含む)
天  候
メンバー 奈良井のメンバー13人と

情  報

アクセス 奈良井林道ゲート手前1キロ地点まで舗装道路 その先は砂利道だがよく整備された林道
トレイル 桂小場コース合流点までは渋い林間コース その先は駒ヶ岳へ快適登山道が続く 茶臼山への道も問題ない
水場・トイレ 大樽小屋にトイレ水場ある
その他 木曽駒ヶ岳初め長野県を取り巻く山々が見渡せる 登山口までの林道ゲートは中信森林管理署で

山行記


茶臼山から見る木曽駒ケ岳と茶臼山山頂


奈良井林道途中の登山口と桂小場コース分岐で


シラビソ林の快適トレイルを行き胸突き八丁の急坂を登る


木曽駒が岳←  茶臼山分岐点付近から →行者岩

一月前、坊主岳を登った帰りに奈良井ダムで草刈作業をしていた地元の山崎さんから誘いを受けた茶臼山である。地元有志の夏恒例登山で12名の参加者に加えていただいた。
奈良井ダムの上流に延びる道路を進み、権兵衛道路に乗り、権兵衛トンネル直前から旧道に入り、更に山道に分かれて栃洞沢の奈良井林道ゲート前に6時半の集合である。森林管理署の許可を得て林道ゲートを開け3台の車に分譲してダートの林道を5キロほど走ると「駒ケ岳登山口」であった。ここは既に標高1600mあり、幾つかある木曽駒ヶ岳登山道の中では、一番早く登れるコースで以前は地元の学校登山などにも利用されていたらしい。しかし今ではロープウエイによるお手軽登山に取って代わられてしまったと地元の方が嘆いているのである。

登山口で結団式と自己紹介の後登山道に入る。沢筋を緩く登って落葉松の植林帯を行く。膝丈までの笹が被さる細い登山道だがジグザグ切ってありとても歩きやすいトレイルである。1時間も掛からずに稜線に出て、伊那市桂小場からのコースと合流した。ここから駒ケ岳までは数年前に息子と歩いた登山道であるが、記憶は殆ど失せているのである。今日は「50年ぶりの登山が楽しみ」というビギナーも一緒であるからゆっくりと休憩を取りながらの登山である。合流点からはシラビソ林の中の緩い尾根道が続いていて、30分ほどで大樽小屋に到着した。トイレも水場もある大樽小屋でも大休止である。私はここで朝食をとった。
大樽小屋からは傾斜の増した登山道となり、信大(信州大学)コースが合わさると一気の急坂になり「胸突き八丁」と名づけられた難所である。私は朝食の後少しお腹の状態が悪くなり、いつでも藪の中に飛び込めるポジションを選んでメンバーと間をおいてゆっくりと登った。しかし下山するまで恥ずかしい思いをすることが無かったのは救いであった。胸突き八丁は随所に休憩ポイントもあって、参加者の足に合わせ休憩を挟みながら登っが、私は胸突き八丁を登り切るころには先頭グループにたっていた。「胸突き八丁の頭」の標識を過ぎ、しばらく進むと【駒ケ岳・将棊頭山】との分岐であった。分岐をわずかに進むと茶臼山への稜線となり行者岩が見えてきて将棊頭山〜木曽駒ヶ岳の全容が眼前に開け、疲れも吹き飛びというものだ。砂礫になった登山道を進み、再び代わった樹林帯の急坂を凌ぎ、特異な岩峰の行者岩につくと漸く茶臼山が目の前に見えてきた。そして行者岩からはわずかな時間で茶臼山山頂に到着した。登山口からは4時間半の行程であった。目の前には木曽駒ヶ岳が聳え、雲を被った御嶽山・乗鞍岳そして北アルプス南部の展望が開けていた。更に北方には頚城山塊から上信越国境の山々が浅間山まで続き、八ヶ岳・南アルプスの北部まで、信州を取り巻く山々の絶景が開けていて感動である。まさに「信濃の国だな〜」という声が飛ぶのであった。

山頂で昼食をとりながら1時間20分の休憩であったが飽くなき展望に時間が過ぎるのもあっという間であった。メンバー全員で記念撮影の後往路を下った。途中足を攣る者が出てゆっくり休憩取りながら下ったが、3時間後の16時前には登山口に下り後続を待った。20分遅れて下りついたメンバーを確認し林道ゲートまで車で下った。

山行の記録に戻る