白山周辺
(三方岩岳・野谷庄司山・妙法山・三方崩山)

三方岩岳から妙法山越えてゴマ平避難小屋から白山お花松原へ

三方岩岳 サンポウイワダケ 標 高 1736m 日本三百名山 山 域 白山周辺
野谷庄司山 ノダニショウジヤマ 標 高 1797m 山 域 白山周辺
妙法山 ミョウホウザン 標 高 1776m 日本の山1000

山 域

白山周辺
登 山 記 録
登山月日 2011年8月5日〜8月7日
登山経路 第1日目 三方岩岳駐車場7:45〜三方岩岳8:35/8:45〜野谷庄司山10:05/10:15〜モウセン平10:45〜妙法山12:05/12:20〜念仏尾根〜シンノ谷14:05/14:20〜ゴマ平避難小屋15:50
第2日目 ゴマ平避難小屋5:30〜三俣峠6:45〜うぐいす平7:30〜北弥陀ヶ原8:15〜お花松原9:10/10:05〜北弥陀ヶ原〜うぐいす平12:00〜三俣峠12:45〜ゴマ平14:00
第3日目 ゴマ平避難小屋5:30〜念仏尾根6:45〜妙法山8:20/8:30〜野谷庄司山10:20/10:25〜三方岩岳11:45〜三方岩岳駐車場12;15
行動時間 第1日目 8時間05分 第2日目 8時間30分 第3日目 6時間45分 
合計 23時間20分 (休憩時間を含む)
天  候 第1日目 晴/曇  第2日目 曇  第3日目曇/晴
メンバー 単独

情  報

アクセス 白山スーパー林道
トレイル 白山北縦走路で念仏尾根までは刈り払いされていたがゴマ平の小屋までは薮が煩い
中宮道も問題ないが一部笹薮が被さる
水場・トイレ 水場はシンノ谷と避難小屋で取れるが念仏尾根越えるまではない 中宮道にもこの時期はない
トイレは三方岩岳Pとゴマ平非難小屋にある
その他 北縦走路は下りに利用するものが多い 中宮道は地元のもの利用する

山行記

第1日


三方岩岳からの眺め


野谷庄司山とモウセン平


モウセン平の石仏と縦走路から見る妙法山


妙法山山頂と白山方面

白山スーパー林道の馬狩ゲートの開門は7時であった。ゲートの係員に白山登山を告げ三方岩岳駐車場に3日間車を停車する事をお願いすると色々と指示があった。通行料金は2,500円である。
三方岩岳駐車場に7時半には着いて支度をすると7時45分の出発となったが、既に日は高く上がり、気温もグングン上昇していた。標高1700m付近では涼風には程遠く先が思いやられる。小屋2泊のザックは肩に食い込みなかなかピッチが上がらなく、コースタイム40分の三方岩岳には50分掛かり、汗びっしょりで山頂でも大休止が必要であった。三方岩岳を出ても思うように足が伸びない。しかし今日の行程は8時間と思えば急ぐ事はないと、しっかり休憩をとりながら進むことにする。7年前にきた野谷庄司山に着くころには少し落ち着いてきた。
モウセン平に来ると小さな湿原にニッコウキスゲが花開いていて心が和む場所である。石仏が旅の安全を願ってくれるかのように佇んでいた。モウセン平からは大きく下る。「せっかく高度を上げたのに、これは帰りが大変だな〜」と思う。下りきってトラバース気味に進むと妙法山が見えてきた。妙法山は縦走路の突起かと思ったが意外や意外、岩峰のどっしりとした山容で鞍部からの登り返しは100m以上ありそうだ。この辺りで妙法山を踏んで戻る日帰り単独行者とスライドする。朝、ゲート前で情報交換した地元の同年輩氏である。重い荷物を担ぎ随分と遅れてきた私を見て心配そうな顔をしている。「何かあってもザックの中にツェルトがあるから大丈夫・今日中にゴマ平まで行けばよいので・・・ただ水が少し足りないようです」と挨拶して分かれた。
妙法山への登りはさすがにきつく、しかし思ったほど時間が掛からずに正午過ぎには登りついた。眼前には3週間前に登った三方崩山が谷を隔てて聳えている。そしてこれから行く方向を眺めると白山主峰は霧の中であるが念仏尾根の永い縦走路が見える。妙法山頂で昼食をとり、ガイドブックを見ながら休憩する。丁度行程の半分、ココまで4時間20分掛かったがそれほど慌てる事はないと思った。

妙法山を下り念仏尾根に入ると快適な稜線漫歩を続ける。そして初めて現れた石川県の道標を見るとゴマ平避難小屋への距離も書いてあり一安心である。コースタイムも短縮した。水切れを心配してきたが水場のシンノ谷は念仏尾根から15分であった。谷の水をがぶ飲みすると疲れた体に生気がみなぎり、ゴマ平への登り返しが始まる。ガイドブックでは2時間30分の行程である。
ここら辺りは薮が被さり煩い道で有ったが先も読めて余裕が出てきた。一旦高度を上げて後は泥濘の中トラバースを15分ほど続けると水場に出る。水場から先には踏み跡が鮮明なので、「ココから小屋は近いな」と思いながらゴーロの中を進むと眼前にゴマ平の避難小屋が目に飛び込んできた。シンノ谷から2時間半のところ1時間半で着いたのである。別に私の足が速かったのではなく、ガイドブックが少々甘く書いてあったのである。
小屋には先着2グループ・5人が先着していたが一階の千葉のグループが場所を明けてくれた。水を確保した後、着替えを済ませサッパリとして、持参したビール酒などを飲みながらちばんぽグループと山談義を楽しんだ。


念仏尾根取り付きとゴマ平方面


シンノ谷とゴマ平避難小屋


第2日目


笹原のうぐいす平・荒々しい地獄尾根が望める地獄覗き


ここも花の名所の北弥陀ヶ原


少し霧の出てきた中お花松原に到着

ゴマ平避難小屋を5時半に出る。小屋を出ると直ぐに笹薮の被さる急坂になり慌てて雨着のズボンを着用する。
そこから先の登山道は荒れてはいないが笹薮がずーと被さる道で雨着をつけてもズボンは濡れてしまう。しかし委細構わず歩き続ける。ガスが深く先が見えないのも幸いしてか、あまり疲れも覚えず、最初のポイント「三俣峠」には1時間15分で到着した。腰も下ろさず通過して笹原と草原の中の登山道を歩いて今度は「うぐいす平」である。ここまで丁度2時間、コースタイムよりは少し早い。そして直ぐ先の「地獄覗」を過ぎて再び尾根道の草原を行くと、右側から熊がハイマツの上から丸い耳を見せて小さな声をあげた。私はギョッとするが、逃げても逃げられるわけないと、目をそらせて2〜3m過ぎ去り、後ろを振り返ると熊さんは姿を消していた。右手に持ったステッキを伸ばせば届くほどの距離であった。なんだか何事もなかった熊さんとの出合が物凄くハッピーに感じた事は言うまでもない。
地獄覗から「北弥陀ヶ原」もそれほど時間はかからなかった。草原の北弥陀ヶ原はこのコースお花松原に継ぐ花の名所である。ニッコウキスゲが黄色く染める草原にはハクサンコザクラやリュウキンカ・ハクサンフウロ・キヌガサソウなどが花開いていたが、お花松原を見てからカメラに収めようと先を急ぐ。北弥陀ヶ原の草原は結構広く緩く登ってゆくとハイマツ帯に入りひとつの高みを越してゆく。そして大きな岩稜帯を越えると、眼下に草原とハイマツのお花松原らしきが見えてきた。その上には消えかけたヒルバオ雪渓も見え、それから上部の白山主峰群はは霧の中である。

ゆっくりと岩場を下ってハイマツの中を潜って、お目当てのお花松原に到着した。ここまでゴマ平の避難小屋からは3時間40分くらいの時間であった。

言葉に言い表せない素晴らしいお花畑が広がっていた。
キンポウゲの黄色を基調にクロユリ(黒)・ハクサンコザクラ(ピンク)・アオノツガザクラ(薄緑)そしてハクサンイチゲやコバイケイソウ(白)が彩りを添えて大汝峰の山麓を染めている。

室堂から下ってきた3人も感動の声をあげて、しばらくして室堂に戻っていった。

40分ほどカメラを向けながら佇む。正に至福の時間で、ゴマ平の小屋を同じ時間に出た地元の男女2人が登りつくまで40分ほどお花松原を独り占めである。

そしてお花松原を後にして、急いで登った為に見忘れがちの北弥陀ヶ原のお花畑などをしっかりと確認しながらゴマ平避難小屋には14:00に下りついた。

白山お花松原に咲く花


第3日目


野谷庄司山へ下りつく

3日目は一昨日来た道を下るだけで、何の心配もない。しっかりと朝食をとり5時半に小屋を出る。水場からの登り返しもそれほどのこともなく、笹薮の下りも登りよりは殆んど苦にならなかった。1時間足らずでシンノ谷に下り、水を補給して念仏尾根に登ると7時前であった。尾根道を少し歩いて、笹薮で濡れた雨着を脱ぎ、登山用のズボンに着替えてサッパリとする。登山靴は濡れたままでクチュクチュと音がするがどうしようもない。刈り払いされて快適な念仏尾根をゆっくると進み妙法山にはゴマ平から3時間で到着した。ガスリ気味ながら白山主峰も時々顔を見せる中、ゆっくりと休憩を取る。
妙法山を下り、一昨日登りに心配したモウセン平への登り返しで、汗を搾り取られながらも何とか凌いでモウセン平に着く。道標脇の石仏が優しく迎えてくれた。三方岩岳から来た登山者が数人休んでいる野谷庄司山へはわけなく着いた。私もここで腰を下ろして休憩する。

最後の三方岩岳へも疲れた体に応えるものがあったが何とか凌いで登りつき、白山スーパー林道へは12:15に下りついた。

 


三方岩岳 サンポウイワダケ 標 高 1736m 日本三百名山

山 域

両白山山地


白山スーパー林道から見上げる三方岩岳の岩峰


山頂から白山、笈ヶ岳・大笠山を望む

登 山 記 録
登山月日 2004年8月28日
登山経路 白山スーパー林道・三方岩岳駐車場7:35〜三方岩岳8:15/8:20〜野谷荘司山9:35/9:50〜三方岩岳10:50〜駐車場11:25
行動時間 登り2時間 下り1時間35分 合計3時間50分(休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 白山スーパー林道は8月まで朝7時開門
トレイル 野谷荘司山までよく踏まれている
水場・トイレ 三方岩岳駐車場に完備されている
その他 三方岩岳だけでは物足りないので野谷荘司山まで足を延ばす登山者が多い

山行記

春4月、庄川を挟んで世界遺産合掌作りの白川郷から猿ヶ馬場山に登った。その時に見た三方岩岳・野谷荘司山はまだたっぷりと残雪をかぶって白山連峰の一翼を堂々と担っていた。
白山スーパー林道の開門は8月までは朝7時からである。開門一番乗りを目指したが、開門時間を良く知っている地元の車が入ってゆくのを見て私も続く。さすがの白山スーパー林道、よく整備されていて快適に走ることが出来る。途中からは三方岩岳の3つの岩峰が良く見える。
石川県との県境になる三方岩トンネルの前が駐車場になっていて、ここで車を停めて三方岩岳を目指す。
駐車場は既に標高1500mを越えているのだろうか、苦もなく三方岩の山頂を踏む。
白山がガスに見え隠れしながらも間近に見える。笈ヶ岳・大笠山もすぐそこだ。春登った猿が馬場山は庄川を隔てて霞の中に見える。絶好の展望台であることは分かるのであるが、今日は天候が今ひとつというところか。
山頂だけ踏んで引き返したら登山をしたうちには入らない。この山を形作っている野谷荘司山まで足を伸ばしてみる。残雪期には神々しいばかりに輝いて見えた稜線も夏のこの次期に歩くと何の変哲もない里山である。
山は季節によって与える印象が随分と違うものだなと思いつつ、往復2時間の縦走をこなして三方岩岳に戻った。
三方岩岳駐車場〜引き返すとスーパー林道の通行料は片道の3150円で済む。

 


三方崩山 サンポウクズレ 標 高 2059m 日本の山1000

山 域

白山周辺
登 山 記 録
登山月日 2011年7月11日
登山経路 平瀬〜林道途中5:00〜林道終点登山口5:10〜最初のガレバ7:15〜三方崩山8:45/9:10〜登山口11:25〜駐車場所11:35
行動時間 登り 3時間45分 下り 2時間25分 合計 6時間35分 (休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 道の駅平瀬〜道路の反対側の林道に入る 荒れたダートの林道は1キロくらい続く
トレイル 稜線まではブナ林の中急坂もあるが良く踏まれている
ガレバを過ぎれば岩稜帯になるが鎖場などもよく整備されていて安心だ
水場・トイレ 林道入口の道の駅で
その他 白山は二の峰〜別山までしか見れない 山頂付近の崩壊斜面はお花畑だ

山行記


ブナの純林帯を行き200mの急坂を凌ぐとお花畑の稜線に出る


山頂稜線から見る三方崩山


梅雨明けの山頂で


色々な花が楽しめそうなお花畑

白山や猿が馬場山登山で2回ほど入った平瀬の湯も、道の駅平瀬に併設されて大白川の湯となっていた。素晴らしい設備に生まれ変わり入浴料も600円であった。前夜此処で汗を流し道の駅で車中泊した。大きな道の駅であるが車を停めるものは普通車2台とライダーが3台テントを張っていた。

夜明けと同時にR156の反対側から山中に延びる林道に入る。悪路の林道を入れるだけ入り、(約2キロほど)路肩に駐車し、更に荒れた林道を10分ほど進むと登山口であった。駐車スペースもあるがここまで車で入るのは無理である。
「山頂まで4.8キロ」の看板が立つ登山口に入ると、急傾斜の登山道を覚悟してきたが、ジグザグが切って程よい傾斜の登山道が続いていた。ブナ林の美しい尾根道に掛かる前で一息入れる。尾根に登りつくと緩い登山道が続いていたが30分ほど歩いて四等三角点の立つところからは一気に傾斜をまして直登になっていた。
登山道脇にはトラロープもたらされているが、汗を滴らしながら標高差200mを一気に登る。急坂を登りきるとガレバに出て前方に初めて三方崩山が姿を現し、随分と遠くに見える。あとは森林限界を過ぎた山頂稜線にニッコウキスゲなどの花開く登山道であって、急坂・岩稜が続くが楽しい道である。左側は崩壊地のガレバガ続き大白川の谷を隔てて二の峰〜別山方面も見えるがお目当ての白山は見えない。右側は庄川を隔てて猿が馬場山や帰雲山そして御前山などの飛騨山地の山々が続いている。
草地の大崩壊地の脇を幾つかの小ピークを越えてゆく。大きく左に回りこみ低いシラビソの林の中に入ると行き当たりとなり、二等三角点の三方崩山山頂であった。来し方の稜線が良く見える。山頂でゆっくりと休憩するが展望は今登ってきた方向ばかりで反対側は樹林にさえぎられていた。

下山は登山道脇の花々をカメラに収めながらゆっくりと下った。

三方崩山で見た花


山中から見る御母袋湖と巨大なロックフィルダム(提高140m提長470m提体750万㎥)

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