日高山脈
(チロロ岳・ピパイロ岳・伏美岳・コイカクシュサツナイ岳)
チロロ岳 | - | 標 高 | 1880m | 日本の山1000 | 山 域 | 日高山脈 |
登 山 記 録 | |
登山月日 | 2015年7月28日 |
登山経路 | 曲沢登山口7:50〜尾根乗越10:35/10:45〜チロロ岳鞍部分岐11:45〜チロロ岳12:25/12:45〜尾根乗越14:15/14:20〜登山口16:50 |
行動時間 | 登り 4時間35分 下り 4時間5分 合計 9時間 (休憩時間・ロスタイム含む) |
天 候 | 曇 |
メンバー | 単独 |
情 報 | |
アクセス | 曲沢登山口まで長い砂利道の林道走る |
トレイル | 曲沢とパンケヌーシ沢の二つの沢を詰め最後はお花畑とハイマツ帯を行く |
水場・トイレ | 水は沢に湧水があるので・・・。トイレは登山口にある |
その他 | 沢靴をはくほどの水量はなかった 稜線直下のシナノキンバイの群生が目を見張る |
山行記 登山口・滝が連続する曲沢 滑滝を越えて・尾根乗越 コイカクを下りた後清水町まで走ると町内中心部に24時間開放の無料駐車場があった。ここで車中泊した後,翌朝日勝峠越えて日高町のチロロ岳登山口に向かう林道に入った。10キロほどの良く整備された林道を進み、曲沢のチロロ岳登山口には7時半頃の到着となった。宇都宮ナンバーの車が停まっていて先行したものがいるようである。 登山靴履いて地下足袋をザックにくくりつけて、7時50分に登山道に入った。登り4時間を覚悟して登山道を行くが連日の強行登山で中々ペースが上がらない。林道跡を10分ほど歩くと発電用の取水堰堤があり、そこから先は赤布を追いながら曲沢を徒渉を繰り返しながら登ってゆく。水量が少ないので地下足袋に履き替えることもなく遡行して行くが、やはり水しぶきを浴びて靴が濡れるのは仕方ないことであった。曲沢は豪快な滝が連続する沢で滝を高巻く場所は慎重に歩いた。二つ目の二股も右股に入り水流が枯れて涸れ沢を行き、最後は笹のトンネルをくぐって尾根に着くとコースの中間点ともいえる尾根乗越であった。ここまで2時間半以上かかっていて「やはり疲労のせいか」と思うのであった。尾根乗越で一息いれた後樹林の中、少し下ると二つ目のパンケヌーシ沢に出る。こちらは水量少ないゴーロの沢であった。30分ほど登ると二股になっていて右股に入り、水が涸れるとシナノキンバイが群生するお花畑になっていた。お花畑は稜線直下まで続いていて疲れた体や目を癒してくれる。稜線に飛び出すとチロロ本峰と西峰を分ける分岐の鞍部で、テントも張れる広場になっていた。鞍部からはハイマツ帯を切り開いた登山道を進み、「まだかまだか」と思う頃、チロロ岳山頂に登り付いた。4時間予定のチロロ岳4時間半かかっていた。山頂には先行していた夫婦登山隊が下山するところであった。ガスで展望が開けない中昼食を取りながら20分ほど滞頂した。西峰分岐からお花畑に下るころにはガスも晴れて山頂方面の展望が開けたが後の祭りであった。パンケヌーシ沢を下り、尾根乗越から曲沢を下り始めると「地下足袋で下った方が早い」と判断して地下足袋に履き替えた。15分ほど先に山頂を後にした夫婦登山隊を取水堰堤で追いつき登山口には16:50に下り着いた。 長い林道を走って日高町内に出た後は富良野方面に走り、町営の日帰り温泉で汗を流した後、富良野市内を目指した。 パンケヌーシ沢は水量少ない・沢上部はシナノキンバイが群生 お花畑は稜線直下まで・チロロ本峰と西峰鞍部 ハイマツの中チロロ岳・チロロ岳山頂に着く 花 |
ピパイロ岳 | - | 標 高 | 1917m | 日本の山1000 | 山 域 | 日高山脈 |
伏美岳 | フシミダケ | 標 高 | 1792m | - | 山 域 | 〃 |
登 山 記 録 | |
登山月日 | 2015年7月25日 |
登山経路 | 伏美岳登山口4:20〜伏美岳7:00/7:15〜最低鞍部8:35〜ピパイロ岳10:00/10:40〜鞍部11:35〜伏美岳13:25/14:00〜登山口15:40 |
行動時間 | 登り 5時間40分 下り 4時間 合計 11時間20分 (休憩時間・ロスタイム含む) |
天 候 | 晴/曇/霧雨 |
メンバー | 単独 |
情 報 | |
アクセス | 芽室町上美生から最後は砂利道の林道を走る |
トレイル | 伏美岳までは快適トレイル その先は一部藪が被さる稜線歩き |
水場・トイレ | 登山口付近にトイレ水場付きの伏美岳避難小屋あるがその先はない |
その他 | 気合が乗っていて思ったより早く歩けた ピパイロ山頂はガスで残念 |
山行記 後方は幌尻岳 伏美岳山頂 後方はピパイロ 妙敷岳・芽室岳方面 2日前の東大雪丸山で失意の敗退の後、前日は芽室駅付近で休養を取りながら一日を過ごした。明るいうちに伏美岳登山口に車をつけ伏美岳避難小屋で休もうとしたが、避難小屋はまさに避難小屋で明るいうちから中に入って休めるようなものではなかった。結局小屋から少し離れた登山口の駐車場に車を停めて、買い求めてきた夕食弁当を食べて車中泊した。隣には札幌ナンバーの車が停まっていたが、夜になっても下山してこなかったので縦走者のものと思う。 翌朝夜明け前に車が着いてヘッドランプの明かりを頼りに登山支度する3人組がいた。私も長丁場のピパイロ往復であるから4時には出発しようと車の外に出て支度を始めた。先発組を見送った後、避難小屋に向いトイレを済ませ、車のわきで朝食を取った。少々怪しい天気の中4時半前の出発になった。伏美岳登山道は日高山脈の大展望がみられる人気のコースで、とてもよく整備された快適トレイルが続いていが急登もある。一旦傾斜が緩むと五合目付近で、先行していた3人組を追い越す。出発時は暗闇の中で分からなかったが、中高年の男性1人・女性2人組で幌尻岳まで縦走するというグループである。男性はガイドかもしれないと思った。高度を上げて行くと登山道に藪が被さり、朝露浴びて着衣は見る見る間に濡れるが委細構わず登りつづける。伏美岳直下は樹林帯を抜けて草付きになっていた。登山口からは2時間40分ほどで伏美岳山頂に立った。この時間日高山脈の山々の大展望が開けていたが、目の前のピパイロ岳とその左後方の幌尻岳は特定できるが、他の山々の山座同定は叶わなかった。伏美岳山頂で軽食をとりながら一息いれた。 ピパイロへの道は伏美岳を一気に下ってゆく。当初は草付きを下るがやがてダケカンバの大木が茂る尾根を下る。下り勾配ながら何回か小さなアップダウンを繰り返し、ピパイロとの最低鞍部には1時間15分で下り付いた。「登り返しが大変だな〜」と思いながらここでも一息いれる。縦走者がテントを張れるスペースもあり、水場への道もついていた。ピパイロへの登り返しは藪が被さる煩い道になった。「またダニにやられるのでは」という恐怖を感じながら登り上げて行く。藪が切れた草付きはお花畑になっていて、ホッカイフウロなどが目を楽しませてくれるが、急登が連続するのであった。徐々にガスが上がってきてハイマツ帯に変わった稜線に飛び出すころは殆ど展望が無くなってしまった。稜線を数分進んで岩場を登りあげると呆気なくピパイロ岳山頂標識が立った。登山口からは5時間40分で登り付き予定より早く着いたので余裕であった。誰もいない、誰も来ないピパイロ岳山頂で裸になってダニチェック、そして濡れたズボンも脱いで搾り取っていると、霧の向こうから人の声がする。慌ててシャツを着こむと、幌尻岳からの縦走者で昨日近くでテント張ったガイド付きの女性3人組が現れた。「今日は最低鞍部でテントを張る」というグループと山談義を楽しんだ後、40分ほど滞頂したピパイロ岳を後に下山に掛かった。草付きのお花畑を下るころになると朝先発した3人組が登ってきた。高齢に近い女性登山者は重いザックに悲鳴を上げているようだった。 最低鞍部で一息いれ、往路に心配していた伏美岳への登りに掛かる。黙々と登って1時間20分で下った伏美岳へは1時間50分かかって登り返した。体力的にはまだまだ余裕十分であって、山頂に腰を下ろしながらスマホで登頂報告などをして30分ほど休憩した。ピパイロまでの往路ではびしょ濡れになった着衣も天候の回復で乾いていた。気分は上々で伏美岳へからの下山に掛かる。緩い登山道は飛ぶように下ったが五合目から先の急坂はそんなわけにはいかない。おまけに霧雨が降ってきて登山道が滑り始める。しかし雨着をつけるほどでも無い。濡れるがままに下って最後は本降りになる中、登山口に下山した。濡れた着衣を着替え、避難小屋前の水道で汚れたズボンや靴などを洗って林道を下り、上美生から中札内の道の駅に走った。 ロングトレイルのピパイロ岳予定通りの時間で往復できて満足ではある。 ダケカンバの巨木の中鞍部に下る・ピパイロ岳が近付いてきた 最低鞍部・振り返ると伏美岳 ピパイロへの登りはお花畑が広がる 樹林帯を抜けてハイマツの稜線に出る・残念無念霧の中のピパイロ岳 |
コイカクシュサツナイ岳 | - | 標 高 | 1721m | 日本の山1000 | 山 域 | 日高山脈 |
登 山 記 録 | |
登山月日 | 2015年7月27日 |
登山経路 | 札内川ヒュッテ4:25〜上二股7:25/7:40〜1305m台地9:35/9:45〜コイカク夏尾根頭11:05〜コイカク山頂11:25/12:00〜夏尾根頭12:15/12:25〜1305m13:25/13:35〜上二股14:40/15:00〜札内ヒュッテ17:15 |
行動時間 | 登り 7時間 下り 5時間15分 合計 12時間50分 (休憩時間・ロスタイム含む) |
天 候 | 晴 山頂は霧 |
メンバー | 単独 |
情 報 | |
アクセス | 札内川ヒュッテまで舗装道路の国道 |
トレイル | 上二股まではコイカク沢の川原を徒渉を繰り返しながら歩く コイカク夏尾根は藪と小灌木をかき分けながら急登が続く 夏尾根頭〜コイカク山頂までは快適稜線漫歩 |
水場・トイレ | エキノコックスを気にしなければ上二股で水取れる トイレは札内川ヒュッテにある |
その他 | 1839峰を目指すにはもう無理かな〜 |
山行記 札内川ヒュッテ・登山口看板 二段作りの砂防ダム・第二の函 上二股・登山道が始まる 前日には札内川ヒュッテに入りコイカクシュサツナイ沢の入山口と入渓地点を確認した。宿泊は札内川ヒュッテに入ったが、寝心地今一つで夜半に車に戻って車中泊した。やはり「移動式高級ホテル・ウィシュ」が私にはお似合いのようである。コイカク、当初予定では1839峰と一緒に考えていたのであるが、イドンナップでのアクシデントの後、あまり冒険的な登山は自粛しようと決めて、今回はコイカク日帰り登山に変更したのである。 前日、中札内の道の駅で買い求めたおにぎりをほおばって、4時過ぎに地下足袋履いて札内川ヒュッテの駐車場を出た。丁度函館ナンバーの車が着いて若者が「コイカクから1839峰目指す」と云う。同じ山中に入るものがいるかと思うと心強く思った。と云うよりか、「出来たら1839峰同行したいな〜」という思いも強かった。200mほどのトンネルを抜け、コイカク沢に架かる鉄橋を渡り「コイカクシュサツナイ岳登山口」の看板を見て川原に下って行く。川原に出るとすぐに徒渉が始まるが地下足袋できたのでじゃぶじゃぶと沢を渡る。コイカクシュサツナイ沢は思っていたより広い川原が続き、川原にはブル道もついていて雨量観測施設まで続いていた。さらに2段の大きな砂防堰堤があったが、ここには右岸側に道がついていた。砂防堰堤から上も広い川原が続き川幅が狭くなると第一の函(ゴルジェ)である。ここは下流側から覗いてみたが、淵が深そうなので右岸側の赤布が下がる巻道を歩く。笹薮を越えて再び川原に降りると第二の函である。ここは左岸側に赤布が下がり、笹薮を越えて上流に出た。これから先は何回か徒渉を繰り返しながら上流を目指した。左側から合わさる沢があり「上二股」かと勘違いして登山道探しをして30分ほどロスしたが、札内川ヒュッテから3時間ほどかかって上二股に着いた。地下足袋を脱ぎ登山靴に履き替え、しばし休憩の後コイカク夏尾根に入って行った。 1305mの台地・夏尾根途中から振り返る 岩稜のやせ尾根もある・夏尾根頭に登り付く コイカク夏尾根の入山口は笹薮が被さる煩い登山道であって、ダニの恐怖が湧く。しかし委細構わず突破して樹林の尾根に出るが緩まぬ急登が続いていた。軽荷であることが救いであり、肩で息しながら急登を凌ぐ。上二股が標高700m位なので夏尾根頭までは1000mの高低差を登るわけだが、こういう時は1時間に300mと思っている。登山道は一本道で荒れてはいるがしっかりとついている。腰が下ろせそうな場所に来ては一息いれながら標高1300m超の台地には2時間かかって登り付いた。テントが2張ほど張れる場所である。行動食取りながら10分ほど休憩した。ここから夏尾根はしばらくはダケカンバの中を登ってゆくが、やがて覆いかぶさるような岩稜帯に出る。岩稜の右側はスパッと切れ落ちていて転落したら千尋の谷である。核心部にはロープも下がっていたがしっかり三点支持で越えてゆく。岩稜を乗り越えると小灌木とハイマツ帯の中を進んでコイカク夏尾根頭であった。結局上二股からは3時間25分で登り切ったのである。夏尾根頭には数か所テント場になっていて、お花畑が広がっていた。残念ながらガスがかかっていて展望は開けていなかった。お花畑とハイマツ帯の稜線をコイカク山頂に向かう。稜線には大きなケルンがあって、1986年に遭難した北大生の慰霊の碑文が埋められていた。そしてその先がコイカクシュサツナイ岳山頂であった。その先にヤオロマップ〜1839峰への道も続いていた。「今日はここまで」と自分に言い聞かせて山頂に腰を下ろして大休止である。 昼食を取っていると時々ガスが晴れて日高山脈の山々が姿を現す。山頂を後にして夏尾根頭に戻ると完全にガスが取れて夏尾根の北方の展望が開けてきた。すぐ隣のカムエクはガスの中であるが、その先に見える山々は何処だかわからない。まだまだ私は日高山脈初心者なのである。お花畑にコイカク固有種のヒダカゲンゲを探したがそれらしきは見られなかった。コイカク夏尾根頭でしばらく粘ったが、1839峰などの展望が開けそうもないので夏尾根の下りに掛かった。途中、朝駐車場で会った若者が重いザックを担いで登ってきた。「今日はヤオロマップまで行ってテント張り、天気怪しい明日は1839峰を往復して、1300m台地にテント張るか出来れば下山したい」ということである。「うらやましいな〜気を付けてね!頑張ってね!」と声かけて行き交った。やせ尾根の岩稜を慎重に下り、1300m台地には夏尾根頭から1時間で下り付いた。一息入れた後も上二股までの急坂を休むことなく下って、登りに3時間半を要した夏尾根を2時間15分で下ることが出来た。デポしておいた地下足袋に履き替えコイカク沢の川原を徒渉を繰り返しながら下り、札内川ヒュッテには17時過ぎに下山できた。 長丁場であったがコイカク日帰り登山が出来たこと、1839峰への登山も無理でないことが分かり充実した思いで札内川園地のトイレで顔を洗って汗を拭いて、中札内に下り、清水町方面に向った。 1839峰次回は是非にと思っている。 稜線上の北大ケルン コイカク山頂 夏尾根頭から・エサオマン方面? 花 |
びょうたんの滝