大唐松山 | オオカラマツヤマ | 標 高 | 2555m | 山岳標高1003山 | 山 域 | 南アルプス |
雨池山 | アメイケヤマ | 標 高 | 1937m | - | 山 域 | 〃 |
登 山 記 録 | |
登山月日 | 2016年9月27日 |
登山経路 | 大門沢山ノ神入山口5:10〜送電鉄塔5:50〜1524m標高点7:20〜雨池山8:40/8:50〜2346m標高点11:15〜大唐松山12:20/12:40〜雨池山15:30〜送電鉄塔17:20〜山ノ神17:55 |
行動時間 | 登り 7時間10分 下り 5時間15分 合計 12時間45分 (休憩時間・ロスタイム含む) |
天 候 | 晴 |
メンバー | 単独 |
情 報 | |
アクセス | 奈良田〜入山口まで舗装道路 |
トレイル | 送電鉄塔から上部は薄い踏み跡を追う 大唐松山は岩稜の直登 |
水場・トイレ | 水・toiletともに奈良田のバス停駐車場で |
その他 | 道迷いの心配は少ないが急登・岩稜などハードな山である |
山行記 入山口の山ノ神・鉄管路を横断 鉄管路上部の送電鉄塔・雨池山三角点 膝丈の笹原・快適トレイル 2346mピークに来ると鳳凰山・大唐松山が見える 前夜は奈良田の公共駐車場で車中泊した。山中幕営予定で幕営道具一式持ってきたが、腰の不安がぬぐい切れず、重い荷物を雨池山まで担ぎ上げるのは厳しいので、12時間を超すロングラン登山になることを覚悟して日帰り登山を決断した。 翌朝は夜明け前に大門沢の要る愚痴100mの駐車スペースに車を着けて、headlampを点して5時過ぎに入山口の「山ノ神」の祠の後ろに入った。少しうろうろしたが何とか単管パイプの手摺が付く鉄管路の巡視道に入ることができた。30分ほどで樹林を抜け鉄管路を横断する場所に来ると夜が明けていた。さらに巡視道を歩いて鉄管路最上部施設から送電鉄塔に登り着き、ここまで約200mほど高度を上げた。鉄塔下で一息入れた後、やおら急登の尾根に取り付いた。尾根にはパンザーマストに通信ケーブルが架設されていてよい目安になる。しかし緩むことの無い急登が標高差200m位は続いていて、滑落の恐怖を感じるほどである。私は藪山に入るときは鎌を持ってはいるが、藪刈り以外に急坂で地面に刃を差し込んで滑落防止の役にも立つのである。今日も鎌の威力を充分に活用できた。急登が緩むと広い尾根になり、いつの間にか通信ケーブルも見えなくなっていて、下山時の道迷いが心配になる所でもある。薄い踏み跡とテープなどを追って最初のポイント1524m標高点には送電鉄塔から1時間半かかって登り着いた。標高差400mほどであるからまぁまぁという思いであった。ここで腰を下ろして朝食を摂った。 1524m地点から少し左に折れるがしっかりとした踏み跡があり、雨池山までは緩急つけながら尾根を忠実に登って行き、迷うことのない踏み跡が続いていて林業関係者がつけた道であることを実感した。所どころ痩せ尾根や岩稜も現れるが危険を感じることもなく雨池山に着いた。標高差約1000mを3時間半で登りきったので思い通りであり、満足の内に休憩をとることができた。大唐松山まで残り標高差600mほどで2時間半あれば十分と思いながら余裕の出発であったが、ところがどっこい「取らぬ狸の皮算用」この後修羅場を見るのである。雨池山からは少し下って行き笹原の中を登りかえして赤杭の立つ1934m標高点である。再び膝丈の笹原に下って広い尾根になりテープを追うが見失う。けもの道を追いながら忠実に斜面を登って行くとやがて左側が小尾根になっていて踏み跡がしっかりしてきた。笹原を抜けるとシラビソやコメツガの樹林帯を快適に登って行く。あまり高度を稼げないが、時間が掛かる緩い勾配である。 樹林が開けて前方に鳳凰山が見えてくると2346m標高点であった。ここまで雨池山から標高差400m2時間半もかかっていて、11時を回っていた。「12時前に大唐松山に届かなければ撤退」と決めていたので少々焦りを覚えるのであった。2346m地点からは鞍部に下って行き樹間に大唐松山を見上げながら0分ほど岩稜のキレットを超えて行く。やがて大唐松山への岩稜の急登に取り付く。手に持ったステッキと鎌を登山道脇に置いて登りあげて行く。岩稜と倒木の悪路の急登を時間との戦いにもなってまさに必死である。最後は大岩の被さる岩稜を登りきって大唐松山山頂に12時20分に登り着いた。入山口からは7時間・雨池山からは3時間半もかかっていた。山頂は樹林の中で樹間から盆休みに登った間ノ岳・農鳥岳が見えたがガスが掛かってすっきりとした姿ではなかった。ここまで体力も時間もギリギリいっぱいで、わずか先の最高点まで行く気力もなく、山頂にどかっと腰を下ろして昼食のおにぎりとパンなどを摂った。下り5時間を考えれば長居は無用で、20分ほど休憩して大唐松山を後にした。 下山の危険個所は大唐松山と送電鉄塔上部尾根の急坂下りである。大唐松山山頂直下の岩場はコメツガ林に入って樹木の幹につかまりながら下り、尾根に戻って慎重に下った。キレットを越えて2346m標高点からは緩い勾配を走るように下ったが100m高度を下げるのに15分かかった。笹原で一度道を見失い15分ほどのロスをしたが雨池山には大唐松山山頂から2時間50分もかかってしまい15:30の到着になってしまった。苔穴にデポしておいたペットボトルの水がうまかった。雨池山で一息入れた後は、迷うことのない尾根道を急いで下る。1350m地点では2頭の子連れの熊と遭遇するが、うまく気付かれずに離れることができたのは幸運だった。熊と離れたのは良いが道を失ってキョロキョロしていると樹木に50センチほどの黄色いテープが下がっていて導いているのが分かる。これからあの鉄塔から上の急坂下りを心配していたので渡りに船の思いであった。テープを忠実に折って行くと急斜面のトラバース道もあって決して安全な道とは言えないが慎重に下って行くとやがて送電鉄塔の左側に下り着いた。熊の恐怖に続く急坂下りの緊張で汗びっしょりかいていた。明るいうちに安全地帯まで下って一安心である。鉄管路を見下ろしながら、残ったリンゴをかじり、ポカりと水を飲み干した。 暫し休憩の後鉄管路脇から樹林帯に入り巡視道のパイプ手摺につかまりながらゆっくりと下り、最後はheadlampを点けて山ノ神の祠に下山した。難関大唐松山の登頂を果たし無事下山できて大満足である。汗と泥で汚れた着衣を着替えて生気を取り戻して奈良田に下り、自販機で冷たい飲み物を買って身延まで走った。 山頂直下の岩稜・大唐松山山頂 山頂から見る間ノ岳・農鳥岳から見る大唐松山 |