大棚入山 オオダナイリヤマ 標 高 2375m 山岳標高1003 山 域 中央アルプス
水沢山 ミズサワヤマ 標 高 2004m - 山 域 中央アルプス
登 山 記 録
登山月日 2014年9月27日
登山経路 (木曽駒高原〜野上)林道・水沢山入山口(5:35)〜水沢山(8:05)〜(休憩8:20/8:30)〜2143mP(9:20)〜2320mP(10:50)〜大棚入山(11:25/11:50)〜水沢山(14:15/14:25)〜入山口(15:45)
行動時間 登り 5時間50分 下り 3時間55分 合計 10時間10分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 木曽駒高原〜旧日義村野上に抜ける舗装された林道の最高点が入山口
トレイル 登山道はないが水沢山までは急登だが、顕著な踏み跡が笹薮・樹林の中に続く 大棚入山までも踏み跡・赤布が下がり、倒木帯などもあるが、尾根を外さなければ道迷いの心配はない
水場・トイレ 山中にはトイレはもちろん水場もない
その他 それほどひどい藪山ではない
山行記

大棚入山は中央アルプスが木曽駒ケ岳〜将棊頭山〜茶臼山〜中山道の鳥居峠まで北に高度を落とし、再び高度を上げながら鉢盛山から乗鞍岳にと繋がる中ア主脈尾根上の茶臼山北方にある山である。登山道はなく、主脈尾根の2320mピークから木曽駒高原方面に派生する支尾根の末端水沢山に登り、支尾根を辿って登られている藪山である。

木曽駒高原の別荘地から水沢山を巻くようにつけられた林道・・山麓線は舗装された快適林道である。林道の最高点付近にゲートで進入規制された道が分かれていた。ここが水沢山入山口で林道右側に「水沢山登路」と書かれた小さな看板が立っていた。


林道最高点の入山口

夜明け前の5時に車をつけたがまだ山中に入るほどの明るさがなかったので車内で登山準備した。マーキング用の赤テープ、食糧や飲料水、雨着にツェルトなどの入ったザックを担ぎ、作業着を着て藪刈り用に草刈鎌を持って(藪山には鎌は必携である)、周囲が明るくなった5時半に入山する。看板があっても登山道はないのである。少し藪が切り開かれたところを50mほど進むとやがて行き止まりになって、崖を駆け上がるとヒノキ林になっていた。ヒノキ林には赤布が下がり先に導いていた。この先赤布・青テープなどを追うことになる。ヒノキ林が過ぎると、草付きの急坂になり、いよいよ汗を絞られることになる。草付きの尾根を登りきると顕著な尾根と合流した。下山用に初めて赤テープをつけてマーキングした。種尾根に入ると笹薮の被さるいる煩い道であるが、笹薮の下には道があり、赤布がシッカリとついていて迷う心配はない。


笹薮の急登を凌げばシラビソ林の中登山道が現れる

笹薮の急坂を登りきるとシラビソ林となり、急坂は相変わらずであるが、しっかりした登山道が現れる。途中には入山口で見た「水沢山登路3」という看板もあるので、水沢山までは登山道があったのだろう。緩まぬ急登を喘ぎ喘ぎ2時間少々で水沢山山頂直下の西側が開ける展望地に着いた。展望地からは木曽川の流れる旧日義村が望まれた。水沢山三角点は展望地のすぐ上にある(下山時確認)。三角点からわずか先が水沢山最高点で樹木に古びたブリキがくくりつけてあり、「水沢」と書かれてあった。


山頂直下の展望地と水沢山三角点


リキに「水沢」と書かれてある水沢山最高点

水沢山最高点で一息れた後、大棚入山に続く尾根道に入る。一旦下って少し前方が開けた場所で朝食をとりながら休憩した。地形図を眺めるとこの先顕著なピークがいくつかあり良い目標となりそうだ。まずは2143mピークを目指して尾根道を進むと倒木帯となっていた。しかし倒木帯も尾根を外さなければそれなりの踏み跡があり、最近歩いたばかりと思われる青テープも下がっていて少しも慌てることはなかった。そしてその先は膝丈くらいの笹の下に踏み跡があり快適とまではいかないが安心して歩ける。


倒木帯もあるが概ね歩きやすい踏み跡を追う

さらに適度に休憩をはさみながら、次の目標の2320mピークをめざす。再び倒木帯などもあり、時々は岩場も現れるがそれほどのこともない。7月に登った南アルプス黒檜山の時も感じたものだが、「三角点のある山頂には踏み跡があるものだな〜」と思うのである。ましてや国土地理院「日本の主な山岳標高1003山」に載っている山であれば、当然マニアは居るのだろう。


時々現れる岩場も問題なく2340mピークへ

やがて本格的岩場になって、岩に生える草付きを登りあげると2320mピークであった。今まで登ってきたのが、このピークから水沢山へ続く支尾根であって、ここから中山道鳥居峠に高度を落とし、再び高度を上げながら鉢盛山から乗鞍岳に連なる中央アルプス北部主脈が分かれていた。主脈尾根は東面の左側が切れ落ちているが、樹木で覆われていてそれほどの高度感も恐怖心もない。この先からは踏み跡薄く赤布も見えなくなり不安になるが、「尾根さえ外さなければ」と、慎重に進む。その都度大棚入山山頂かと思わせられる、小さなピークを4〜5か所越えて、やがて胸丈くらいの笹原になると全く踏み跡が無くなり、尾根が広くなってくるが山頂はすぐであった。


高みに着くたびに山頂かと思わせられながら笹原の大棚入山山頂へ


一面笹原の大棚入山山頂と笹薮の中の二等三角点

これ以上高いところがないと思う場所に着くと2本の樹木があり、枝に赤テープが巻きつけられていたが、山頂標識も山名プレートはどこを探してみなかった。樹木の間の笹薮がわずかに切り開かれて二等三角点標石を確認し、難関大棚入山山頂に登りついたことを実感したのである。手に持ってきた草刈鎌を三角点脇に置いて登頂写真を撮った。山頂は一面笹薮で腰を下ろすところもなかったが、幸い倒木に腰を下ろして休憩することが出来た。
スマホでフェイスブックに登頂報告しながら昼食をとり30分ほど滞頂した。
下山は2320mピークまでの笹原は登ってきた記憶を頼りに慎重に下った。


320mピークから左水沢山に続く支尾根・鳥居峠につながる中央アルプス北部主脈

2320mから先は道迷いの心配もないので一気に水沢山まで下ることが出来た。水沢山で10分ほど休憩し三角点を確認した後は、水沢山の急坂を転げ落ちるようにして下った。笹薮を下り草付きの尾根に分かれるところには朝付けた赤テープを見て、迷うこともなくヒノキ林に下って林道に下り立つことが出来た。大棚入山まで登りに6時間近くかかったが、4時間で下ることが出来て、まだまだ余裕があった。汗と樹木の渋でドロドロになった作業着を着替えてさっぱりした支度で林道を野上集落方面に回ってR19に出た。

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