北上山地北部の山ー2
(三巣子岳・兜明神岳・青松葉山・堺ノ神岳・害鷹森・峠ノ神山)

三巣子岳 ミスコダケ 標 高 1181m 山岳標高1003 山 域 北上山地北部
登 山 記 録
登山月日 2016年10月25日
登山経路 三巣子岳直下林道〜山頂往復6:50〜7:25
行動時間 合計 35分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 早坂峠から牧野内に舗装道路が延びる
トレイル 牧柵沿いから密藪を漕ぐが長い距離ではない
水場・トイレ 早坂高原にレストハウスあるがレストハウスは営業していなかった
その他 牧野内に発電風車が回る
山行記


早坂高原付近は牧野が続く


牧野にもっこり三巣子岳と藪の中の三角

盛岡市の北東部にある岩洞湖付近は「本州最寒の地」が売りのようである。三巣子岳はその先にあるR455の旧道早坂峠付近にアクセス道路がある。前夜はこの早坂峠の大きな駐車場で車中泊した。早坂高原は公園として整備されていて東屋やベンチなども設置されていた。早坂トンネルが開くまではドライバーや行楽客でにぎわったのか早坂峠レストハウスが立っていたが今は営業中止で朽ちかけていた。落ち葉が舞い込む寂れたtoiletだけは救いであった。
レストハウスの脇から葛巻町方面に延びる舗装道路を10分ほど走りT字路に着くと風力発電用の風車が回る牧野に出る。砂利道に変わった道路を右折して2キロも走ると牧野の中に畚リと盛り上がった三巣子岳が見えてきた。三巣子岳直下まで車を進め道路脇に車を停めて適当に笹藪をかき分ける。笹藪の中に踏み跡があるのは三巣子岳を目指すものがいることが分かる。やがて牧柵の有刺鉄線をくぐり、牧野の中を少し歩いてゆき、笹藪に赤布などを探すが見当たらないので藪の薄そうなところを選んで突入した。懸命に笹をかき分けながら登りあげると10分もかからずに笹藪の中に三角点を発見することができた。三角点をカメラに収めて牧野に下り、駐車場に戻って付近の景色を楽しみながら早坂高原に戻った。


兜明神岳 カブトミョウジンダケ 標 高 1005m 日本の山1000 山 域 北上山地北部
登 山 記 録
登山月日 2016年10月25日
登山経路 木の博物館登山口10:15〜兜明神岳10:55/11:15〜登山口11:50
行動時間 登り 40分 下り 35分 合計 1時間35分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 「区界高原道の駅」からわずか先の「木の博物館」まで舗装道路
トレイル 全山公園の兜明神岳には遊歩道が延びる
水場・トイレ 登山口に水道・toiletある
その他 公園内にはキャンプ場なども整備されている
山行記


道の駅・区界高原から見る兜明神岳と岩峰の祠

盛岡市から宮古市に抜けるR106は復興支援道路としてトンネルなどが掘られて改良工事が進んでいた。宮古市に入ると区界高原で道の駅・区界高原があった。道の駅からはそれとわかる兜明神岳が見えていた。農道を少し進んで旧川井村の立てた休養施設の「木の博物館」が兜明神岳の登山口であった。
登山口からは林間コースを歩くと山頂付近にキャンプ場や休憩施設も立っていた。兜明神岳の山頂は岩峰で祠の立つ山頂にはあっけなく登り着くことができた。地元の同年配氏も登り着き、展望を楽しみながら区界高原や北上山地の開拓の話などを聞かせてもらった。下山は草原コースを下ったので兜明神岳の周回コースを回ったことになる。


青松葉山 アオマツバヤマ 標 高 1265m 日本の山1000 山 域 北上山地北部
登 山 記 録
登山月日 2016年10月26日
登山経路 達曽部林道登山口12:15〜青松葉山13:45/13:55〜登山口14:55
行動時間 登り 1時間30分 下り 1時間 合計 2時間40分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 達曽部林道は舗装道路で終点は青松葉牧場
トレイル 新たに開かれて快適トレイル
水場・トイレ 水場は登山口付近に沢水取れるが飲用は? toiletは無い
その他 登山道脇は各種樹木に名札が下がる「生きた木の博物館」
山行記


青森トドマツ(オオシラビソ)林の青松葉山山頂

達曽部林道を進み終点近くまで進むと牧場帰りの車と交差し、青松葉山登山口を教えてもらうことができた。登山口には「木の博物館」の看板が立ち登山道脇に見ることのできる樹木の紹介などが書かれていた。数年前に笹藪を切り開いてできた登山道脇にはそれほど珍しい木々はないがそれぞれに名札が掲げられていて、興味もわくのであった。一番興味深かったのは長野県の県の木で信濃の語源と云われる幹回り3mはあろうかというシナノキの巨木であった。シナノキがたくさんあることも驚きで会って、オオシラビソがアオモリトドマツと同じ木であることも初めて知った。生きた木の博物館という事らしい。山頂に着くと樹上3mほどのところに古びた山頂標識があって、以前は残雪期にしか山頂を踏めなかった青松葉山であることが実感できた。


直径1m超のシナノキの巨木


堺ノ神岳 サカイノカミダケ 標 高 1318m 日本の山1000 山 域 北上山地北部
害鷹森 ガイタカモリ 標 高 1304m 山岳標高1003 山 域
登 山 記 録
登山月日 2016年10月26日
登山経路 害鷹森林道途中6:30〜堺ノ神岳分岐7:20〜堺ノ神岳8:15/8:30〜分岐9:15〜駐車場所10:15
害鷹森林道分岐10:15〜害鷹森10:30〜分岐10:40
行動時間 堺ノ神岳 登り 1時間45分 下り 1時間45分 合計 3時間45分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
害鷹森  山頂往復25分
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 川井駅から岩泉町境の峠までの林道は舗装道路 その先稜線上に未舗装の林道が延びる害鷹森で和井内牧場への林道と合わさる 害鷹森の先で工事中のため進入不可であったが、和井内牧場に通じる整備された林道を4キロほど歩いて登山口の林道分岐に着いた
トレイル 堺ノ神岳は林道分岐〜笹藪が被さるが道を失うことは無い 害鷹森は林道分岐幼木の中わずかな時間
水場・トイレ 水場・toiletともに山中には無い
その他 林道が復旧すれば堺ノ神岳もわずかな時間で登れる
山行記


←林道途中 堺ノ神岳 山頂直下→


堺ノ神岳山頂直下の鳥居と山頂

JR宮古線川井駅から夏屋川沿いに岩泉町に延びる舗装道路の大規模林道林道を10キロほど走ると岩泉町境の峠に着いた。峠には左右に分岐する林道があり、右折して害鷹森方面に進んで、未舗装の少々荒れた林道を3.5キロほど進むと、害鷹森直下で林道害鷹森・和井内牧場線と合流していた。堺ノ神岳を先に踏もうと林道を進むと500mほど先で林道路肩決壊で工事中であった。重機が道を塞いでいたが脇をすり抜けられそうであったが、この先4キロを歩くことにして車両待避場所に車を停めた。
林道を進むと前方に特徴ある堺ノ神岳が特定できた。和井内牧場に通じる林道はブナ林の中荒れているところもなく50分ほど堺ノ神分岐に着いた。堺ノ神岳への道も以前は林道として開かれたと思う道幅であったが今は笹が被さる道となっていた。眼前に堺ノ神が迫ると笹原に変わり少し急坂を登りきると赤い鳥居が立っていて、岩泉町方面からの道が合わさっていた。鳥居をくぐって石段を上ると岩峰の堺ノ神岳山頂であった。絶好の好天で北上山地北部の山々が望まれるが登ったはずの安家森・遠島山などが見えるはずだが、山座同定は叶わなかった。西方に大きく聳える早池峰だけは特定できた。朝食を摂りながら暫し展望を楽しんだ後、往路の林道を戻ったが、工事場所では重機のオペレーターが脇を通り抜けていった森林管理署の車がいたという話を聞いて。4キロの林道歩きは無駄足であったかとがっくりきたのである。

堺ノ神岳から戻った後、車を500mほど林道分岐に戻って、分岐にある駐車スペースに車を停めた。害鷹森への道は植林されたカラマツと幼木のダケカンバの中を15分ほど進むと山頂であった。堺ノ神岳と同じデザインの山頂標識が掲げられてあった。山頂をカメラに収めた後往路を下って車に乗って林道を峠方面に下ってゆくと、工事車両とバッタリし、離合に100mほど後退を余儀なくされてパンクしないかと肝を冷やしたのである。峠まで下った後は大規模林道を川井駅に走って青松葉山に向かった。


害鷹森登山口と山頂


峠ノ神山 トウゲノカミヤマ 標 高 1229m 山岳標高1003 山 域 北上山地北部
登 山 記 録
登山月日 2016年10月27日
登山経路 新里牧場登山口8:20〜峠ノ神山8:50/9:10〜登山口9:35
行動時間 登り 30分 下り 25分 合計 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 新里牧場へは和井内集落から舗装道路が延びる
トレイル 牧柵沿いとダケカンバの幼木の中緩く登って行く
水場・トイレ 水場・toiletともに山中には無い
その他 新里牧場へはいくつかの入山道路がある
山行記


新里牧場から見る峠ノ神山と登山口


ダケカンバの幼木の中を行く


一等三角点の峠ノ神山山頂

峠ノ神山への道は旧新里村の和井内集落から新里牧場への道を走れば舗装道路が通じているのであるが、R344からの分岐地点で来て、地元の青年に新里牧場への道を尋ねたのが運の尽きであった。牧場に行くには私の後をついてこいと言って旧新里村役場方面に5キロほど走ってR344から分岐する道に案内してくれた。分岐の道に入り北山川沿いを少し進と十字路に出て大きな観光案内看板があった。ここで9キロ先の源兵衛平から新里牧場に通ずる道路が延びていることを知り小躍りした。しかし舗装された左側の道路から下ってきた地元の主婦が「先月の台風10号の大雨で土砂崩れが発生して源兵衛平には入れない」という情報を教えてくれた。それでも「行けるところまで行って、あとは歩いてでも」という思いで舗装道路を走ってみたが、2キロも走らないうちに土砂崩れ現場で行きどまりであった。ここから7キロ歩くのはとても無理と判断し三叉路まで戻った。看板を見ながら思案していると、ワンボックスカーが上がって来て、「十字路を突っ切るように延びる未舗装の荒れた林道を走れば源兵衛平に入れるが、道が荒れていて乗用車じゃ無理だな〜」と言いながら荒れた林道に入って行った。私の車も4駆なので意を決して後を追った。
林道は荒れてはいたが転石がないのが救いで慎重に進んでゆく何回かスリップする急坂もあったが30分ほど手に汗握り額に汗して平坦地の源兵衛平に登り着いた。「下りが大変だな^」と一息入れていると牛の泣き声が聞こえてきて一安心である。一度土場で峠ノ神への道を間違えたが、すぐに気づいて源兵衛平から新里牧場方面に走ると通行止めになっていた舗装道路が合わさり、新里牧場内に通じていた。牛さんを見ながら牧場内を走って峠に着くとゲートがあったがカギはかかっていなくて開けることができた。そして峠の反対側からは舗装道路が登って来ていた。
峠ノ神山の登山口は峠から200mほど田代方面に走ったところにあって、山頂まで1キロの表示があった。牧柵沿いに進みダケカンバの幼木が美しい中を30分ほど歩いて一等三角点の峠ノ神山山頂に着いた。山頂からは昨日登った堺ノ神岳方面の展望が開けていた。朝食を摂りながら展望を楽しんで20分ほどの滞頂の後登山口に下った。
牧場ゲートに戻るとゲートが開放されていて牛を引き取りに来たと思われるトラックが牧場内にいるのが見えて、「これは反対側から登って来たな」と思い、トラックの方に車を進め「和井内からの道は通れますか?」と尋ねると、「舗装道路が通じている」という返事である。安心して峠から反対側の道を下って行くと、朝青年に道を尋ねた国道分岐に出た。「あ〜あの時あの青年に道を尋ねなければよかったな〜」と頭を抱えながら新里村中心街に下ってR106宮古市内に車を走らせた。まぁパンクしなかったから良しとするかという思いが残る峠ノ神山ではあった。

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