第4回長野オリンピック記念長野マラソン

とうとう果たしたフルマラソン完走の記録

第1回から連続出場している長野マラソンもまだ完走を果たしていない。今年は何がなんでも完走を果たそうと、昨年12月から走りこみを始め12月100キロ、1月157キロ、2月205キロ、3月200キロ、4月40キロと700キロの走り込みをこなしてきた。
更に30キロ走1本、3時間走も1本とコース試走を兼ねて走っているが、まだまだ完走への自信は50%くらいと言うものである。
息子は体重が55キロまで絞れてトレーニングでは1キロ5分を切って、25キロ近くまで走れるような脚力がつき、本人もオヤジも楽しみ一杯の大会となった。
朝食は腹持ちの良いお雑煮をオカーサンに作ってもらい、6時過ぎに家を出た。
ゴール近くの消防学校の駐車場に車を停めて、選手専用バスでスタート地点に移動である。緊張の面持ちの選手と雑談を交わしながら、完走をイメージする。
スタート地点には7時過ぎに到着。いつものとおり先着の選手がウォーミングアップに余念がない。今日は、知人の根橋さん、ベーちゃんも一緒で、二人を探すもこの沢山の中から探すのは至難の技と言うものである。
軽くアップをして、スタート1時間前にアミノ酸バイタルを口にして、スタンバイ完了、スタートOKである。
息子の目標タイムは4時間半、オヤジよりは3ブロックほど前のスタート集団である。スタート直前、根橋さんと会うことが出来健闘を誓い合った。

9時の時報にあわせ、TV中継が始まったのだろうか。ロバさんやチュグワネ君らの有力海外招待選手の紹介があり、場内が歓声と拍手に包まれて号砲一発スタートである。
最後尾からのスタートは今年も3分20秒遅れでスタートラインを踏んだ。
4回目ともなると余裕と言うものか、ざわつく回りに目もくれずゆっくりゆっくり下る。
高架橋部分を過ぎて中野市内に入ると兄が待っていた。カメラに手を振って「頑張るぞー」と一声かけて通過した。走り始めて少し右足が痛くなる、オーバーワークがたたったかなと少し心配になるが、こんなことにかまってはいられない先が長いんだと言い聞かせて走りつづける。
5キロ通過タイム30分21秒。予定より2分早いが、下りと気負いを入れればこんなものかなと納得。

ブラスバンドや笛太鼓の応援で賑やかな中野市内を抜けて、小布施町にはいるここも相変わらず応援がすごいが、第一回大会よりは矢張りその数は少しは少なくなっているようである。10キロ通過 1時間2分7秒 (5キロラップ31分46秒)

11キロ地点から右に曲がって林檎畑の中の道で応援団も途切れて自分のペースを確認できるキロ6分30秒が予定のペースであるが、着実に予定のペースを刻んで少しの余裕が出てきた。
更に左に曲がって高速道路の側道だ、ぼちぼち歩き出しランナーも出てきた。ここらで歩き出すようでは完走望みなしだ。「まじめにトレーニング積んだのかよ」そんなに甘い物ではないぞッて、言ってやりたいね。小布施の応援団が待ちうけるカーブを右に曲がって小布施橋に入ると15キロだ。15キロ通過 1時間34分28秒 (32分21秒)

小布施橋を渡ると「永井さんガンバレ!!」の声がかかる。ネットで知り合った塚田さんが約束どおり応援に駆けつけてくれていた。一瞬立ち止まり「有難う頑張るからね」とお互い目と目を追わせる余裕もある。応援とはありがたいもので、本当に力がみなぎってくるのである。エイドステーションでポカリと水を補給、昨年はこの辺でバテバテだったが、今年は手応えが随分違うことを実感する。長い堤防道路も回りを見まわす余裕はないが、ランナーはもうズーと一緒に走っているものばかりである。
風は殆ど感じないから後からの追い風だろうか。
20キロ手前には今年も養護学校生の、調子が少し外れた賑やかな応援団が大声あげて応援してくれる。先を行った息子も仲間の声援に勇気いっぱいの力をもらったことだろう。少ししんみりして通過。20キロ通過 2時間7分12秒 (32分44秒)

快調に中間転点を通過、時計を見ると2時間14分20秒。全く予定通りのペースに思わず「予定通り」の声も出た。村山橋のアップダウンも苦もなく通過。
ズーと一緒に走ってきた2人組みの一人が苦しそうである。回りの応援に答えたり、仲間に語り掛けたりと賑やかな人だなーと思っていたが「マラソンは孤独なレース、そんなに愛想良くは走れないぞ」と思っていたら、間もなく二人とも脱落していった。
屋島橋のガードをくぐって大きく曲がって、エムウェーブへの道だ。
25キロ通過 2時間41分19秒 (34分7秒)

応援団が一杯のエムウェーブを一回り。回りに手を振る余裕もあり快調である。
25キロまで5キロ35分以内で走ってきたから「貯金も大分出来たぞ」と考える余裕もある。28キロのエイドステーションでバナナとポカリで腹ごしらえして、更にトイレタイムで一呼吸。さー心臓破りの五輪大橋だ。
第一回大会はここを走って渡れた。今年も大丈夫、少々足にき始めていたが、渡り終えることが出来た。
30キロ通過 3時間17分1秒 (35分42秒)トイレタイムを入れればまだ貯金増えた。

32.3キロ地点までの折り返し道路は実に長く感じる。第一回大会のリタイアが脳裏を過ぎるが、何とかふんばって通過。
ここから35キロが一番きついぞと覚悟して、昨日最後のイメージトレをした地点である。我慢に我慢を重ねて、とにかく自己新記録の最長不倒距離を出そうとひっぱたが、とうとうホワイトリングで足は止った。34キロの休憩所まで200m地点である。
時計を見ると3時間40分だ、まだまだ時間にゆとりがある。
エイドステーションでスタミナ補給を計り気を取りなおして、再度走り始めるも長くは続かない。「今まで走った700キロは何だったんよ」と言い聞かせながら「残りは7キロじゃないか」と。35キロ通過 3時間56分31秒 (39分30秒)

36キロ地点の更埴橋を走って渡れれば、完走間違い無と踏んでいたので、勇気百倍約700mを走りきり、完走できそうな期待がわいてきた。
山本勘助の墓を見やりながらウォーク&ランで残り5キロ地点通過。周りを見ると殆ど同じランナーが同じペースでゴールを目指している。
松代大橋のきつい登りは無理せずウォーキングで乗りきり、下りにかかってランニングだ。橋を渡りきる前の残り3キロ地点で、28分の持ちタイムに胸をなでおろす。
最後のエイドステーションでスポンジに水を含ませて全身水で拭く、体が熱くなっているので心地良い。40キロ通過 4時間38分8秒 (41分37秒)

最後の花道は「にっこり笑って軽快に」とイメージしていたが、足が全然上がらない。応援団から離れた中央分離帯側を恥かしげもなく、時計を見ながらウォーク&ランだ。
「ガンバレ!!ガンバレ!!もうすぐだぞ」の声援の中、ネットで知り合った根橋さんの奥さんや河さんも必死に声援してくれる、とうとうゴールの長野オリンピック記念スタジアムに到着した。
球場に入る前に「よれよれで入ったら恥かしいぞ」手を振りながら笑顔でゴールしようとゲートの前で一呼吸し、屈伸運動をした。
良しこれで「俺の一世一代の張れ舞台」に到達だ。とグランド内に凱旋。
皆この老いぼれランナーに注目しているだろうと思いきや、疲れた先着ランナーが腰を下ろして、ぼんやりしている中への登場である。
ふとゴールラインの時計に目をやると、4時間59分40秒前後を指している。
自分の時計はまだ4分近く余裕があるのに「アッそうか!スタートの遅れはカウントされているのだ」自分の時計は自分のネット記録であるが、公式記録は前の時計なんだととっさに理解した。
ふわふわの人工芝の上をゴールの時計を見ながら、最後の力を絞りきってゴールをかけぬけた。さいごはVサインの余裕もあった
ゴールタイム 4時間56分13秒 (40キロから18分05秒)

感激に咽びながらフィニッシャーメダルを肩にかけてもらい、得意の絶頂である。
グランドを後にする頃には関門閉鎖のアナウンスがあった。

荷物引き換え場に来れば、兄嫁が「まさか完走するとは思わなかった」と驚きの顔で待っていてくれた。近くのベンチには4時間5分29秒で自己記録を1時間近く短縮したムスコが疲れた顔で休んでいた。兄の見る前でぐっとガッツポーズをきめてムスコと感激の握手。
とうとう「我が人生の目標を又一つクリアーすることが出来た」と満足な気分である。
オカーサンに電話で報告すると
「おめでとう良かったね。芳史はどうだった?」 「俺より1時間近く早かったよ」
「本当!嬉しい!もうこれで来年はやらなくて済むね」「何で?来年もやるよ」
「もうやめてよ どぶさらい4年も続けてやらされているんだから」
そう言えば毎年、長野マラソンと町内会のどぶさらいがかち合って、オカーサンには不満の長野マラソンである。

ベーちゃんも根橋さんもゴールを踏んで、それぞれの思いを抱きながら再開を楽しみに会場を後にしたのである。

それにしてもきわどいタイムのゴールであった、家に帰り塚田さんからのメールで4時間59分58秒の公式記録を知った時は、鳥肌が立つ思いであった。
制限時間5時間ジャスト、目標時間4時間59分59秒のところ、何と4時間59分58秒と言うきわどいゴールであったとは。
もし3秒遅れていれば、制限時間内完走を果たせずに、言い訳を考え、又来年に宿題を持ち越す羽目になるところであった。

正式記録
オヤジ
ゴールタイム 4時間56分13秒 
完走者3196人中3186位 50歳台の部734人中707位
ムスコ
ゴールタイム 4時間02分34秒 
完走者中1606位 20歳台の部424人中193位

ご声援頂いた皆様に心から感謝申し上げます


フィニシャ-メダルをかけて誇らしげな親子

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