南アルプス深南部・水窪町周辺
(黒法師岳・中ノ尾根山・不動岳・秋葉山)

日本二百名山 黒法師岳 クロボウシダケ 標 高

2067m

山 域

南アルプス深南部

 
一緒に登った大学生と                  ×印の一等三角点標石


山頂付近から見る大無間山・富士山

登山月日 2003年10月25日
登山経路 水窪町戸中川林道ゲート7:10〜黒法師岳登山口8:40/9:10〜稜線分岐11:20〜山頂11:50/12:15〜稜線分岐12:40〜登山口14;10〜林道ゲート15:30
行動時間 登り4時間40分 下り3時間15分 合計8時間20分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 水窪ダム湖の上流から戸中川林道に入り、ゲートのある登山口 平日は開放されている模様
トレイル 林道を6キロ入り丸盆岳への分岐稜線までは急登に次ぐ急登が続く
水場・トイレ 水場は林道各所にある トイレは作業小屋にある
その他  
山行記

長野県上田市から浜松まで延びる国道125号線の山道を楽しみながら走る。夜の帳が下りた頃、南信濃村から兵越峠を越えて静岡県水窪町に入った。
食料を調達しようとコンビニを探すが何処にも見あたらない。R152を天竜市まで約50キロ走ってようやくコンビニがあった。とにかくこの沿線に入るには、事前にしっかり準備をしてこないと大変な目に遭いそうだ。水窪町に戻ると深夜0時近くになった。水窪ダムを通過して水窪自然クラブを抜けて山中で仮眠をとる。
夜が明けるのを待って、何も考えることなく、山中深く延びる林道に車を進める。「随分登ったなー」と思うところに終点があり、登山ポストがあった。丁度夜明けを迎えた6時である。私のすぐ後に続く車もあり、間違いなく黒法師岳への道と思ったのであるが、車を下りて後続の者(地元の登山者)に確認すると、なんとこの道は奈良代山に繋がる奈良代林道であって、目指す黒法師岳登山口には水窪ダムまで戻って、ダム湖から戸中川林道に入らなければと教えてもらう。時間にして1時間近く掛かると言うことで大いに焦る。
林道を慎重に下り、水窪ダム湖の上流から戸中川林道に入り、ゲートのある登山口に着くと、先発した者と思われる5台ほどの車が路肩に駐車してあった。急いで支度して林道にはいると7時を回っていた。時を同じく出発した登山者は、あっという間に林道の先に消えていった。
延々と続く林道を黙々と歩く。0.5キロごとに距離表示板があるので歩いた距離が分かるのだが、どのくらい先に登り口があるか分からないので気が滅入る。私の足では林道歩きは1キロ15分近く掛かるのである。きれいに整備されている林道は「車が通るのに少しも支障はないのだが」と思う。(平日は開放されているという情報もある)
5キロ標識を過ぎた先に豪快に流れ落ちる清滝が現れる。滝の脇に先発の夫婦登山隊が一服していた。黒法師岳の情報を確認すると、6キロ標識先に黒法師岳への登り口があることが分かり安堵する。何しろガイドブックも地図も持たないでここまできてしまったのである。
1時間半かけてようやく登山口標識のある6キロ地点に到着した。先発した登山者が林道の支線に入り、30分ロスしたと頭をかきながら戻ってきた。そして私の後を追った大学生5人組がすぐ後に到着した。登山道に入る前にここでみんなが腹ごしらえをする。30分近く休憩して、私は一番最後に登山道に入る。ススキの茂る中を10分もしない内に黒法師岳から延びる尾根道に出る。黒法師岳は見えないが、周りの山から推測するとまだまだ随分と標高差がありそうだ。しばらくは緩やかな尾根道を進むが急登が始まる。先を行く大学生には見る見る間に離されてゆく。然し焦ることはない、林道登り口で山頂までは2時間半と言う情報を得ていたのでゆっくり登っても時間は十分あるのだ。
なんの目標もない急坂に何回か腰を下ろしながら登り続ける。大学生が一人脱落していた。
最後は覆い被さるような急坂を15分ほど攀じると大学生が休憩している中、丸盆岳への分岐稜線に到着した。
丸盆岳の先には、大きく崩れたガレ場も見える。そしてその彼方には南アルプス深南部の山々が連なって見える。池口岳に延びる稜線、そして春登った大無間山はすぐそこに見えて感激だ。ちょっと休憩して大学生を追い抜いて笹原の稜線を黒法師岳目指す。鹿の鳴声が山中に響いて幻想的である。最後も急坂となるが稜線分岐〜30分で×印の一等三角点標識で知られた山頂に到着した。
山頂は樹林の中で展望は利かない。しかし笹原が開けていてゆったりとした山頂である。遅れて到着した大学生と歓談しながら昼食をとる。
30分ほど休んだ後往路を写真を撮りながらゆっくりゆっくり下った。

 


中ノ尾根山 ナカノオネヤマ 標 高 2296m 日本の山1000

山 域

南アルプス深南部
登 山 記 録
登山月日 2009年10月15日〜16日
登山経路 白倉川林道ゲート9:40〜林道終点12:15(幕営)
林道終点登山口6:15〜中ノ尾根山8:50/9:05〜林道終点10:55/11:25〜林道8キロ地点11:40〜自転車〜林道ゲート12:35
行動時間 林道終点登山口から 登り 2時間35分 下り 1時間50分 合計4時間25分 (休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 白倉林道ゲートまで未舗装だがよく整備されている
トレイル 白倉川林道終点まで9キロあるが8キロ地点までは整備されている(崩壊法面吹き付け中)
登山道は樹林帯を過ぎると笹原の中の薄い踏み跡を追う
水場・トイレ 林道終点付近に水場ある トイレはない
その他 池口岳まで縦走するものもいるようだ

山行記


シラビソ林の中の山頂


笹原と立ち枯木の山頂付近南ア南部も良く見える

 
林道ゲート〜自転車を引いて林道終点でテント張る

ネットで「中ノ尾根山」を検索すると9キロの林道を自転車を引いて登り、下りは30分で林道を下ったと言う記録があった。私も同じ事をしようと決断する。
旧南信濃村から兵越峠を越えて旧水窪町に入り、草木トンネルの手前から水窪ダム方面への案内看板に導かれて山道を走ると、途中から白倉川国有林方面の案内があり、ダートながらもよく整備された林道を10キロほど進むとゲートがあった。ここからが白倉林道である。「5.5キロ先で工事中」の看板が立てられていてゲートは開放されていたが車は勿論人間の進入も禁止されていた。ゲート脇の登山ポストを覗くとそれでも結構、最近の入山記録があり、入山は問題ないようだ。思案していると工事関係者が来て入山してもよいことを確認し、ゲートの100mほど手前の駐車スペースに車を停める。
折りたたみの自転車にテントをくくりつけ幕営道具を担いで林道に入った。林道は傾斜もきつく殆ど自転車に乗ることは出来なかったが、順調に歩くことが出来た。崩落地の法面吹き付け工事現場では工事関係者が親切に誘導してくれた。7キロ地点の西俣沢の橋を過ぎ、1キロほど行くと林道は未整備状態になり、路肩の崩落、落石で自転車の進入は出来なくなった。自転車を停めて1キロほど歩くと林道終点になり、林業の休憩小屋があった。中にはストーブもある立派な小屋で壁際の三方にベンチがあるので、ここでも十分休めるほどである。しかし私は折角担ぎ上げたテントを張ることにする。
まだ正午を過ぎたばかりで、これから山頂目指しても時間はありそうだが、今日は予定通りテントの中でマッタリと過ごすことにする。水場もすぐ近くにある。夕食は小屋のベンチを利用させてもらう。持参したビールを沢水で冷やし5合の日本酒も飲み干すほどであった。
陽が落ちると鹿の鳴き声もテントの近くになり、誰もいない山中で独り占めの夜を過ごすのであった。

翌朝は5時には起きてウドンを食べて6時過ぎに林業小屋の前から伸びる登山道に入る。あまり歩く人も無いのか踏み後は薄く赤布などもないが迷うことは無い。先日の台風の為か倒木跨ぎ・くぐりもしながら緩い傾斜の尾根道を行く。樹林帯が過ぎれば笹薮となり、朝露で着衣はあっという間にずぶ濡れとなった。雨着を付けることもせず笹原の中を行く。やがて崩壊地の縁に出ると下方にテントを張った場所が見下ろせるようになる。更に高度を上げてゆくと笹の中に「中ノ尾根山⇒」の小さな標識があった。ようやく中ノ尾根山が見えてきたのである。笹原と立ち枯れのシラビソ林を行くと右側が開けてきて光岳から特徴ある双耳峰の池口岳が見えてきた。更に笹原の中を踏み跡とは言い難い中を進むと樹林帯になり、平らな中ノ尾根山山頂に立つことが出来た。山頂からは展望は利かない。ここから池口岳方面の縦走する者もいるようだが、踏み跡は更に薄い。地図と磁石に頼りながらの道であろうと思う。軽食を取りながら一休みする。
笹原に戻っても余り良い展望は開けていない。腰を下ろして休む気もなく、来た道を一目散に下るしかなかった。幕営場所に戻りテントを撤収し、1キロほど林道を歩いて自転車にまたがり、8キロの林道は1時間ほどかけて快適に下ったのである。

 


不動岳 フドウダケ 標 高 2171m 日本の山1000

山 域

南アルプス深南部
登 山 記 録
登山月日 2009年10月17日
登山経路 戸中川林道ゲート5:25〜不動岳登山口7:10/7:20〜鎌薙の頭10:30〜鹿の平11:00/11:40〜不動岳12:25/12:30〜鹿の平13:00〜鎌薙の頭13:40〜登山口15:15〜林道4.5キロ地点15:50〜自転車〜林道ゲート16:20
行動時間 登り 7時間 下り 3時間50分 合計 10時間55分 (休憩時間を含む)
天  候 曇/雨
メンバー 単独

情  報

アクセス 水窪ダムから戸中川林道ゲートまで未舗装で少々荒れているが車進入問題なし
トレイル 急坂で樹林帯を抜けると笹が煩わしい 尾根上縦走路は笹原の中薄い踏み跡を追う
水場・トイレ 登山口近くで沢水取れる トイレは無い
その他 笹原の中天気がよければ・・・

山行記


霧に包まれた不動岳山頂

 

樹林帯を抜けると山頂まで笹薮と笹原が続く


林道4.5キロ地点まで自転車を引いて 7キロ地点の不動岳登山口まで歩く

中ノ尾根山を下りた後、水窪ダム上流の戸中川林道入口を確認する。6年前に登った黒法師岳と同じ林道であるが、状況確認である。ここにも「林道途中で工事中のため、黒法師岳・丸盆岳登山口まで行けません」と言う看板がゲートに掲げられていた。登山ポストの記録を見ると、やはり警告を無視して入山しているものがあることを知る。通り合わせた林業関係者は「入山は問題ない」と言ってくれる。安心して水窪町内に下り、夕食をとり食料を調達した後、町内の空地で車中泊した。

翌朝5時にはゲート前に車を付け、今日も折りたたみ自転車を引いて林道に入る。ここも長丁場になりそうだ。
ヘッドライトを点け最初は自転車に乗って進むことが出来たがその距離は1キロもなかった。夜が明けると後から工事関係車両が3台登ってきた。4.5キロ地点で崩落法面の吹き付け工事中であった。私も工事事務所の脇に自転車を停めて、林道を歩き始める。6年前の黒法師岳登山口も懐かしい。黒法師岳登山口からは1キロほど上流に不動岳登山口があった。登山口手前には水場もあって補給することも出来た。朝食をとりながら休憩する。

登山口からは一気の登りとなって、ジグザグが切ってあった。連日の登山で疲労感があり、このまま登山できるだろうかと心配になるほどの急坂である。やがて杉林になるが傾斜は緩まない。杉林の途中には林業の休憩小屋があった。覗いてみると石油ストーブもあり、もし体調異変でも発生したらここで休めると言う思いがよぎるのである。何とか急坂の杉林を登りきると雑木林に変わり、少しは息を入れ気を休めることが出来た。
更に急坂を登ってゆくと尾根の形状が顕著になってくる。そして傾斜が緩むと笹が煩くなり、徐々に笹薮のの密度が濃くなってくる。右側に黒法師岳や丸盆岳の山体が確認できるようになると完全な藪山となる。それでも藪の中にしっかりと登山道は続いている。今日はしっかりと雨着を付けているので霧の中の濡れた笹薮でもそれほど濡れることは無い。登山口〜3時間以上もかかって稜線分岐の鎌薙の頭に登りついた。周囲はガスで展望は利かないが行く手の道は目で追うことが出来る。午後からの天気の崩れが予想されるので先を急ぐ。
鎌薙の頭からは一旦鞍部に下り、草地と笹原を交互しながら30分で笹原が広がる鹿の平のついた。鹿の平には踏み跡、獣道が千々に乱れ、赤布を探すが見つからない。おまけに霧も発生してきて、目指す不動岳の方角はさっぱり要領を得なくなる。30分近くも彷徨を重ねたが諦めて、鹿の平を侵食するガレの縁で軽食を取りながら思案する。
あと1時間もあれば山頂を踏めるのだが「これでは遭難してしまう」と言う弱気な気分と「ここまで来て山頂を踏めないなんて」と言う強気が交錯する。結局登頂を半分諦めて帰路につこうとしたのだが、思い直して鹿の平をぐるりと歩き、シラビソの木に変色した赤布を発見した。今度は絶対見落とさないぞと赤布・踏み跡を追い笹原をこいで行く。
鹿が鳴き声上げながらピョンピョン飛び跳ねて威嚇する。しかしお構いなしに進路を勧めるとやがて背丈を越える笹原は膝丈くらいの低木になり、尾根状を形成して不動岳山頂に続いていた。疲労困憊になりながらも何とか不動岳山頂に立つことが出来たのである。
山頂で写真を撮っていると、これまでは霧の中であったが、雨が落ちてきた。晴れていれば素晴らしい展望が開けているであろう山頂を5分後にはあとにして、往路を急ぎ下るのであった。
鹿の平付近ではまたしても道を失うが、ここは一度迷った道であるから難なく突破し、鎌薙の頭に登り返すとようやく下りの時間も読めて安堵するのであった。鎌薙の頭からは迷うことは無いし、一気の下りを凌いで、林道登山口には15時半前に下りつくことが出来た。自転車をデポした4.5キロ地点まで40分ほどかけて下り、後は自転車にまたがってゲートまで悠々の帰還であった。
実はゲート〜水窪ダムまでのアプローチ林道にもに土砂崩れの心配があったので、山中少々焦りを感じていたのであるが、大した雨にもならず落石の危険を感じながらも、水窪ダムの舗装道路に飛び出して、本当に安堵の胸をなで下ろしたのである。

 


秋葉山 アキハヤマ 標 高 885m 日本の山1000

山 域

南アルプス前衛
登 山 記 録
登山月日 2006年4月30日
登山経路 秋葉神社駐車場から散策5:40〜6:20
行動時間 合計40分(休憩時間を含む)
天  候
メンバー 親子で

情  報

アクセス 秋葉神社までは舗装されたスーパー林道が通じている
トレイル 神社の境内を歩く山頂はご神体の為立ち入りできない
水場・トイレ 駐車場にある
その他 火防の神を奉る

山行記


舗装道路の快適なスーパー林道を秋葉神社の駐車場まで走る。駐車場から階段を上り詰めると火難除けの秋葉神社が山頂になっていた。

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