足尾山塊の山(庚申山・袈裟丸山)

庚申山 コウシンザン 標 高 1892m 日本の山1000

山 域

足尾
登 山 記 録
登山月日 2008年11月22日
登山経路 銀山平・林道ゲート6:40〜一の鳥居7:30〜庚申山荘8:40/9:00〜庚申山10:05/10:25〜庚申山荘11:20〜一の鳥居12:00/12:10〜林道ゲート13:00
行動時間 登り 3時間25分 下り 2時間35分 合計 6時間20分(休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 銀山平オートキャンプ場まで舗装道路
トレイル 庚申山荘までは良く踏まれているが、山頂までは鎖場・梯子もある岩山
水場・トイレ 登山口のオートキャンプ場と庚申山荘にある
その他 庚申信仰の山

山行記


林道を50分ほど歩くと一の鳥居に着き七段の滝を見る
登山道に入り1時間で猿田彦神社跡に着く

 
庚申山荘と庚申山山頂


庚申山荘から山頂までは奇岩・奇勝の岩山

 
山頂展望台からは皇海山が良く見える

銀山平のオートキャンプ場と宿泊施設の「かじか荘」の前を抜けて林道に入ると200mほどでゲートがあった。駐車場はその手前にあったが林道ゲート前には2台の車が泊まって登山の支度をしていた。私も隣に車を停めて林道ゲートをくぐる。林道はゲートから2キロくらい舗装されていて、自転車があれば時間が稼げそうである。舗装道路が終わるとダートとなり、落石もあって結構荒れていた。皇海山に向かうのであろうか単独行者が勢い良く追い越して行った。林道を50分歩いて一の鳥居に到着した。ここには「七段の滝」という名所があるが、帰りの楽しみとして鳥居をくぐって登山道に入る。歴史ある庚申信仰の山で、登山道にも面影が残っていて、「百丁目」などという石柱も立っている。そして夫婦カエルなどと名付けられた巨石も現れて楽しませてくれるのである。昨夜の雪で白くなった登山道を1時間ほどで猿田彦神社跡に着いた。そしてそこから僅か先に場違いとも思える大きな庚申山荘が建っていた。庚申講の名残であろうか、庚申の日の夜はここで寝ずに一晩飲み、語り明かすのだろうかと思う。
ここで朝食をとりながらしばし休憩する。

庚申山山頂へは山荘の右手方向に登山道は延びていた。しばらく進むと岩場となり、ツララが下がる岩窟の中に入る。ツララが落下しないかとヒヤヒヤしながら突破する。更に岩場は険しさをましてゆく。しかし危険場所には梯子や鎖がしっかりと設けられていて安心して登ることが出来る。今日は岩場に雪が付いて、慎重にならざるを得ない。最後はモミの木の下の笹原を行くと樹林の中の山頂に立つことが出来た。
展望を期待したが展望はない。パンをかじっていると、先行していた夫婦登山隊が樹林の中から現れる。僅か先の展望台から戻ってきたのである。勧められるままに50mほど先の展望台に足を延ばす。強風吹く中ではあったが、皇海山や日光連山が良く見えた。展望を楽しみ、その姿をカメラに収めた後、山頂に戻る。アイゼンを装着する夫婦登山隊を尻目に「お先に」と言って、下山を開始する。雪は解け始めてはいたが、鎖場や梯子を慎重に下った。
登りには休憩した庚申山荘も素通りして一の鳥居に下った。林道終点になる七段の滝を覗き見た後、4キロの林道を下った。休日のせいか結構登って来るものもあった。


袈裟丸山 ケサマルヤ 標 高 1878m 日本三百名山

山 域

足尾山塊


登山口の小さな滝を見て、塔ノ沢のせせらぎの音を聞きながら登る

 
岩盤に彫られた寝釈迦像を見て


木立の中の避難小屋を過ぎると賽の河原につく


賽の河原に着くとようやく袈裟丸山が見えてきた


更に泥濘の長い稜線を歩いて一等三角点の前袈裟丸山頂に着く


春登った後袈裟丸山から皇海山までの展望が開けていた

登 山 記 録
登山月日 2004年11月25日
登山経路 塔ノ沢登山口6:40〜寝釈迦7:30〜賽の河原8:20/8:30〜小丸山避難小屋9:20〜前袈裟丸山10:10/10:30〜賽の河原11:40〜寝釈迦12:20/12:40〜登山口13:15
行動時間 登り3時間30分 下り2時間45分 合計6時間35分(休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 登山口まで舗装道路
トレイル 賽の河原までは自然遊歩道でよく整備されている 稜線はこの時期でも泥濘が多く靴が汚れるのでスパッツは必携 最後は急坂だが長い距離では無い
水場・トイレ 賽の河原の避難小屋 小丸山の避難小屋にトイレ水場有る
その他 塔ノ沢コース以外にも弓の手コース・郡界尾根コース等の短縮コースがある

山行記

深夜3時前に家を出る。碓氷峠を下り群馬県に入り、前橋を抜けてR50・R122を走って草木ダムの東村に入る。登山口の沢入には夜明けの時間に到着した。小中につながる林道に入り、林業の作業小屋から支線に入って塔ノ沢登山口を目指す。登山口まで舗装された道路であって迷うことなく入れることができた。
そそくさと支度を整え、細くなった林道の支線を10分ほど歩くと、小さな木橋を渡って登山道に入る。一等三角点の前袈裟丸山までは、寝釈迦・賽の河原・小丸山と等間隔に休憩ポイントがあって目安になる。先ずは寝釈迦を目指す。
塔ノ沢の清流のせせらぎを聞きながら夜明けの登山道は気持ちが良いものだ。朝早く起きて、なかなかエンジンが掛からない体にはちょうど良い傾斜の登山道が続く。寝釈迦には50分掛かって着いた。小休止をとるが寝釈迦への参拝は帰路の楽しみとする。
更に塔ノ沢を登りつめると木立の中に立て替えられたばかりの避難小屋が見えてきた。「こんなにきれいな小屋なら、ここに泊まって山頂往復も良いな」と思うほどである。避難小屋から5分ほどで稜線に出る。
ここが賽の河原であって、弓の手新道を合わせる。弘法大師伝説の古事が書かれた看板が立っていた。
目指す前袈裟丸山もようやくここで見ることができるが、稜線の先に随分と遠くに見える。朝食をとりながら休憩する。「袈裟丸山まで150分」の案内板が立てられていた。登山口から山頂まで4時間と思っていたのでびっくりする。そんなには掛からないだろうと思う。
次のポイント小丸山までは緩い勾配の稜線歩きとなる。登山道には雪が積もっていた。小丸山の手前からは巻き道が有って、迷わず巻き道に入り、再び稜線に出ると、そこには、かまぼこ形の小さな避難小屋とトイレがあった。
袈裟丸山がすぐそこに近づいていた。
休まずに笹原の登山道を急ぐ。何しろ賽の河原の看板が気がかりなのである。
この乾燥した季節というのに登山道は随分とぬかるんでいて、この分だと登山シーズンには足をとられ、登山靴を汚すだろうと思う。
随分と長いアプローチを歩いて、ようやく袈裟丸山の山体にたどり着いた。最後は木の根が絡まる急坂となるが、それも長い距離ではない。
急坂を登りきって、笹原のトレイルを5分ほど進むと一等三角点の前袈裟丸山山頂であった。
賽の河原からは100分で到着したことになる。ザックをおろし、後袈裟丸山方面を覗きに先に進む。
今春、残雪のころ登った後袈裟丸に感慨が沸く。今時期は問題ないところにある山だが、あの時はとてもここまで足を進められる状態でなかったように思う。後袈裟丸山との難所「八反張コルは崩壊激しいので通行禁止」の立て看板もある。後袈裟丸から後方には裏袈裟丸から鋸岳・皇海山に伸びる足尾山塊の全容が霞んでいた。
山頂は北風が強く長居はしていられない。カメラに収めて往路を下る。
ぬかるんだ登山道に靴下が湿ってきた。
賽の河原に下るころには天気も穏やかに晴れ渡って後方に前袈裟丸山がどっしりと佇んでいた。
寝釈迦で昼食を取り、岩に彫られた寝釈迦像を拝む。そして又塔ノ沢の清流を見ながら登山口に戻った。

 


日本三百名山 後袈裟丸山 アトケサマルヤマ 標 高 1908m

山 域

足尾山塊


左・郡界尾根から見る後袈裟丸と前袈裟丸山 右・後袈裟丸山から見る前袈裟丸山

登 山 記 録
登山月日 2004年2月28日
登山経路 R122小中駅〜林道小中・根利線途中7:40〜袈裟丸山登山口8:40/8:55〜郡界尾根9:20〜後袈裟丸山12:15/12:55〜郡界尾根〜登山口15:00〜林道途中15:30
行動時間 登り4時間35分 下り2時間35分 合計7時間50分(休憩時間含む)
天  候 快晴
メンバー 単独+(年配の登山者)

情  報

アクセス R122東村、小中から利根村に抜ける林道を大滝に向う。雪のため大滝から10分ほどで進入不可能になる。シーズンとなると袈裟丸山登山口まで車進入可能。
トレイル 登山口〜郡界尾根までは木製の階段整備されている。その後は残雪のため夏道は不明。
水場・トイレ 大滝の駐車場にトイレある。水は登山口までの沢水。
その他 前袈裟丸山までは大きく下って八反張りのコルを越える。往復1時間半(夏道)
山行記

群馬県から日光に向う街道R122の小中で左折して群馬県随一の名漠大滝へ進む。
更に利根村根利に伸びる林道に車を進めるが10分ほどで先行する車が雪道でスタックしていた。
私の車ではこの先の進入は無理と判断し、空き地に車を停めて支度をする。先行の車は何とか脱出してチェーンを着けて登っていった。
林道を歩いていると、鹿狩りの猟師に遭う。そして停められたスノーモービルの脇には鹿が横たわっていて、見たくもないものを見てしまう。小一時間ほど歩くと後袈裟丸山への登山口に到着し、軽く朝食をとる。
先行していた車の方も同じ時間の出発となり心強い。アイゼンを装着しピッケルもザックに入れて登山口に入る。
木製の階段を登り始めると、やがて雪道となりアイゼンが効果的となる。尾根道まではわずかの時間で登りついた。白樺が点在する八重樺原と言われているところである。そこからは完全な残雪の道となり、薄いトレースを追うことになる。前方には目指す袈裟丸連峰が見えてくるがまだまだ随分と遠くに見えて先が案じられる。
慎重にトレースを追うが見失い勝ちとなり、この時期まだこの山に入って居るものは少ないようで、勿論今日は私たちだけのようである。しかし鹿を追ってきたと思われるスノーモービルのトレースがついていた。
やがて雪の回廊のような場所に立つと前方に山頂がくっきりと望まれる。
樹林帯の中に入るとトレースは消えて薄いリボンを探しながら道を選ぶのであるが、山頂の方向が見えているのであせることはない。尾根道をまっすぐ進むとやがて後袈裟山へのガレバにつく。僅か20mほどの距離であるが両側が切れ落ちナイフリッジになっていて緊張する。この冬まだ誰もここを越えた者がいないのだろうか、シャクナゲの木に雪が積もり雪庇状態になっているところもある。
幸い樹木もあり、それに掴まることも出来、ピッケルで足場を確認しながら前進する。何回か腰まで潜りながらも突破する。最後は一気に急坂となるがこれも僅かな距離で踏ん張って後袈裟丸山山頂に飛び出した。
山頂は積雪Tmと言うところで標識も雪に埋もれていた。前方には前袈裟丸山が大きな山体を見せている。後方を振り返れば谷川連峰から浅間山迄の上信越国境の山々が真っ白な姿を連ねている。男体山や太郎山の日光の山も手に取るようだ。大展望に疲れも忘れて汗を拭きながら休憩する。
山頂は一等三角点の前袈裟丸山まで17/20地点で前袈裟丸山迄はこの時期更に1時間は掛かりそうである。
山頂に立つ案内掲示板には「前袈裟丸山への八反張コルは崩壊が激しいので通行を禁止する」等の看板も掛かっていて、冬の通行は更に厳しそうである。
前袈裟丸山よりも標高の高い後袈裟丸山を踏んだのだから袈裟丸山は登頂成功と判断する。(然し一等三角点を踏んでいないので必ずもう一度来て、前袈裟丸山を踏むことを条件とする)
飽くなき展望を楽しみ、昼食をとり45分の山頂スティを終えて往路を慎重に下ったのである。下りは所用2時間で林道に降り立った。前袈裟丸山を踏めなかった無念さが残る本年最初の登山では有った。


登山道入り口、            山頂にて、        山頂から見る谷川連峰

 

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