野麦峠付近御山

鎌ヶ峰・大笹沢山・戸蔵

鎌が峰 カマガミネ 標 高 2121m 日本の山1000

山 域

乗鞍岳周辺
登 山 記 録
登山月日 2007年5月31日
登山経路 野麦峠(5:45)〜(途中ロスタイム30分位)〜中電鉄塔R30(7:00)〜三等三角点峰7:50〜稜線の最終ピーク(9:00)〜鎌が峰(9:55/10:15)〜最終ピーク(10:55)〜三角点峰(11:55)〜R30(12:30)〜野麦峠(12:45)
行動時間 登り 4時間10分 下り 2時間30分 合計 7時間 (休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 野麦峠まで(岐阜県側は通行止め)
トレイル 中電鉄塔R30までは登山道あるがそこから先は赤布頼りのヤブコギ 尾根道はシラビソやシャクナゲ林の苔むす中、最後は又酷いクマザサを漕ぐ
水場・トイレ 野麦峠「お助け小屋」で
その他 岐阜百山の藪山

山行記


クマザサの中の二等三角点鎌が峰山頂


稜線の最初の峰・三等三角点峰(塩蔵)

 
霧雨の中の山頂付近とシャクナゲ林の尾根道


 野麦峠に来ても鎌ガ峰の案内はどこにもない。「お助け小屋」から展望台に登る遊歩道の脇に「中電鉄塔L30・R30」の黄色い小さな看板があるのでこれに従う。展望台の手前で左に回りこみ、お助け小屋を下に見ながら少し進むと林道跡と思われる広い道に出る。やがて左にL30の鉄塔を見るがこれをやり過ごして林道を進み、左に大きくカーブを切る広場になったところがR30への分岐となっていて、樹林の中に登山道(遊歩道)が延びている。(私はそのまま林道を進んでしまい往復30分近いロスをした。)
R30は信州側が開けて展望が良いが今日は遠望が利かなかった。遊歩道はR30から右側に延びている。鎌ガ峰へのルートはR30から30mほど遊歩道を進み、左の藪に入る。ここには先人のつけた赤布が下がっているので見落とさないことだ。ここからはクマザサの中、薄い踏み跡と赤布を頼りに進まなければならない。所々に境界杭の赤白のポールが立っているのも良い目印だ。やがて傾斜をました藪の中を必死でかき分けながら進む。しかし長い距離ではない。藪に入って40分もすると傾斜も緩み三等三角点のピーク(点名・塩蔵)に立つことが出来る。格好の休憩場所で私も一息入れる。
三等三角点のピーク(点名・塩蔵)からは、尾根をはずさないようにただひたすらに稜線を進む。小さなアップダウンが続くがそれほど苦にはならない。やがてシャクナゲ林やシラビソ林の苔むす中を赤布が導いてくれている。しかしやはりその大半はクマザサの中である。赤布を見失っても稜線をはずさなければ心配はない。三角点峰から1時間ほどで稜線が大きく下り始める。ここが鎌ガ峰手前のピークである。少し急坂を鞍部まで下る。再び笹薮が酷くなり、倒木も道を塞いでいる。ここら辺りが一番道を失いやすい場所であるが、赤布があるからしっかりと探すことだ。鎌ガ峰への最後の登りは傾斜のきつい藪につかまりながら藪を掻き分ける。傾斜が緩んでほっとするまもなく、樹林の下のクマザサを刈り払いした中に、二等三角点が現れる。三角点の上には私の山友が昨年登った時の山頂プレートがおかれていた。天気が悪く見通しの利かない藪の中であったが、迷う心配は一つも無かった。しばらく休憩を取る間に霧雨となり慌てて山頂を辞したのであるが、帰路もまた藪漕ぎの連続であった。しかし藪漕ぎも上からかき分けるのは下からよりは楽であり時間も随分と短縮できた。
お助け小屋に戻り、ずぶ濡れになった着衣をスッポンポンになって全部着替えると生気が蘇るのであった。

 


大笹沢山 オオササザワヤマ 標 高 2040m - 山 域 木曽
奥峰 オクミネ 標 高 1711m - 山 域 木曽
登 山 記 録
登山月日 2015年3月21日
登山経路 やぶはら高原スキー場8:40〜立峰(ゲレンデトップ)9:05/9:20〜奥峰9:40〜1790mピーク10:20/10:40〜2002mピーク11:45/11:50〜大笹沢山12:40/12:50〜昼食休憩13:10/13:30〜2002p14:05〜1790mp15:10〜ゲレンデトップ15:55/16:05〜スキー場駐車場所16:30
行動時間 ゲレンデトップから 登り 3時間20分 下り 2時間45分 合計 6時間30分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス やぶはら高原までは観光道路
トレイル 残雪期以外は登山道のない藪山
水場・トイレ スキー場内にある
その他 スノーシューによる雪山登山
山行記

ゲレンデトップから見る大笹沢山・奥峰山頂


1790mピークから御嶽山・大笹沢山方面


2002mピークからスキー場を見る・山頂付近から見る乗鞍岳




大笹沢山は野麦峠から鎌ヶ峰に延びる岐阜県境から派生し境峠・木曽川源流部の右岸側に延ばす支尾根にある山で、鉢盛山とは境峠を隔てて対峙する2000m級の山である。夏山登山の対象にはなっていなく、残雪期に「きそふくしまスキー場」や「やぶはら高原スキー場」から好山家によって登られているマニアックな山である。
やぶはら高原スキー場の下部は奥峰沢沿いに有って、沢の左岸沿いに駐車場や休憩施設が点在している。左岸側には林道が延びていて除雪終点の最上流部の駐車場に車をつけるとリフト1本分を稼ぐことが出来た。

8:30のリフト運転開始に合わせ支度をして国設第1リフトに乗る。3本目のゲレンデトップに延びる国設第3リフトは9:00からの運転で少々待たされた。リフト終点のゲレンデトップは立峰で稜線上に達していた。リフトを下りてスキー板とブーツを脱ぎ、登山靴とスノーシューに履き替えた。目指す大笹沢山は稜線の奥に特定できるが遥か先であり、その右奥には真っ白な穂高連峰も見える。境峠を挟んだ右手前には鉢盛山の山体が大きい。スキー板とブーツをリフト監視小屋付近にデポし、監視員に「大笹沢山を往復してくる」ことを告げて出発する。ゲレンデをわずかに下って、樹林が伐り開かれた尾根に入り、20分ほどで小さなこぶを登り返すと奥峰であったが、標識も三角点もない山頂であった。奥峰からわずかに戻って赤布とトレースに従ってカラマツの植林帯を行く。積雪はたっぷりで、この先藪などもなく快適残雪歩きが続くのであった。緩くアップダウンを越えて行き最初の急登を登りあげ少し左に回り込むと1790mピーク(ピークと云うよりか台地と云った感じである)で、霞みが掛かった御嶽山が見えてきた。王滝山頂方面には煙らしき黒い雲がかかっていたので「噴火活動が続いているのだろうか」と思わせられた。ここでザックを下ろし軽食をとった。

1790mピーク(台地)から先は展望も開け,まさに稜線漫歩を楽しむことができ、急登が続くところもあるがスノーシューでも快適に歩けるのである。シラビソやダケカンバに変わった樹林帯の急登を凌ぎ、1848mピークに登りあげると後方に「やぶはら高原スキー場」の全容が開けてきた。そしてその先の急登を凌げば2002m大笹沢三角点であった。「きそふくしまスキー場」からの尾根が続いていて尾根上にはトレースがついていた。2002mピークは絶好の展望台である。後方の尾根に入ると3回ほど小さなアップダウンがあり、雪原の中ニセピークが何度も現れて面食らう。西面が大きく開けた地点からは乗鞍岳が良く見えていた。これが山頂かと思わせられる樹林帯に入り、尾根の先端まで行ってみたが山頂標識はもちろん三角点も現れない。尾根が下りかける地点でスマホで位置確認すると、大笹沢山山頂を指していた。枯れ木にテープが巻かれていたのでこれが山頂で間違いないと思った。

少し周囲を徘徊したが樹林の中で展望は得られなかったが樹間に乗鞍岳ややぶはら高原スキー場方面が望まれた。15分ほど山頂を戻って開けた雪原で乗鞍岳などを眺めながら昼食休憩をとった。下山も登りとそれほど変わらぬ時間がかかるだろうと思うと長居は無用である。スノーシューでは速足にも成れないが、3時間半かかった往路を2時間半ほどでスキー場のゲレンデトップに戻った。春スキーに切り替えたのか営業時間が短縮されて、国設第3リフトリフト終了時間ぎりぎりの16時前の下山であった。スキー板に履き替えている間にリフト運転は止まり、スノーモービルのパトロール隊員が見守る中、スキー場を滑降した。スノーシューと登山靴を括り付けたザックが重くバランスを崩して2回ほど転倒したのはご愛嬌である。

駐車場所に着いたのは下部リフトも運転終了時刻の16時半丁度であった。やぶはら高原スキー場の今季は積雪豊富のため営業を1週間延ばしたことを知った。



大笹沢山山頂は樹林の中


戸蔵 トゾ 標 高 1981m 信州の里山 山 域 乗鞍岳寄生
登 山 記 録
登山月日 2022年4月23日
登山経路 野麦街道川浦ゲート5:20〜旧野麦街道入口5:45〜野麦峠6:45/6:55〜標高1793m地点8:10〜標高1904m地点9:40/9:50〜戸蔵山頂10:50/11:20〜1904m地点12:00〜野麦峠13:55〜川浦ゲート14:55
行動時間 登り 5時間30分 下り 3時間35分 合計 9時間35分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 川浦ゲートまで一般道 野麦峠まで閉鎖中 
トレイル 完全藪山&残雪を拾う
水場・toilet toiletは野麦峠にあるがこの時期休業中 水は沢水取れるが飲用は?
その他 昨年の方が残雪多かった
山行記


川浦ゲート←野麦街道→旧街道入口


快適トレイルの旧野麦街道と野麦峠入口


乗鞍岳←野麦峠→水準点


笹薮地獄を突破して残雪の尾根上へ


1904mの標高点・こんもりとした戸

 
残雪踏んでブナ林の中の戸蔵へ


戸蔵山頂




昨年、標高1793m地点から少し先まで行ったが、残雪が途切れていたので撤退した戸蔵の再アタックである。
野麦街道の今年の冬期閉鎖解除は4月15日であった。松本建設事務所に解除の確認の電話を入れると「野麦峠の先の岐阜県側が昨年の大雨被害で路肩決壊で川浦のゲートは冬期閉鎖解除後も閉鎖中」と云うつれない返事であった。昨年同様野麦峠に車で入って、今年は残雪が戸蔵迄繋がっていることを期待していたのでショックも大きかった。しかしここで止めるわけにはいかない。「車道と旧野麦街道を歩いて野麦峠までは2時間の歩き」を覚悟して前夜はゲート付近の道路脇の空き地で車中泊した。

翌朝は夜明けを待って清水牧場への分岐地点の川浦のゲート前に駐車した。念のため軽アイゼンをザックに入れ、軽荷で出発である。未開通の車道には木の枝などが散乱していて、まだ冬期閉鎖解除になっても車が走っていないことが分かる。車道を20数分歩いて旧野麦街道入口に着いた。入口には「ああ野麦峠」の碑文や「長野県史跡」等の書かれた看板が有った。峠までは1300mと云う看板もあったので「1時間もあれば十分野麦峠に着く」と思い、一安心した。旧街道に入ると落葉でクッションの効いた快適トレイルが続いていた。急坂には擬木の階段もあり、4か所のベンチも設置されていて、中間のベンチで朝食を摂った。緩やかで快適な旧街道を入口からジャスト1時間で野麦峠に登りついた。誰もいない閑散とした野麦峠で乗鞍岳も霞みがちであった。

野麦峠から先は昨年の記憶もあり躊躇せずに笹薮の中に突っ込んだ。半月前に御嶽山付近の上俵山に登った時に今年は大雪で、残雪もたっぷりあったので、乗鞍岳付近も残雪がたっぷりあって、「野麦峠から戸蔵迄は残雪が繋がっているのでは」と期待してきたのである。しかし野麦峠から先は昨年と何ら変わることなく笹薮地獄であった。左手の尾根の境界杭沿いに高度を上げて行き、1793m標高点まで高度を上げると漸く残雪が現れた。「この先は残雪拾って」と思ったのも束の間で、昨年よりもその量は少なくすぐに途切れていた。それでも今年は単独行であるから迷うことなくその先の笹薮に突っ込んで行った。所どころに残雪が現れるが心が折れる藪漕ぎを続けた。やがて尾根の東側の長野県側に残雪が繋がり、1904m標高点の急坂の手前につながっていた。ここまで野麦峠から2時間40分もかかっていたが、眼の前にこんもりとした戸蔵と思われる山頂が特定できると「あと1時間頑張るか」という思いであった。1904m標高点で倒木に腰を下ろして一休みの後は尾根の長野県側の残雪歩きである。何か所か雪の途切れるところもあったがその都度藪に突っ込んでもそれほど苦にはならなかった。やがて林間地帯に上り上げると残雪が完全につながっていて、美しいブナ林の中快適残雪歩きが楽しめた。何処が山頂かと分からないような緩い尾根を行き最高点と思しき場所の古木に朽ちて消えかけた山名プレートが括り付けられていた。GPSで位置確認すると戸蔵の三角点は最高点付近から少し戻った位置にあることが分かったのでGPS頼りに三角点の場所に戻った。笹薮の中に三角点を探したが三角点は発見できなかった。ホワイトボードに山名記載して山頂写真を撮りランチ休憩をとった。山頂付近は平坦でまっすぐに伸びたブナの美林の中であった。ランチ休憩の後は往路を忠実に下ったが時々はGPS軌跡を確認しながら野麦峠に下った。峠で休みことなく旧野麦街道と車道を歩いて、登りに5時間半掛かった戸蔵からは3時間半で川浦のゲートに戻った


戸蔵 トゾ 標 高 1981m 信州の里山 山 域 乗鞍岳寄生
登 山 記 録
登山月日 2021年4月24日
登山経路 野麦峠8:10〜1793mピーク9:10〜1830m付近(撤退地点)10::00/10:15〜野麦峠11:00
行動時間 登り 1時間50分 下り 45分 合計 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 増田さんと二人
情   報
アクセス 野麦峠まで県道
トレイル 往年の乗鞍岳登山のクラシックルートも完全藪化
水場・トイレ 野麦峠にあるがまだこの時期冬季閉鎖中
その他 残雪途切れていて途中敗退

山行記


野麦峠・撤退地点からの乗鞍岳


笹薮地獄を突破して尾根上に残雪あり


撤退地点





少雪の上雪解けの早かった今年、「果たして野麦峠から戸蔵迄の往年の登山道跡の乗鞍岳クラシックルート上に残雪が繋がっているだろうか」と云う不安を抱えながら冬期閉鎖から開放された野麦街道を野麦峠に走った。例年であれば信州側より遅く開通する飛騨側の道路も開通していて、峠の休憩施設「野麦峠の館」もオープンに向けての準備が進んでいた。
残雪が有るものと思ってザックにワカンと軽アイゼンを括りつけピッケル持参で入山した。入山場所にな何の案内標識もなく笹薮の先の樹木に下がる赤布が目標である。30年も前に閉鎖されたという乗鞍岳への登山道もそれなりに踏み跡が残っているだろうという淡い期待は見事に外れ、背丈の笹薮漕ぎが続く。10分ほど平坦な場所を行き赤布は左側の尾根に導いていた。尾根上にも踏み跡は無く30m間隔位に下がる赤布を目がけて藪漕ぎが続き早くも戦意喪失状態である。同行の増田さんから「前進は無理だね」と声掛かるが。「この尾根を1793mピークまで行ってみよう」と励ましながら密藪突破である。峠から100mほどの標高差の尾根を1790m地点まで登り上げると残雪が現れてほっと一息つけるのであった。1793m標高点まで1時間近く要したがこの先残雪が繋がっていそうなので戸蔵登頂への期待は高まった。ここで一息入れた。
1793m地点からは勾配も緩み残雪が途切れ途切れながらも繋がっていたが、30分ほど前進すると残雪が見当たらなくなり再び笹薮地獄が待っていた。「ここまでですね」と云う増田さんに従うしかなかった。「まだ1時間半しか歩いていないので自分一人ならさらに笹薮漕いで前進できるのにな〜」という思いもあったが、病み上がりの体調不安もあったので潔く撤退を決断した。戸蔵の前衛の1904mピークは目の前にあり、その左奥の戸蔵も見える地点での撤退はまことに残念であった。下山は往路を忠実に下って1時間もかからずに野麦峠に戻った。来年もう少し条件の良いことを確認できたら再アタックを誓って野麦峠を後にした。


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