九州中央山地の山
(市房山・国見武・白髪岳・仰烏帽子・京丈山)

日本二百名山 市房山 イチフサヤマ 標 高 1721m

山 域

九州中央山地
登 山 記 録
登山月日 2003年11月8日
登山経路 熊本県水上村市房キャンプ場〜市房山登山口5:10〜市房神社5:30〜6合目6:10/6:20〜山頂7:30/7:50〜市房神社8:40〜登山口9:20
行動時間 登り2時間20分 下り1時間30分 合計4時間10分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 登山口まで舗装道路
トレイル 市房神社から6合目までは木の根が絡む急坂
水場・トイレ 6合目に水場ある
その他  
山行記


朝日に輝く市房山山頂

雲仙岳を下りて、島原港から熊本県三角港にフェリーで渡る。R266を松橋町まで走り、九州自動車道に乗り、人吉ICで下りる。
免田事件を思いい起こさせる免田町、多良木町などを走り、満月に近い月が煌々と輝く夜を水上村の市房山キャンプ場で過ごす。
朝4時半には起きて、わずか先の登山口の林道終点まで走る。月が明るいといっても樹林の中の登山口は真っ暗闇であった。懐中電灯をかざして登山道に入る。こんな登山は始めてであるが怖さも寂しさも感じない。とにかくやらなきゃならない300名山である。気力が充実しているのである。
何回か道を間違えるが慎重に道を進むと八丁坂となずけられた石段となり、どうやら市房神社の参道に入ったようである。朽ちかけた参道をライトを照らして進むと、高く積まれた石垣の上に神社が建っていた。ライトの灯りでは全体の様子は良く分からない。登山道脇には神社の沿革等の案内板があったが帰りの楽しみにして先を急ぐ。
神社を過ぎると巨石に大木の根が絡む急坂の道となる。懐中電灯の明かりで慎重に道を選びながらもくもくと攀じ登る。大きな岩場に6合目標識がありパイプで水が引かれていた。ようやく薄明るくなったここで朝食をとりながら一息入れる。暗い中随分と汗を搾り取られて着ているものは汗でびしょ濡れだ。
ここから先はライトも消して歩くことが出来た。九州山地最高峰の山は既に紅葉も終わりきれいに葉を落とし、冬待ち色に変わっていた。緩やかになったトレイルをゆっくり歩いて山頂に立つ。まぶしいほどの朝日を浴びて山頂標識が輝いていた。
山並みがうねっているが初めての山域でさっぱり様子がつかめないし、特徴ある山容も見えない。
山頂に埋められた登山記念碑(ご丁寧にコンクリートで固めてあった)には驚きよりも怒りがこみ上げてきた。今回の一番の山と思っていたが裏切られた思い出山頂を後にする。6合目から4合目市房神社までは厳しい登山道であることが分かった。


市房神社参道


日本三百名山 国見岳 クニミダケ 標 高 1739m

山 域

九州中央山地
登 山 記 録
登山月日 2003年11月8日
登山経路 熊本県砥用町内大臣橋〜杉の木谷登山口14:10〜国見岳15:35/15:55〜登山口17:00
行動時間 登り1時間25分 下り1時間05分 合計2時間50分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス ダートの内大臣林道を13キロ入る
トレイル 杉林の急登のあとは緩やかなトレイル
水場・トイレ 登山口に水はある
その他  
山行記


一等三角点の国見岳山頂

人吉市から川辺川沿いに走り、秘境五家莊を越えて砥用町にはいる。
目指す内大臣橋へは午後1時過ぎの到着となって、少し焦りが出る。内大臣橋は東洋一の高さを誇ったときもある高さ80mを越える橋で、実際走ってみると恐怖感を感じた。
橋を渡って少し道を行きすぎ、すぐに戻り林道へ進む。林道は宮崎県県境椎矢峠を越えて、椎葉まで延びる長い距離を走っている。今も林道として利用されているのだろうか、ダートではあるが良く整備されていて乗用車でも車の底をすることもなく快適に走ることが出来る。「一体何処まで走ると目的の国見岳登山口に着くのだろうか」と心配になるが、事前に約12キロの距離を確認していたので我慢を重ねて走り続ける。1時間近く走ってようやく登山口の駐車場に着くと下山者が着替えをしていた。
山頂までの所要時間を訪ねると2時間くらいだと言う、更に此より上の杉の木谷から入ればまだ早そうだというので急いで10分ほどの杉の木谷に向かう。橋の袂には3台の車が止まっていた。
カメラと水、少しの食料を持って登山道に入る。最初は杉の造林地の中ジグザグを切って登る。20分ほどで水平道になる。材木搬出用に造られた道であろうかと思う。更に10分も歩くと山頂への緩いトレイルとなる。ここも既に紅葉が終わり、葉を落とした林の中、明るい木漏れ日を浴びながら急ぐと1時間半も掛からずに山頂を踏むことが出来た。日も西に傾いた中、九州中央山地の山並みがうねっているが、山座を同定することは出来ない。朝登った市房山さえ良く分からない。
九州にはいくつかの国見山・国見岳があるが、ここがその代表格で有ろうか。山頂は一等三角点でもあるのだ。ようやくここでカップラーメンを食べて腹ごしらえする。
15分の滞頂のあと、往路を走るように下って、まだ明るさの残る17時前には杉の木谷登山口に戻った。更に長い林道を慎重に内大臣橋まで戻り、後はカーナビに案内されながら九州の山深き道を久住連山まで走ったのである。

 


白髪岳  シラガダケ  標 高 1417m 日本の山1000

山 域

 九州中央山地

登 山 記 録
登山月日  2014年5月23日
登山経路

 榎田林道炭山線終点登山口7:00〜猪ノ子伏7:45〜三池神社8:05〜白髪岳8:30/8:45〜三池神社9:10〜登山口10:00

行動時間  登り 1時間30分 下り 1時間10分 合計 3時間 (休憩時間を含む)
天  候  晴
メンバー  単独

情  報

アクセス  榎田林道は温迫峠に続く舗装道路 炭山線は砂利道だが良く整備されている
トレイル  登山口からは緩いが尾根道を3キロ以上歩く 
水場・トイレ  水場・トイレともに登山口・山中に無い
その他  ブナの南限の山 バイケイソウが群生する 山頂は枯れ木が目立つ一等三角点

山行記


バイケイソウの群生と南限の見事なブナ林

前夜は錦町の道の駅で休んだ。早朝免田東から免田川を渡り、三叉路を右折して榎田集落に来ると温迫峠に通じる榎田林道入り口はすぐに分かった。林道入り口には「白髪岳登山道まで・・キロ」、「宮崎県側には抜けられません」と云う看板が立っていた。榎田の集落を抜けると細い道となり曲がりくねって高度を上げてゆくが、舗装された快適林道である。山塊の稜線に近くになると、林道炭山線に分岐し登山口まで続いていた。炭山線は砂利道ながらよく整備されていた。
林道終点は4〜5台の車が駐車できそうである。
登山道に入ると緩く快適な登山道が続きバイケイソウの群生地はロープで立ち入り禁止になっていた。猪ノ子伏を過ぎると少しは勾配も増してくるがブナの原生林の中を快適に行く。稜線に出ると白髪岳山頂が見えてくるが随分と遠くに見える。樹相がまばらになり少し歩き疲れると三池神社の祠が立っていた。三池神社からはまた一山越えて、枯れ木が立ち並ぶ哀れな山頂が白髪岳山頂であった。火事に遭ったのだろうか?休風によるものなのかはわからないが草もまばらな一等三角点の白髪岳で、佐賀県の黒髪山と鏡台山の契りを結んだという看板が何か哀れを誘っていた。
山頂で朝食をとった後は長丁場の往路をゆっくりと下った。猪ノ子伏附近に下ると地元の山岳会が指導標を担ぎ上げ登山道整備に上がってきた。「ご苦労さん」と一声かけて行き交った。


三池神社の社と枯れ木の目立つ山頂


仰烏帽子  ノケエボシ  標 高 1302m 日本の山1000

山 域

 九州中央山地

登 山 記 録
登山月日  2014年5月13日
登山経路

 元井谷第2駐車場12:35〜登山口13:00〜夫婦杉13:40/13:50〜仏石分岐14:20〜仰烏帽子15:10/15:25〜夫婦杉16:30〜登山口16:55〜駐車場17:15

行動時間  登り 2時間35分 下り 1時間50分 合計 4時間40分 (休憩時間を含む)
天  候  晴
メンバー  単独

情  報

アクセス  五木村元井谷からの車場までの林道は舗装道路
トレイル  通行止めの林道を20分ほど歩く 夫婦杉までは荒れた河原をペンキマークとケルンを追う 夫婦杉から先はしっかりした登山道が続いている
水場・トイレ  水は沢水取れるがトイレは登山口・山中にない
その他  相良村からの登山道は閉鎖されていた 元井谷コースも村では閉鎖している

山行記


林道から見る仰烏帽子と山頂

相良村の椎葉谷コースを登ろうとR445の旧道を川辺川沿いに走る。10年前ここを走った時は川辺川ダムの準備工事なで河岸は削り取られてむき出しの姿であったが、ダム建設中止が本決まりになった今は緑も復活して自然を取り戻しているようだった。右岸の旧道が川辺川を渡って左岸に移り椎葉部落への分岐には「仰烏帽子山登山道には入れない」と云う大きな看板が立てられていた。五木村の元井谷コースを登ろうと思い五木村中心部に進み、道の駅に併設された観光案内所に仰烏帽子登山ン来たことを告げると、「元井谷登山道も豪雨被害の後遺症が残っていて五木村としては登山禁止が原則だ」とつれない返事であった。係りの女性はそれでも気の毒に思ったのか、登山口の手前1キロで林道閉鎖しているが20分も歩けば登山道に入れることを教えてくれた。
元井谷に走り、林道を走ると先行した車のタイヤ跡が見えて駐車場に着くと1台車が停まっていた。支度を済ませ林道ゲートにい入ると一人下山してきた。情報確認すると登山者でなくフクジュソウの盗掘に来たもののようである。一緒に登りませんかと誘い、舗装された林道を歩く。右手には仰烏帽子が近くに見える。林道を20分ほど歩くと土石流が押し出した沢に出る。付近には倒れた簡易トイレやカーブミラーなどが土砂に埋もれ、林道上には巨石が散乱していた。そしてそこが仰烏帽子元井谷登山口であった。土石流の沢には看板なども立っていて私は「5時には戻れるから一緒に登りませんか」と誘ったが、フクジュソウ盗掘者は「5時には戻れないよ」と云いながら尻込みした。私は単独で登山道に入る。荒れた河原に出て赤布とケルンを追うと、やがて水流の枯れた滝に出る。ロープにつかまりながら高巻いて、再び涸れたゴーロ沢を行く。涸れ沢が二股になると仰烏帽子への指導標が右股に案内していてすぐ先に夫婦杉を見ることが出来た。しっかりした指導標俣っていれば一安心である。右股を歩き仏石の分岐までは一登りであった。仏石分岐からは杉の植林地などを登り、稜線に出るとコナラなどの雑木林の中の快適トレイルが山頂に続いていた。
最後はこんもりと盛り上がった岩場の仰烏帽子山であった。
下山は往路をゆっくり下ったが、登山口には思惑通り5時前に着き、駐車場には17時過ぎに戻ることが出来た。


夫婦杉←登山道の休憩ポイント→仏石分岐

 


京丈山 キョウノジョウヤマ  標 高 1473m 日本の山1000

山 域

 九州中央山地

登 山 記 録
登山月日  2014年5月24日
登山経路

 ハチケン谷林道ゲート7:30〜林道登山口8:20〜京丈山9:10/9:30〜登山口10:05〜林道ゲート10:50

行動時間  登り 1時間40分 下り 1時間20分 合計 3時間20分 (休憩時間を含む)
天  候  晴
メンバー  単独

情  報

アクセス  R455二本杉峠から五木村方面に4キロ下り林道ゲートまで500mほどの林道は未舗装
トレイル  林道を1時間ほど歩いて登山口から急坂を稜線に登ると緩い縦走路が続く
水場・トイレ  林道ゲート・山中にトイレ無い 水は沢水取れるが飲用は?
その他  美里町柏川からのコースは登山口付近の林道が通行不能らしい

山行記


林道登山口と京丈山山頂

仰烏帽子を下りた後五木村から八代市方面へ走り、R443を美里町佐俣に来た。ガソリンを補給しコンビニで食料調達すると、すぐ先にできたばかりの道の駅佐俣の湯があった。日帰り入浴施設併設された道の駅であり、ここで入浴をして車中泊とした。

翌朝緑川ダムに回り柏川林道入り口に車をつけると、林道入り口に「この先6キロ地点道路崩壊に着き通行不能」の看板が立っていた。どうしたものかと思案していると地元の車が通りかかり、柏川から京丈山に登る登山者はあまりいないということを教えられた。ハチケン谷コースから登ろうとナビをR445の二本杉峠にセットする。R445は舗装されてはいるが酷く狭い道で、これが国道なのかと思わせられるが、幸い土曜日の早朝で対向車もなく二本杉峠に登りついた。手に汗握るR445の運転で一息入れたが二本杉峠は五家荘の一つで広い駐車場と休憩施設などがあり、別天地のようである。R445は峠から先は2車線の広い道路で五木村方面に下っていた。最初から京丈山はハチケン谷を登れば仰烏帽子からはわけなく着いたことを知る。二本杉峠から4キロほど下って左に分岐する林道入口にに「京丈山へ」の看板があった。未舗装の林道を500mほど進みさらに林道分岐にゲートを見ると京丈山ハチケン谷登山口であった。すぐ先に10台くらい停められる駐車場もあり先行した車が1台止まっていた。
林道ゲートのわきを抜けて林道に入る。15分ほど歩くと右に分かれる林道があった。このところ道間違いが続いているので、よく確認して左側の林道を進む。予定通り1時間歩いて京丈山登山口に到着した。登山道に入ると少し傾斜を増して稜線まで続いていた。稜線分岐に出ると緩く快適登山道が京丈山まで延びていた。京丈山までわずかなところまで来ると先行していた登山者が下ってきて情報交換する。これから長崎の雲仙岳に周ると云う宮崎県の若者であった。登山よりも植物観賞を主に山登りを楽しんでいるそうだ。京丈山山頂からは朝登ろうとした柏川方面の展望が開けていて、山頂から「柏川まで90分」の看板もついていたので、柏川からの登山も問題なかったのだと思った。
山頂でしばし休憩の後、往路をゆっくりと下ったが、後続グループが数組続いていて高齢者も多いところを見れば、今は京丈山のメーン登山道はハチケン谷コースであろうかと思うのであった。

林道ゲートまで下り、二本杉峠に走り五家荘の看板を覗いた後、再びR445の細く曲がりくねった道を美里町方面に下った。

 

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