昼闇山 ヒルクラヤマ 標 高 1840.9m 越後百山

山 域

頚城山塊
登 山 記 録
登山月日 2008年5月22日
登山経路 吉尾平林道途中駐車5:45〜吉尾平避難小屋6:15/6:30〜林道終点尾根取付7:30〜昼闇山と鉢山の中間の小ピーク付近の稜線10:15〜昼闇山11:50/12:35〜稜線下降点14:50〜林道15:55〜吉尾平15:45〜駐車場所16:15
行動時間 登り 6時間05分 下り 3時間40分 合計10時間30分(休憩時間を含む)
天  候 快晴
メンバー 単独

情  報

アクセス 糸魚川市早川郷の上早川から北山新田に入り、さらに吉尾平に延びる林道に入る。ダートであるが農業用水路管理道路を兼ねていてよく整備されている。今年は吉尾平の避難小屋までは車が入れた。林道は山腹をまいて昼闇谷迄延びている。
トレイル 登山道はなく、残雪期に焼山温泉からアケビ平を経由して登るルートが一般的 
地元では焼山北面台地方面から高松山経由登られているようだ。
水場・トイレ 水場は林道途中沢水随所にある。トイレは麓で
その他 今回のコースは全く私的なコースである。山スキーで楽しむものが多い

山行記


山麓の吉尾平から見る昼闇山
(右上の稜線直下の雪原からその左上のピークに登り、稜線の雪堤を昼闇山頂まで辿る)


(左)雪崩で押し流された大木が横たわる沢(右)尾根に取り付くと直ぐにブナ林の残雪の中


快適な雪上歩きを続けるとゲレンデのような稜線直下にたどり着く
左側の狭い雪道を稜線に登る


稜線上から登ってきた道と鉢山を見る


昼闇谷カールに切れ落ちる稜線の縁の雪堤を行く


山頂に立つと火打山・焼山の雄姿が眼前に飛び込む
左の小高い丘が高松山(地元のものは北面台からこちらの雪原を登るらしい)


金山や雨飾山も光り輝いて


立つ者も少ない山頂で感動の一時だ


東海谷の昨秋極めた阿弥陀山そして烏帽子岳も呼んでいる

前週、吉尾平から登頂を目指したがアクシデントが有り登山を諦めた。その際に焼山温泉からアケビ平経由のコースの下見もしたが雪解けが進んでいて昼闇谷の渡渉などが厳しいことを知る。この辺の山に詳しいと言う焼山温泉付近の酒屋のご主人に情報を聞くと、地元のものが昼闇山目指すには焼山北面台地方面に登り、高松山を経由して昼闇山頂に登るコースを教えてくれた。しかしこれも雪解け水で徒渉箇所が問題で、初めての他人には難しいと言う。私は昨秋、阿弥陀山の下見の際、歩いた吉尾平から残雪拾って鉢山のコル付近の稜線に登り、後は稜線伝いに昼闇山山頂を目指すことを告げるとそのコースも有るなという返事であった。

上早川から砂場方面に入り、山間部に拓かれた北山新田(?)に車を進める。新田の最上部から更に農業用水路に沿って林道が延びている。雪解けが進み避難小屋のある吉尾平まで車進入可能であったが砂利道で少し荒れている所もあり、避難小屋まで30分の地点で車を止めて林道を歩く。快晴の朝,昼闇山が目の前で、今日のコースを確認しながら歩くことができる。吉尾平の避難小屋から先の林道はまだ雪の下であったが沢水の取れる場所で朝食をとる。ここまでは昨秋、阿弥陀山の下見をした際に歩いたところで小谷温泉に伸びる「湯道・六佐衛門道入口」の看板も懐かしい。林道をさらに進むと鉢山と阿弥陀山の間を流れる沢を渡る。雪崩で押し流された大木が折り重なって沢を埋めていた。まだスノーブリッジもしっかりしていて安心してわたることが出来た。沢を越えると昼闇山の山体となり、林道は山腹を巻いてさらに続いている。そして昼闇谷の支沢と思われる沢の手前で林道は終わっていた。
そこが今日目指すルートの小尾根の取り付きである。コメツガとシャクナゲの薮が続いている。少し休憩し身支度を整えて、私は意を決して藪の中に突っ込む。薮は思ったほどのこともなく疎らであって楽に進むことが出来た。20分ほど薮を掻き分けると新緑のブナ林に出て残雪が現れた。ブナの花ガラが散らばる残雪ではあるが上部に消えることなく続いている。アイゼンを着けるほどのこともないが念のため12本詰めのアイゼンを履く。まだ1m以上の積雪が有り快適な雪上歩きの始まりである。
適当に休憩を挟みながら1時間30分ほど歩くと稜線上からつながる残雪たっぷりのスキー場のゲレンデのような雪原に到着した。上部の稜線が鉢山とのコルである。雪原の下部でルートを確認する。雪原上部のコルに直登するよりは、ゲレンデ状態の左隅の樹林沿いを小ピークに登りつめるほうが効率的であり、雪崩の危険性も薄いように判断する。
少々傾斜がきつくて脚も息も続かなくなるがそれほど長い距離ではない。汗を滴らせながら、ゆっくりゆっくりと登る。気温も上がってきてアイゼンも上滑り勝ちである。最後は更に傾斜を増した雪渓をピッケルを使い慎重に登り、小ピークの左側の稜線にたどり着く。稜線付近は雪が割れていて不気味である。
一息入れた後、稜線上の雪堤を昼闇山山頂目指す。天気も景色も最高で周囲の展望を楽しみながら歩くことが出来る。雪堤は所々途切れていて、その都度薮の中に入るが、芽吹き前でそれほどのこともない。稜線の途中で一箇所大きなアップダウンがあった。20mほど下り、50mくらいの登り返しがあり、少しアルバイトを強いられるがここも一歩一歩登って凌ぎきる。そして最後は昼闇カールを左に見ながら緊張の雪堤を進む。2回ほどヤブコギをして雪堤に戻ると雪に覆われた丸く広い昼闇山山頂に到着した。林道から歩き始めて6時間、林道終点の尾根に取り付いてから4時間20分、12時10分前に感動の昼闇山である。
思い描いた通り、眼前には焼山が素晴らしい雄姿を見せている。山スキーの聖地・北面台地は眼下に見える。火打山〜焼山〜金山〜雨飾山の頚城の主峰が勢ぞろいして出迎えである。山頂の反対側は高松山方面から雪原が続いている。地元の者はこちらから登っているのだなと思わせられる。どんなコースでもよい、とにかく自分で選んで登りついた昼闇山である。感激で震える思いだ。山頂に腰を下ろして飽くなき展望に酔いしれる。
直ぐ近くの薮山が最高点であろうかと思い、三角点を探すが三角点は勿論、山頂標識も見当たらない。腰を下ろした雪の下のようである。40分ほど休憩の後、慎重に往路を下った。海谷の山々が目の前でこれもまた感慨深いものがあった。笹倉温泉で汗を流して帰路に着いた。

 

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