下田・川内山塊の難山
矢筈岳 | ヤハズダケ | 標 高 | 1257.5m | 越後百山 |
山 域 |
下田・川内山塊 |
青里岳 | アオリダケ | 標 高 | 1215.5m | 越後百山 |
山 域 |
下田・川内山塊 |
五剣谷岳 | ゴケンヤダケ | 標 高 | 1187.7m | 越後百山 |
山 域 |
下田・川内山塊 |
登 山 記 録 | |
登山月日 | 2009年5月2日〜5月4日 |
登山経路 | 第1日 悪場峠6:35〜水無平〜木六山8:20〜七郎平10:10/10:25〜銀次郎山11:40〜銀太郎山13:15〜五剣谷岳15:15/15:25〜テント場15:45 第2日 テント場6:00〜青里岳8:10/8:25〜矢筈岳12:25/12:40〜青里岳16:15〜テント場18:40 第3日 テント場8:25〜銀太郎山〜銀次郎山11:00〜七郎平11:50/12:10〜木六山〜悪場峠15:45 |
行動時間 | 第1日9時間10分 第2日12時間40分 第3日7時間10分 合計29時間 (休憩時間を含む) |
天 候 | 第1日晴 第2日薄曇 第3日薄曇 |
メンバー | 山友かめ・ふーさんと二人 |
情 報 |
|
アクセス | 登山口の悪場峠までは舗装された林道 |
トレイル | 銀太郎山まで 登山道整備されている 五剣谷岳まで ヤブ漕ぎと残雪拾いながら 薮の中に踏み跡ある 五剣谷岳〜青里岳〜矢筈岳 残雪拾いと完全な薮の中を進む |
水場・トイレ | 七郎平に流水取れる トイレはなし |
その他 | 残雪拾いとヤブ漕ぎを凌いで難関3座に登頂果たす |
山行記 第一日目
昨年、五剣谷岳に登った同じ日に、悪場峠の登山口に車をつけた。今年は五剣谷岳にテントを張って、青里岳&矢筈岳を軽荷でピストンする計画である。そして強力な相棒として無類のかめ・ふーさんと一緒である。テントやコンロなどのキャンプ道具はかめ・ふーさんが担いでくれるが、私も最低限の物を担ぐと、60リットルのザックははちきれんばかりであり、結構重量もある。しかし気合が入っているのかそれほどの苦労も感じずに登山口を入る。 木六山を越えるといよいよ長い縦走路に入る。「ザックも重いし、ゆっくり行こう」と声が掛かる。縦走路の傍には春の花が咲き競って目を楽しませてくれる。特にイワウチワ・カタクリ・ヤシオが素晴らしい。小さなアップダウンを2度ほど超えて、2番目のチェックポイント七郎平山に掛かる。最後は残雪になり、足をとられるのを凌ぎ、水場のある七郎平に着いた。ココには沢水が流れ絶好のテント場である。今日のテント場の雪の汚れが気になって、ここで一人3.5リットルの水を担ぐことにする。 一気に重量をましたザックは肩に食い込み、足色も衰える。七郎平山の北斜面にはまだ残雪がたっぷり残っていた。大粒の汗を流しながら銀次郎山を登りきる。水場まで一緒に歩いた2人がゆっくりと昼食を取っていた。銀太郎山や五剣谷岳が目の前に見える。これから行く先を目で追いながら休憩する。 五剣谷岳から戻り、テント場を探す。しばらく青里岳方面に進むと山頂稜線から続く雪提に絶好のテント場があった。雪均しも必要はない。足で踏み固めた後、テントを張る。16時過ぎにはテントの中で宴会の始まりである。 第二日目
五剣谷岳のテント場は風もなく静かな夜で、これほどまでゆっくりと寝られたテントは久しぶりであった。 青里岳の山頂稜線を東南方向に進み北斜面の雪堤を拾いながら鞍部に下る尾根に見当をつける。完全にヤブの中で殆ど勘に頼って尾根を下り始める。すぐに小さな雪田に出て、鞍部に続く雪渓を見ることが出来た。あとはもう心配ない。気持ちのよい残雪歩きを続ける。鞍部は広雪原になっていた。30分ほど雪原をあるくと、矢筈岳とのヤセ尾根になっていてここも雪堤は途切れていた。ここもヤブ漕ぎと雪堤歩きを繰り返し矢筈岳側の山体に取り付く。そして急坂の雪渓を200mほど登りきると矢筈岳中腹の雪原に出る。スキー場のゲレンデのようだ。薮が見える稜線まで歩いて昼食休憩とする。 見上げる稜線の先に矢筈岳山頂が見える。手前には主峰と双耳を成す小ピークも見える。500mくらいは有るだろうかと思うが、実際はそんなには無いかもしれない。ピッケルを立木にくくりつけて薮の中に突入。ここには踏み跡は殆どなく、粘っこいリョウブやイヌツゲ・シャクナゲ等の中、薮をかき分け・もぐり・跨ぎながら進むのである。先を行くのはふーさんであるが、ヤブ漕ぎは先も後ろも無いのだ。根を上げないように、根気良く先を目指す。手前の少ピークには思いのほか早く着いた。そして本峰が手の届くところに見える。少ピークから少し下って僅かに残る雪田を利用して駆け上がる。最後も薮をこいで憧れの矢筈岳に立ったのである。 目の前には五剣谷岳のテント場から歩いてきた尾根が良く見える。最後のヤブ漕ぎした尾根を振り返るとその下方には笠堀ダムが光って見える。粟が岳は随分と遠くになったものだ。光明山や中の又山の先には越後の名峰守門岳がまだまだ真っ白である。 帰りの道もずーと見渡せる。時間は読めても長い長い帰り道である。15分ほどで矢筈岳を後にする。手前の小ピーク前で後続の3人と行き違う。そして一気に薮の稜線を雪原に下る。ピッケルを回収して、後は来た道を忠実に戻る。青里岳へのヤブ漕ぎは下からみてルートを探してあったので、苦もなく登り返すことが出来た。 ビールで乾杯の後、酒のつまみに持ち上げたものを焼きながら焼酎を飲んでいると、疲れと酔いで一気に睡魔が押し寄せるのであった。そして今夜もまた静かな五剣谷岳の夜であった。 第三日目
疲労と酔いでよく眠れた。曇天ながら雨の心配は無い。昨夜銀太郎山にテントを張った矢筈山岳会のベテランが矢筈岳を眺めにテント前にやってきた。そしてこの辺の山の情報を色々と聞かせてくれた。ラーメンを作って朝食をとる。やはり朝は流動食の方が良さそうだ。100mほど先にテントを張ったパーテイも悪場峠を目指して先に下っていった。悪場峠までの下りと言えども長丁場である。テントを撤収し、矢筈岳や青里だけに別れを告げて、8時半の出発となった。 五剣谷岳の雪渓を慎重に下る。そして銀太郎山まではヤブ漕ぎと雪堤歩きを繰り返す。ゆっくり歩こうといっても余りにもピッチが上がらない。途中2回も休憩を挟み銀太郎山に到着した。ここからはしっかりした登山道があるのでひとまずは安心だ。銀次郎山までも途中で一回の休憩を取る。そして七郎平の水場には一気に下る。中間点とも言えるここで行動食を取り大休止だ。 旧村松町のさくらんど温泉で汗を流し、ふーさんと別れて山上で高速に入って帰路に着いた。
|
五剣谷岳 | ゴケンヤダケ | 標 高 | 1188m | 日本の山1000 |
山 域 |
川内山塊 |
銀太郎山 | ギンタロウヤマ | 標 高 | 1112m | - |
山 域 |
川内山塊 |
銀次郎山 | ギンジロウヤマ | 標 高 | 1052m | - |
山 域 |
川内山塊 |
木六山 | キロクヤマ | 標 高 | 825m | - |
山 域 |
川内山塊 |
登 山 記 録 | |
登山月日 | 2008年5月2日 |
登山経路 | 哺土原林道悪場峠5:25〜仏峠〜水無平〜焼峰の神様〜木六山(巻き道)〜木六山稜線分岐7:00/7:10〜七郎平8:20/8:30〜銀次郎山9:20/9:30〜銀太郎山10:30〜五剣谷岳12:00/12:15〜銀太郎山13:40〜銀次郎山14:45〜七郎平15:25/15:35〜木六山分岐17:05〜水無平〜悪場峠19:00 |
行動時間 | 登り 6時間35分 下り 6時間45分 合計 13時間35分(休憩時間を含む) |
天 候 | 晴 |
メンバー | 単独 |
情 報 |
|
アクセス | 旧村松町杉川チャレンジランドから早出川ダム方面に抜ける哺土原林道最高点が悪場峠 峠まで舗装道路 悪場峠には標識ない |
トレイル | 銀太郎山まではしっかりした登山道ある。(木六山は直登コース封鎖中で巻き道) 銀太郎山〜五剣谷岳までも藪の中に踏み跡鮮明にある。この時期は残雪拾えば問題なし |
水場・トイレ | 七郎平に水場ある トイレは登山口にもない (杉川チャレンジランドは休養キャンプ村) |
その他 | 青里岳 矢筈岳にも残雪の時期なら |
山行記
前日は、同じ旧村松町高石からユキツバキが代表花の「花の百名山・日倉山」に登った。久しぶりの本格登山で疲労も激しく、下山後、町内中心部のさくらんど温泉で汗と疲れを落とし、栄養補給した。夕方には暮坪部落から杉川チャレンジランドのキャンプ場に戻り、トイレの完備した駐車場で車中泊した。 夜明けを待って哺土原林道に入り、10分も走ると林道の最高点・悪場(アクバ)峠に着く。しかしここには何の標識もなく、初めてきても分かりづらい場所だ。私は昨年と昨日、確認しておいた銀太郎山まで延びる短縮登山口である。5時前であったが1台の長岡ナンバーの車がとまって登山の支度をしていた。長丁場の登山道を先行するものがいることが分かり一安心である。私も日帰りの支度を素早く整え、登り6時間・下り5時間の長丁場を覚悟して草叢に延びる登山道に入る。 悪場峠からは6時間30分以上もかかり、正午ジャストの山頂到着だ。着かず離れずに歩いた先行者の長岡のK氏とがっちり握手を交わして登頂を祝う。「久恋の五剣谷岳」と言われるが、今、正にそこに立っている満足感と達成感で感激である。登ってきた稜線の先には青里岳が2時間もあれば届くところに白い峰を見せている。そして明日予定している川内山塊の盟主・矢筈岳もどっしりとした山容で「おいでおいで」している。村松白山や粟が岳は随分と遠くに離れたものと思う位置に見えるのである。まだまだ山座同定できるほどではない。この山塊は未知である。「いつかはの峰々」が連なっているのは間違いないのである。それらを目に焼き付けカメラに収める。 今反省してみると食料は十分持って行ったのであるが、長い縦走路で先を急ぐ余りしっかりと腹ごしらえをせずに歩き続けた結果のシャリバテであったのが一番の問題だと思う。筋肉痛は長野マラソン以来ろくに休養もとらず山に入ってしまったことによる疲労の蓄積だ。脱水症状は長い縦走と気温上昇による大量の発汗によるものと思う。悪条件が複合的に重なり遭難寸前の山行であったと反省させられる。 帰宅後も疲労感は消えず筋肉痛も完全治癒には時間が掛かりそうである。しばらく山は休まなければと思っている。
|
魚止山 | ウオトメヤマ | 標 高 | 1078m | 新潟百名山 | 山 域 | 川内山塊 |
登 山 記 録 | |
登山月日 | 2024年4月20日 |
登山経路 | 林道駐車地点7:00〜入山口7:15〜854mピーク10:20〜魚止山12:15/13:00〜854mピーク14:20〜入山口16:15〜駐車地点16:30 |
行動時間 | 登り 5時間15分 下り 3時間30分 合計 9時間30分 (休憩時間・ロスタイム含む) |
天 候 | 曇り |
メンバー | 加藤イツ子さん(いっちゃん)と二人 |
情 報 | |
アクセス | 室谷洞窟まで一般道 常浪川沿いの林道は10キロくらいあるが中間点付近まで舗装道路その先砂利道もよく整備されている |
トレイル | 854mピークの2/3くらいまでは薄い踏み跡あり その先は急登を直登 654mピークからは残雪と踏み跡薄い尾根道を交互に歩く |
水場・トイレ | 林道で沢水とれるが飲用は? トイレはない |
その他 | マイナー12名山矢筈岳の前衛の山 |
山行記 林道終点付近の入山口・コシアブラ摘み乍ら イワウチワが群生・薮かき分けて 急登は四つん這いになって 854mピークから残雪拾う・対岸にそびえる太郎山 常浪川沿いの林道入り口になる室谷洞窟で同行の加藤イツ子さん(いっちゃん)と合流、長い林道を終点付近まで走って倉谷沢の支沢に架かる橋の数百メートル手前の駐車余地に車を止めた。駐車地点から15分ほど泥濘の林道を歩いて入山口に着いた。標識はないが入山場所には玉結びのロープが下がっていて沢の上部に続いていた。過ぎに樹林帯に入って薄いながらも踏み跡と赤布を追った。芽吹いたばかりの林の中には白いタムシバや可憐なイワウチワの群生が随所に見られ目を楽しませてくれる。コシアブラもちょうど芽吹き時でいっちゃん採取に余念がなかった。踏跡も消えると赤布も見失いがちになり疎林の灌木帯を直登するようになった。そして傾斜も増してくると臓器の枝や木の根につかまりながらの匍匐前進である。先を行くいっちゃんに迷惑をかけぬように必死に後に続いた。入山場所から標高差500mの854mピークには3時間もかかって登りついた。自分の目論見としては山頂まで4時間とみていたのであるが・・・。 854mピークから先には残雪があってこの先は快適残雪歩きかと思ったのであるが、残雪は途切れ途切れであって、灌木の藪が被さる尾根と交互に歩くようになった。それでも尾根上には藪の下に依然は刈りはらわれたと思う登山道があるのが救いであった。常に先を歩いてくれたいっちゃんに励まされながら入山場所からはちょうど5時間、954mピークからは1じかん1時間半ほどかかって正午過ぎに魚止山山頂に登りついた。残雪期であれば見ることのできない三等三角点が藪の中に顔を出していて、いっちゃん感激の面持ちであった。三角点のすぐ奥には残雪がありその先の川内山塊の展望が開けていた。12年前に五剣谷岳の肩にテントを張って青里岳から矢筈岳まで往復した思い出が蘇りその軌跡を追うのであった。残雪の上にマットを敷き、眼前の大展望を楽しみながらいっちゃんが用意してきてくれたお昼をいただきながらのランチ休憩である。45分ほどのランチ休憩の後下山もまた藪をかき分け残雪歩きを繰り返しながら854mピークに下った。さらにその先の激坂下りでは何度も尻を付き、木の根枝につかまりながらイワウチワの群生地に下った。上りに5時間かかった入山口までは3時間15分で下りついた。林道を15分ほど歩いて駐車地点に戻り、着衣を着替えて車に乗り込み、終始アシストしてくれたいっちゃんに感謝しながら林道を下った。 快適残雪歩き・山頂が見えてきた 残雪が途切れると藪の尾根を行く 三角点が現れた魚止山山頂・奥には残雪があった 左奥矢筈岳右奥青里岳・五剣谷岳方面 |