堂津岳・大渚山・天狗原山・金山

信州百名山 堂津岳 ドウツダケ 標 高 1927m

山 域

白馬村・鬼無里村
登 山 記 録
登山月日 2002年4月29日
登山経路 奥裾花観光センター6:45〜奥裾花自然公園7;25〜稜線9:00〜堂津岳山頂11:40/13:00〜奥裾花自然公園15:30〜観光センター16:00
行動時間 登り4時間55分 下り3時間 合計9時間15分(休憩時間1時間20分含む)
天  候 快晴
メンバー 単独

情  報

アクセス 鬼無里村奥裾花自然園までは舗装道路
トレイル 残雪の道
水場・トイレ 自然園の急傾斜から先には無し
その他 展望抜群
山行記


縦走路から見る堂津岳

「堂津岳とは、全く目立たぬ山である。高妻・乙妻いう圧倒的に鮮やかな高峯の隣に位置するためもあるだろうが、里からも殆ど見えないという事もその原因だろう。」と、信州百名山を選定した清水栄一氏は書き出している。しかし今では山を知るものにとって、この山こそ隠れ名山として知れ渡っているのである。
奥裾花自然公園は水芭蕉の咲く公園として有名であるが、昨年は大規模地滑りの危険が有り、一年間閉鎖された経緯が有る。
鬼無里村と言う平家伝説の残る山奥の村にとって待ち遠しい再開である。
観光センター駐車場に車を停めて、40分ほど歩けば奥裾花自然公園である。今年は雪融けが早いと言うが、ここはまだまだ雪が残り、あたり一面銀世界である。
公園内の雪道を奥まで登れば、やがて行き止まりとなるが、ここから見上げる稜線は標高差300mくらいであろうか、そんなに難しくはないようだ。ブナ林の中、残雪の踏みあとを追いながら途中でアイゼンを装着するのに手間取るが、1時間半で稜線につく。稜線までは思い思いに登ってきたであろうが、稜線にはしっかりしたトレースがあり、目指す堂津岳に向っている。しばらく痩せた稜線が続くがその内に広い稜線となる。残雪はたっぷりで1mを超えていて、藪こぎをする事もなく、小さなアップダウンを繰り返しながら快適な残雪の上を歩いて堂津岳を目指す。
後にも先にもこの山を歩いているのは自分だけのようである、野鳥のさえずりしか聞こえない静寂の中、まるで自然に溶けこんでしまうのではないかと思うほどだ。
途中1回の休憩をはさんで、頂上へのアッタックであるが、雪も溶けて雨飾山の痩せ尾根とそっくりな尾根を藪漕ぎするが、それも長くはない。頂上直下は又雪渓となり雪庇の張り出しに畏れながら、慎重に進めば、丸く広い頂上に到着した。頂上には岐阜から来たと言う3人パーティがいたが入れ違いで下がっていった。
眼前には、妙高山から雨飾山までの頚城の山々が真白な姿で聳えていて、右側には高妻山が圧倒的な荒々しい姿を見せている。振りかえれば戸隠西岳連峰・東山と続き、そしてその西側には白馬岳に続く後立山連峰である。
飽く事のないその景色を堪能し昼食を取りながら、何枚もカメラに収めた。
噂に違わぬ名山を1時間20分も一人占めする幸運に満足して、慎重に往路を下った。

 

登 山 記 録
登山月日 2003年5月2日(再登山)
登山経路 奥裾花観光センター6:30〜奥裾花自然公園7:20〜稜線8:40〜堂津岳山頂11:50/12:40〜稜線分岐15:00〜奥裾花自然公園15:40〜観光センター16:10
行動時間 登り5時間20分 下り3時間30分 合計9時間40分(休憩時間含む)
天  候 快晴
メンバー 甲府・八王子・川越・石川県から遠来の女性4人とご夫婦1組
山行記

  
縦走路・山頂から見る左から白馬岳・妙高山・東山

全国の1000座以上の山を極めている「山の鉄人・根橋さん」にして、「その展望は3本の指に入る」という堂津岳にご本人と二人で、甲府・八王子・川越・石川県から遠来の女性4人とご夫婦1組を案内して登ることになった。女性軍は皆、山の猛女ばかりで心配することは一つもないのである。

奥裾花観光センターの駐車場に早朝6時に集合した。ここから眺める堂津岳は稜線の彼方に優しく見えて、訳もなく登れそうである。支度を整え6時半に出発。水芭蕉の咲く奥裾花自然園迄は除雪された林道を40分程で、ウォーミングアップにはちょうど良い道のりである。自然園入り口付近はまだ1.5m位の残雪が残り真っ白な世界である。ここでアイゼンを装着し、遊歩道をトレースを追いながら進む。やがてトレースも薄くなりブナの森の中に踏み入れる。女性を先導したことのない私はペースが分からないが、すぐ後ろに付かれると自然にペースが上がってしまうのか後の根橋さんから「早すぎるよ」と声が掛かる。自分でも息が切れそうに早いことが分かり、しばし休憩を挟みながら高度を上げる。稜線直下の急登を見上げれば、僅かであるが雪庇が張り出していてどこを選ぶか逡巡する。金沢からの雪女Yさんが、いとも簡単に乗り越えてステップを切ってくれると安全に稜線に飛び出す事が出来た。
絶好の天気で、白馬連峰が朝日を浴びてまばゆいばかりだ。ここからアップダウンの少ない稜線漫歩が続くのかと思うと楽しみで一杯だ。奥西山とおぼしき小ピークで休憩を取る。今朝先行したと見られるトレースが付いているがブナとダケカンバの大木の中車が走れるような広いなだらかな稜線を余裕の雪上歩きが始まる。これなら女性でも全然問題ない。

問題ないどころではない、何しろ今日の女性軍は話すのも恐ろしい経歴を持った本格女性登山家なのである。登山にのめり込んだ経緯や、山自慢をしながら稜線を2時間ほど歩くと堂津岳への急登が始まる。
雪の斜面を少し歩くと笹藪に掛かり、アイゼンを外して藪をかき分ける。藪キチのCさんは「こんなの藪のうちにはいらないは」と喜々として楽しんでいる。それも長い距離ではなく頂上直下は気温上昇で緩みだした雪渓となる。

11時40分丸い広々とした山頂に飛び出した。そんなに体力消耗はなかったものの、時間的には5時間を超える歩行時間であった。眼前には真っ白な頸城の山々、右手には圧倒的な高妻山、振り返れば戸隠連峰・東山が見えて白馬連峰が続いている。昨年と同じ描写であるが、何とも形容しがたい素晴らしい気分になるのであった。山頂には何の標識もないのが又趣があって良いものだ。三々五々腰を下ろして飽くなき展望を楽しみながら昼食休憩をとる。
登頂記念写真を収めた後、往路をゆっくり談笑しながら縦走し自然園に下った。
朝は周りを眺める余裕が無くて気が付かなかったが、雪解けの小川には可憐な水芭蕉が花開き見学者やアマチュアカメラマンの目を楽しませていた。もう1週間ぐらい先が見頃となるであろうかと思う。林道歩きの途中からバスが出ていて観光センターまでバスに乗って帰り15時40分帰り着いた。歩いてきた稜線の彼方に堂津岳が朝と変わらぬ優美な三角錐の頂を見せていた。

今日集った方々の満足を得られたであろうかと気にしながら奥裾花渓谷を車で下ったのである。

 
広々としたブナやダケカンバの中の縦走路

 


信州百名山 大渚山 オオナギヤマ 標 高 1566m

山 域

頚城
登 山 記 録
登山月日 2016年5月27日
登山経路 小谷村湯峠9:30〜山頂10:30/11:30〜湯峠12:40
行動時間 登り 1時間 下り 1時間10分 合計 3時間10分(休憩時間含む)
天  候 雨/曇
メンバー 小林さん・杉山さん・津高さん

情  報

アクセス 湯峠まで舗装道路
トレイル 急登もなく快適トレイル
水場・トイレ 登山口にもない
その他 ネマガリダケ採取登山
山行記


13年ぶりの大渚山山頂・北アルプス北部方面



筍汁


信州百名山 大渚山 オオナギヤマ 標 高 1566m

山 域

頚城
登 山 記 録
登山月日 2003年7月13日
登山経路 小谷村湯峠4:40〜山頂分岐5:30〜展望台5:40/5:50〜湯峠6:25
行動時間 登り1時間 下り35分 合計1時間45分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 雨飾山の登山道入口の先3キロくらい
トレイル 滑りやすい道も問題なし
水場・トイレ なし
その他  

山行記

深夜の2時半に起きて小谷村を目指す。最近はこんな時間に起きだして行動することも少しも苦にならなくなった。山が好きだからと言うのは表向きの理由で、実際は目指す日本三百名山踏破に向けてやむにやまれぬ義務感からである。本当はこんな山の楽しみ方には批判があるのは承知の上だ。最近は寝ていても頭の中に山の名前が浮かんできて、指折り数える夜が多いのである。しかしこの山は日本三百名山には入っていない。信州百名山なのである。信州百名山も95座を数えるまでになり、今はこれをどのようにフィニッシュを決めようかと楽しんでいる。
小谷村を夜が明ける前に通過して、雨飾山の登山道入口に着く頃には夜が白み始めた。案内看板で湯峠を確認する。そこから僅かの距離の湯峠に着いて軽く朝食を摂る。
熊よけにラジオのボリュームを一杯に上げて登山道にはいる。一月ぶりの登山で気持ちが乗っていて、なんの変哲もない登山道を一気に山頂まで歩いた。更に10分ほどの展望台に回るが曇っていて展望は得られない。方位盤には頸城山塊、北アルプス北部の山々が見渡せるように案内があり残念に思う。しかし展望は最初から期待していなかったのであるからがっかりすることもないはずだと言い聞かす。これでは長居は無用と急いで湯峠まで下って、次の目的である青海黒姫山に向かった。

 


信州百名山 天狗原山 テングハラヤマ 標 高 2140m

山 域

頚城山塊
登 山 記 録
登山月日 2002年6月15日
登山経路 雨飾山荘8:20〜小谷・笹ヶ峰林道〜天狗原山登山口9:30〜水場10:30〜天狗原山13:00/14:00〜登山口16:20〜雨飾山荘17:20
行動時間 登り4時間40分 下り3時間20分 合計9時間(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 雨飾山への道を雨飾山荘から小谷・笹ヶ峰〜天狗原山登山口へ
トレイル あまり踏まれていないが迷うことは無い
水場・トイレ 天狗原山登山口から1時間のところにある
その他  
山行記

4年前、日本百名山を本格的に始めたころ雨飾山に登った。その時に登山道の右側にどっしりと佇んでいた天狗原山はそのときから憧れの山であった。人気の雨飾山ではあるがその高さ山の大きさからも天狗原山のほうが上回っているのである。
小谷・笹ヶ峰林道は落石の危険があるために通行止めとなっているが、入り口から2キロも歩けば、きれい舗装された林道でどうしてここが通行止めなのかと疑うのであるが、入り口の岩場の崩壊はひどいもので、歩くにも恐怖感がつのるのである。
そんな中を1時間少し歩けば天狗原山・金山登山口に着く。
どんよりしたこんな日に先を行くものはないだろうと、しっかり熊ヨケ対策をしながらブナ林の急登を登る。1時間で尾根上の水場に到着し、ポリタンに水を補給する。
後はもう何も考えることのないまま先を急ぐのである。1時間も歩いたころに頂上を極めた先行のものと会う。栃木から来た人で、信州百名山97座目と言う信州ファンの方である、見ると足元はゴム長靴で、相当な熟達者と拝察する。暫し山談義の後山頂を目指すが生憎の天候で林の中以外は何も見えない。
山頂間近にもう一人の登山者と行き違いながら、13時少し前にまだ残雪に覆われた丸い天狗原山山頂に到着した。
乳白色のガスに展望はないが何回か見たこの付近の展望をイメージしながら昼食をとる。時々ガスが切れて笹ヶ峰方面の展望が開けるが長続きしないので諦めて往路を下ることにする。丁度根曲竹の筍が出始めたころで山の幸を少し頂きながらゆっくりゆっくり林道に下った。

金山・天狗原山の再登山の記録

 


天狗原山 テングハラヤマ 標 高 2140m 信州百名山

山 域

頚城山塊
金山 カナヤマ 標 高 2245m 越後百山

山 域

頚城山塊
登 山 記 録
登山月日 2008年7月12日
登山経路 小谷・笹ヶ峰林道金山登山口6:25〜水場7:20/7:25〜ガレバの登り口(キヌガサソウ群生地)8:40/8:50〜天狗原山10:30〜金山11:40/11:55〜神ノ田圃12:20/12:50〜天狗原山13:15〜キヌガサソウ群生地〜水場15:10/15:20〜登山口15:50
行動時間 登り 5時間15分 下り 3時間55分 合計 9時間25分(休憩時間を含む)
天  候 曇・晴
メンバー 「チーム・こば」混成隊

情  報

アクセス 林道は小谷側からは登山口まで舗装道路 笹ヶ峰側は乙見峠トンネルから先が未開通であった
トレイル 刈り払いされているが、泥濘と沢の中で荒れている
水場・トイレ この時期は水場ある トイレは登山口にもない
その他 登山道脇は高山植物が咲き誇る 金山山頂付近はまだ残雪

山行記

3回目の小谷・笹ヶ峰林道、金山登山口である。
今日はネットで知り合いになった仲間の混成部隊で、合計7人の編成だ。2002年初めて天狗原山に登ったときはまさかこの登山道に3回も来るとは考えることもない寂しい登山道であったように思う。登山口に来ると先行したものの車が3台ほどあった。実は最近、天狗原・金山は隠れた花の名山として、知る人ぞ知る山になったのである。
水場までの1時間はブナの大木の中結構急坂が続き、アイドリングには少し厳しい登山道である。しかしその中にみいさんがシナノショウキランを見つけ歓喜の声を上げる。
水場で一息入れるがあまり薦められるほどの清流ではない。再びブナ林の中を進むと岩場に展望が開けた地点に来る。岩場の下にはニッコウキスゲが黄色い花を開いていた。ここら辺りから登山道脇に見事な花が見られるようになる。雪が解けた湿地には大きな水芭蕉がお化けのように生育している。後はサンカヨウ・キヌガサソウ・ミネカラマツソウ・・・。その名前を語るほどわたしには花知識がない。沢筋にはまだ雪渓も残り、足場もおぼつかない登山道を花を撮りながら進むとガレバの下についた。ここはキヌガサソウの群生地となっていて絶好の休憩ポイントである。
しばし休憩の後、ガレバに取り付く。草付の急登を落石に注意を払いながら登りきる。ガレバを登った先も花々のオンパレードで中々前に進めない。後続の女性グループが追い越してゆく。天狗原山の山頂に近づくと残雪が現れる。山頂直下の雪渓上で一息入れる。天狗原山頂は笹薮のなだらかな丘であって前2回とも山頂の三角点を確認できなたっかが今回はグループ全員で山頂付近を捜すと赤布が下がった薮の中に三等三角点の標識を探し当てることが出来た。三角点の代わりの天狗原山のシンボル、縦走路に有るはずの石の地蔵さんは雪の下で見つけることが出来なかった。
三角点をカメラに収めた後、金山への道を進むと先ほど追い越していった女性3人グループが雪渓を前に立ち往生していた。しかしここはチームリーダーのこばさんが先導し雪渓を超えてゆく。一旦下った後、シラネアオイが群生する沢筋を登りつめると金山への道である。雪が消えると「神の田圃」と呼ばれるお花畑付近で一度道を間違えるが、慎重に道を探し更に二つの雪渓を超えると金山山頂であった。2004年同じ時期に来たのであるが残雪の量が違っていて少し戸惑う登山道であったが山頂は4年前を思い起こすことが出来た。
チームこばと最後は一緒に歩いた新潟の女性3人グループと記念撮影である。
山頂付近のハクサンコザクラがお目当てであったが残念ながら雪の下である。途中道迷いをした「神の田圃」に戻り昼食休憩を取る。登山口では少しぎこちなかった初めて一緒に登ったネットの友とも打ち解けてゆっくりと寛ぐことが出来た。
下りも登山道脇の花々をカメラに収めながらゆっくりと下った。
8月初めには金山山頂のお花畑は見頃になるでしょう。

同行者:こばさん・みいさん・まっちゃん・かめ・ふーさん・EA父さん・臆崖道さん&カモシカ永井

 
笹薮の中に天狗原山の三等三角点


(チーム・こば)金山山頂で記念撮影(長岡の女性登山隊)


金山側から見る天狗原山と天狗原山側から見る金山


ガレバを登り雪渓に憩う


歩き疲れて、登山口までは後30分                キヌガサソウの群生地で

 

天狗原・金山の登山道で見た花々
これ以外にも沢山の花が咲いていました。
金山の雪が解ければチングルマ・ハクサンコザクラが見られます


ショウキラン


キヌガサソウ


サンカヨウ


ツバメオモト


キヌガサソウの群生


シナノナデシコ


シラネアオイの群生

ハクサンコザクラ

コミネカタバミ

グンナイフウロ

ムラサキヤシオ

ベニバナイチゴ

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