苗場山と周辺の山
苗場山 ナエバサン 標 高 2145m 日本百名山 山 域 三国山地
赤倉山 アカクラヤマ 標 高 1939m 北信の里山 山 域
龍ノ峰 リュウノミネ 標 高 2036m 山 域
登 山 記 録
登山月日 2020年7月30日〜31日
登山経路 7月30日
小赤沢三合目5:15〜坪場8:25〜苗場山山頂ヒュッテ9:40/9:55〜赤倉山分岐10:10〜赤湯谷11:00〜赤倉山12:45/12:55〜龍ノ峰15:15〜苗場山15:55〜山頂ヒュッテ16:00
7月31日
苗場山山頂ヒュッテ6:55〜坪場7:55/8:00〜小赤沢三合目10:25
行動時間 7月30日 10時間45分 7月31日 3時間30分 合計 14時間15分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候 7月30日 雨/曇 7月31日 曇・晴
メンバー 単独
情   報
アクセス 小赤沢三合目登山口まで快適山岳道路
トレイル 坪場までは巨石・デイ根井の悪路 湿原には木道 赤倉山迄は草の被さる煩い道も登山道ある
水場・トイレ 沢編み図取れるが飲用は?toiletは登山口と山頂ヒュッテにある
その他 赤倉山までは赤湯谷など見どころ満載の自然が残る
山行記


小赤沢三合目登山口と七合目付近の鎖場


坪場で湿原に登りつく

山頂モニュメント


苗場山山頂ヒュッテ・一等三角点の山頂



第一日目
前夜は登山口の小赤沢3合目の駐車場で車中泊した。雨が完全に上がらない中、雨着を着て傘さして登山道に入った。登山道に入るとすぐに三合目の標識が有り、四合目までの距離とコースタイムが表示されていた。その先も各合目ごとに距離と時間が表示されていてとても良い目安であった。四合目まで来ると雨が本降りになって、シラビソの大木の下で傘さしながら暫し雨宿りをした。小屋泊まりであるが寝袋持参を指示されて、重くはないが重い気持ちで水の流れるゴーロの沢を黙々と歩いた。六合目からは少しトラバースして七合目付近からは岩稜帯になって鎖場も連続していた。各合目で休憩をとりながらゆっくり(今の自分には精一杯)登り、湿原入口の坪場には3時間以上かかって登りついた。霧にけぶる中の木道を少し進むと和山への分岐標識が有ったので赤倉山への分岐かと思い湿原の中の掘割の道を少し下ってしまった。和山への道はすぐに沢に入っていたので間違いに気づいて木道に戻った。九合目標識の先で木道が終わりシラビソ林の中巨石の岩ゴロの道となって最後の難行である。再び木道に出ると赤倉山への分岐標識が立っていた。ここまで来たら山頂ヒュッテまで行ってザックをデポすることにした。よく整備された木道を15分ほど歩いて苗場山山頂ヒュッテに到着した。13年前↓の記録を見ると日帰りした句とは言え2時間40分で登りついていたのに今日は4時間半も掛かっていた。
小屋番お出迎えを受け赤倉山を往復してくることを伝えサブザックに食料と飲料を入れて軽荷でヒュッテを出た。木道を分岐に下り赤倉山への道に入るとすぐに苗場神社の祠が有った。その先には手付かずの自然の残る湿原が広がっていた。整備された木道を終点まで進むと龍ノ峰付近であるが、龍ノ峰を特定できず通り過ぎてしまった。草の被さる登山道は水浸しで登山靴も濡れるに任すしかなかった。シラビソの低木帯を過ぎると左側が切れ落ちた赤湯谷である。ニッコウキスゲが見ごろの稜線には小さな湿田も見え、今まだ歩いてきた苗場山とは一味違う趣である。草地の稜線を過ぎると樹林帯に入って大きく下って行く。下り勾配になるたびにGPSで位置確認しながら前進した。ヒュッテから2時間ちょいと思っていたが、赤倉山が見えてこない「まだかまだか」と思いながら歩いて最後は草叢の登山道を100mほど標高を上げてようやく赤倉山山頂に着いた。苗場山山頂ヒュッテからは2時間50分もかかっていて少々焦りを覚える赤倉山であった。軽食を摂りながら10分ほど休憩し往路を戻る。疲労も激しいので1時間に一度はしっかり休憩取ろうと決めて歩いた。赤湯谷までは目標通りに歩けて先が見えると安堵した。シラビソの低木帯に入り龍ノ峰付近に来て龍ノ峰三角点を探したが残念ながら龍ノ峰三角点を探すことが出来なかった。木道に入って痛い腰とひざをかばいながらもゆっくりと歩いて山頂ヒュッテには赤倉山から3時間ジャスト掛かって戻ることが出来た。山頂ヒュッテから1分の苗場山山頂の一等三角点を踏んでヒュッテに戻った。
新型コロナ感染防止対策をしたヒュッテに泊まる今日の登山者は6人であった。ヒュッテでビールを買って持参した日本酒を飲みながら寛いだ。粗末な小屋飯の夕飯を食べて小屋裏の展望台からSNSに投稿した後はヒュッテに戻って寝袋に潜り込んだ。

第二日目
苗場山山頂ヒュッテの夜は寝袋一つで寒くはないが、エアーマットを忘れてきたために背中に痛みが有ってよくは眠れなかった。夜半からは雨が降り続き朝には屋根を叩く音が聞こえるほどの降りであった。6時にはこれまた粗末の朝食を頂きパッキングを済ませて濡れるのを覚悟で7時前にヒュッテを出た。「10分も歩けばずぶ濡れだな」と思って傘さしながら小屋を出たが激的に雨が上がって傘ささずに木道を下ることが出来た。坪場まで来ると日も差すほどに回復してきた。八合までは雨水を集めて沢状態の登山道であった。鎖場を慎重に下り、登ってくる登山者とスライドしながら各合目で休憩を挟みながら小赤沢の登山口に下った。2時間半もあれば下れる道を3時間半も掛かっていて疲労もピークに達していた。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」を思い知らされた苗場山・赤倉山登山であった。




苗場山神社・湿原から苗場山頂

 
龍ノ峰付近の湿原

 
龍ノ峰付近の登山道・ニッコウキスゲ咲く赤湯谷

 
草叢の登山道を歩いて赤倉山へ


猿面峰 サルヅラミネ 標 高 1832m 北信州の里山 山 域 苗場山前衛
登 山 記 録
登山月日 2021年7月16日
登山経路 苗場山大赤沢新道入口5:20〜登山道入口5:35〜五合目7:30〜猿面峰8:45/9:20〜登山道入口11:25〜入山地点11:40
行動時間 登り 3時間25分 下り 2時間20分 合計 6時間20分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス R403「信州秋山郷」に入って1キロほど先山中に入る大赤沢新道入口まで舗装道路
トレイル 巨木の尾根を直登する 当日は登山道に被さる藪を刈り払いしていた
水場・トイレ 水場・toiletは登山口付近には無い 大赤沢か小赤沢の集落で
その他 大赤沢は津南町 大赤沢新道は津南町が開いた登山道
山行記


猿面峰から苗場山と鳥甲山


六合目までは急坂の尾根・山頂直下は笹薮が被さる


登山道入口と巨木の尾根





越後秋山郷の終点大赤沢に「苗場山大赤沢新道の入口が有るのでは」と探したが見つからなかった。住民に情報を聞くと「以前は県境の硫黄川沿いに入山口まで道が有ったが水害で途中の橋が流されて今は苗場山登山は信州秋山郷の小赤沢からの道しか利用されていない」と云うことと、大赤沢新道入口への道順を教えてくれた。
国道406号線を県境を越えて長野県に入って直ぐの生コン工場の先に右に分岐する道を入り(分岐には「甘酒の家」の小さな看板ある)4キロほど走って舗装道路の終点が大赤沢新道の入口であった。入口の標識の脇には「大赤沢新道は未整備につき閉鎖」の看板が置かれてあった。下見をした後は国道沿いに戻って付近の空地で車中泊した。
翌朝大赤沢集落まで下って飲料などを調達し、大赤沢新道入口に車をつけると地元ナンバーの軽トラックが停まっていて、車には「登山道整備中」の標識が下げられていた。「こんなに朝早く登山道整備に入ってくれている者がいるのか」と思い、少し気が楽な思いで登山道に入った。登山道は草の被さる林道を1キロほど進み、「苗場山→」と書かれた標識を見て、本格的登山道に入った。当初は尾根の山腹をトラバース気味に高度を上げて行く。刈り取られたばかりの草や笹を踏みながら尾根に登り上げると「三合目」標識が有った。三合目から先はスギやオオシラビソの巨木が茂る急坂の尾根を直登して行く。やがて草刈り機の唸り音が聞こえるころになると先行していた地元の方が親しげに「良く来たな^」と迎えてくれた。この人こそが苗場山の主と呼ばれる中山弘さんであった。「猿面峰直下は笹薮だが道迷いすることは無いが気を付けて」と声かけられて先を行く。
五合目から六合目までは15分、六合目から七合目までは30分のコースタイムが書かれた標識もぶら下げられていた。木の根絡まる巨木急坂の尾根も六合目を過ぎると笹と草叢の中の道になって対岸には鳥甲山が望まれるようになり、眼下には小赤沢の苗場山登山基地が見える。被さる笹と草を掻き分けながら進むが朝露でズボンはびしょ濡れになった。やがて勾配が緩むと大赤沢新道七合目の猿面峰山頂であった。
山頂は笹と草叢であるが上方に苗場山がその右側には鳥甲山が良く見えた。苗場山まではここからはいったん高度を落として登り返してゆく大赤沢新道が手に取るように見えた。山頂までは1時間半ほどかと思われた。苗場山から左側の神楽峰や大日影山などは手にとるような指呼の間に見えた。梅雨明けと思われる夏空の下で軽食を摂りながらゆっくりと休憩した。30分ほどの休憩の後往路を下る。巨木の尾根に下ると登山道整備の中山さんが登ってきてここでもしばし山談義を楽しんだ。「草刈り機の燃料が少なくなったが猿面峰までは刈り払いしたい」と云って登って行った。後は木の根絡まる尾根を慎重に下り途中1回の給水タイムをとって2時間ちょっとで林道に下り立った。



小松原湿原〜苗場山〜佐武竜山までこの付近の山を知り尽くしている中山弘さん




苗場山 ナエバサン 標 高 2145m 日本百名山

山 域

三国山地
神楽ケ峰 カグラガミネ 標 高 2030m

山 域

三国山地
霧ノ塔 キリノトウ 標 高 1994m 花の百名山

山 域

三国山地
登 山 記 録
登山月日 2007年6月23日
登山経路 秋山郷・小赤沢三合目5:25〜坪場7:20〜苗場山8:05/8:20〜神楽ガ峰9:15〜上ノ芝(小松原)分岐9:30〜大日陰山10:20〜霧ノ塔10:30/10:45〜神楽ガ峰12:00〜苗場山13:20/13:30〜小赤沢15:40
行動時間 合計 10時間15分 (休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 登山口まで舗装道路
トレイル 坪場までは泥濘巨石の悪路 山上湿原は木道が続く 祓川(和田小屋)への登山道は割合整備されているが小松原分岐〜先は余り踏まれてはいない
水場・トイレ 水場は登山道脇にいくつかある トイレは登山口と山頂小屋で
その他 苗場山の高層湿原は日本一だ

山行記


左から苗場山・大日陰山・霧ノ塔山頂


苗場山頂も霧ノ塔側から見ると


神楽が峰から見る霧ノ塔と高層湿原の苗場山山上


花の名山を彩る


志賀高原から奥志賀スーパー林道を秋山郷に入り、登山口の小赤沢には早朝5時の到着となった。深夜2時に家をでたから3時間の所要時間であった。雪が消えれば津南町経由よりこの道が秘境・秋山郷への最短コースである。登山口には3台の車がとまっていたが苗場山への先行者か根曲竹などの山菜取りかは定かではない。
7年前にムスコと来た時はまだ残雪があり、道を間違えたことが頭をよぎる。泥濘を覚悟してゴム長靴で登山道に入る。雪の少なかった今年は、もう登山道の雪は完全に消えていた。登山道は巨石と泥濘の中であって、悪路が続く。八合目を過ぎると山上湿原の一角。・坪場に到着した。まだ少し早い高層湿原でチングルマなどの早咲きの花が少し開いていた。木道を進み山頂の山小屋遊仙閣には登山口から2時間40分で到着した。前回は雪ノ下であった一等三角点をカメラに収めることが出来た。
小屋の前のベンチで朝食をとりながらしばし休憩し、今回の目標である花の名山・霧ノ塔への道に入る。湿原の木道を僅かに進むと神楽ヶ峰への鞍部に100mくらい下る。鞍部はお花畑になっていて、今はシラネアオイとキヌガサソウが花開いていた。登り返しの神楽ガ峰の山腹には「雷清水」の水場があり、和田小屋から登ってきた登山者が休んでいた。こちらからの登山者が多いようだ。
神楽ガ峰から僅かで霧ノ塔・小松原湿原への縦走路上ノ芝分岐だ。ここから先はまだ所々に雪渓が残る上、余り踏まれていない登山道である。それでも迷う心配は全然ない。霧ノ塔かと間違える大日陰山を越えて僅かに進むと稜線の途中に突然霧ノ塔の看板と小さな三等三角点が現れてビックリする。「なーんだ霧ノ塔とはこんなところか」と、名前の割りに地味な山頂に少しがっかりする。
ザックを下ろし、周囲を見渡しながら花の名山の花探しをするが、代表花のトキソウなどはどこにも見あたらない。私は見たことも無い花だからどこかに咲いていてもそれを特定することは出来ないが・・・。
小松原湿原まで2時間の案内看板が出ていたが車の回収を考えれば来た道を戻らなければならない。平らな山頂の苗場山ばかりが頭にあったが、こちらから眺める苗場山は結構荒々しい山容を見せていた。
帰路は適度に休憩を挟みながらそして湿原や登山道脇に咲く花を見ながらゆっくりと下った。



松ノ峰 マツノミネ 標 高 1212m 信州の里山 山 域 信州・秋山郷
登 山 記 録
登山月日 2023年4月14日
登山経路 苗場山大赤沢登山口手前の林道分岐7:30〜松ノ峰11:00/11:30〜林道分岐13:05
行動時間 登り 3時間30分 下り 1時間35分 合計 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 入山地点まで舗装道路の林道
トレイル 残雪を期待したが薄い笹と灌木藪
水場・toilet
その他 尾根の奥にある横山まで行きたかったが
山行記


ブッシュとイワウチワの尾根を行く


山頂直下と山頂の残雪


山頂からの鳥甲山と苗場山方面


大赤沢から信州秋山郷に入って、北信生コンの工場の先から苗場山大赤沢コース登山口への林道に入り、4キロほど進んで除雪終了地点まで入れた。除雪終了地点は林道が二股に分岐する地点でもある。付近は残雪が有り、尾根上にも残雪が続いているという期待も抱かされた。大赤沢登山口に続く林道から分岐する林道を100mほど進んで尾根に取りついたが尾根上には残雪が無かった。しかし薄い笹とブッシュの尾根でそれほど濃くない藪の尾根であり前進を諦めるほどの事が無かった。緩い勾配の尾根を前進する。藪は灌木が濃くなったり薄くなったりするが、尾根上には境界見出し杭もあって、所どころに道形も現れた。また残雪を拾う所も有った。
2時間近く歩いて前衛のピークに立つと松ノ峰が見えてきた。前衛のピークから少し高度を落とすと松ノ峰への最後の登りになって付近はブナ林の中残雪があり、山頂まで残雪が拾えそうであった。軽アイゼンを付けて残雪と笹薮の境を登り上げて行く。しかし残雪を拾うより笹薮を直登する方が有利と考えて、斜度30度を超える急斜面の尾根をを笹に掴まりながら高度を上げて行く。30歩も進めば一呼吸しながら、上方のブナの大木を目標に登った。尾根の反対側はスパっと切れ落ちていた。
大汗かきながら標高差100mほどを1時間近くかけて登り上げると残雪の松ノ峰山頂に着いた。山頂の残雪を踏んで松ノ峰最高点に着くとその先に横山に続く残雪が途切れていた。「出来たら横山まで」と思っていたのであるが、山頂直下の急登ですっかり意気消沈であって横山までの前進は諦めた。三角点と思われる地点に戻ったが三角点は雪の下であって見当たらなかった。付近のブッシュの中に腰を下ろして軽食摂りながらしばし休憩した。
登りに1時間もかかった急登の尾根を慎重に下って、往路の尾根を忠実に林道分岐に戻った。「もう自分の力では栄村の山頂を踏める山は無くなったかな」という思いで秋山郷を後にした。

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