親子二人で登った百名山

南アルプスー2

(塩見岳・悪沢岳・赤石岳・聖岳・光岳)

塩見岳(3047m)

登山日   1999年9月6日
登山経路    9/5 大曲7:50〜塩見新道入口9:00〜塩見小屋15:10(泊)
          9/6 塩見小屋5:40〜塩見岳7:00/8:00〜塩見小屋9:10〜塩見新道入口12:00〜大曲
天候       高曇

9月5日晴
18歳から一年半を過ごした三峰川の風巻発電所を横に見て大曲へ。
川原の駐車場に車を停めて、懐かしい巫女ヶ淵の渓谷美を見ながら塩見新道の登山口へ9時丁度の出発です。6時間の長丁場は最初から覚悟で、あまり急がずに登り始めました。つづら折の急登を越えてシラビソの鬱蒼とした展望の無い林の中黙々と登ります。
12時に昼食を取り,更に2時間半塩見小屋手前の三伏峠からの登山道と合うまで塩見岳は見えませんでした。
3時過ぎに小屋に到着。小屋は完全予約制となっていました。この時期になると日も短くなり外で自炊をしていると間もなく日が落ちて長い夜となります。
宿泊者は8人でした。満天の星空を眺めていると本当に天に近くなったように感じます。

9月6日曇
パンの朝食の後、塩見岳を目指しました。昨日登頂を済ませたのでしょうか、山頂に向かった宿泊者は一人だけです。
天狗岩を越えると岩稜の厳しいのぼりを乗り越えて塩見岳山頂へ。
頂上は双耳峰になっていて、東峰の方が高いようです。高曇りのかなたに富士山が朝日の影にシルエットを映しています。富士山の影が伊那谷に映し出されて、影富士とでも言うのでしょうか珍しいものを見ることが出来ました。
仙丈ケ岳・甲斐駒ヶ岳・白峰3山が北にどーんと居座って、南には荒川三山がどっしりと構えています。ここは正に南アルプスのど真ん中です。
ちょっと前のシーズンには座るところも無いほど賑わったであろう頂上は、坂城町出身のT君と三人だけです。カメラを忘れたT君も何枚か写真に収めて1時間の山頂スティ。
岩場を慎重に下り小屋に戻ると、三伏峠を朝出発したパーティが何組か登ってきていました。塩見新道ゆっくり下り、昼前に登山口着きました。巫女ヶ淵を見下ろしながら延命水で作った昼食のラーメンがとてもおいしかったです。

再登山 2005.08.10北岳〜間ノ岳〜塩見岳縦走の記録

3回目 2021,08.29 鳥倉林道〜三伏峠〜塩見岳往復の記録


悪沢岳(3141m)

登山日    2000.7.20〜23
登山行程   7/20  鳥倉林道6:25〜豊口山登山口6:40〜三伏峠10:10〜烏帽子岳12:00〜小河内岳避難小屋14:10(泊)
         7/21 小河内避難小屋5:00〜高山裏8:30〜荒川前岳12:00/12:30〜中岳13:20〜悪沢岳14:15〜中岳15:30〜荒川小屋キャンプ場17:50(泊)
天候       晴

7月20日晴
テントと3日分の食料で満杯の20Kを超える55Lのザックを担いで鳥倉林道を6時40分出発、三伏峠を目指します。
6号目付近の水場で2Lの水を補給、途端に足の上がりが鈍くなります。
8合目から9合目のインターバルがやけに短いので、峠も近いのかなと思ったら、9合目表示は塩川土場からのもの、最後はばてばてで峠に到着。
朝食もろくに摂らずに登り始めたせいか、どうも調子が良くありません。昼飯も、のどを通りません。息子は元気に弁当をもりもり食べて安心です。水で喉を潤して11時過ぎ高山裏を目指して縦走開始。
お花畑の中を12時烏帽子岳へ。高山裏からの縦走者に、「これから高山裏小屋まではとても無理」のアドバイスに予定変更。やはり朝食をとらずに歩き始めたせいで、小河内岳の登りでは息も上げってしまい足がまえに進みません。小雨も降り出す中、14時10分小河内岳避難小屋に着きました。今年新築されたきれいな小屋です。
ビールを飲んで少し休むと食欲も出てきました。10人前後の同宿者と山談義に花を咲かせながら時間を過ごしました。
5時過ぎに大きな雷鳴が鳴り響き肝を冷してこの小屋に泊まってよかったなと思いました。夕焼けに映える塩見岳、荒川三山、赤石岳に感激、早めにシェラフにもぐりこみ、今日一日の疲れを取ることができました。
7月21日 
早立ちの同宿者に急かされる様に、5時出発。
昨日の二の前にならないようしっかり朝食を摂りました。まずは小河内岳に登り朝日を浴びて、荒川岳への長い縦走を開始しました。。
重い荷物を背負いながら息子と二人、ろくに人も通らないが良く整備された縦走路を急ぎます。途中板屋岳近くで、熊が蟻の巣を掘り起こした跡に肝をつぶしながら、高山裏を8時半通過、アルペンガイドのコースタイム通りです。
途中の水場で2Lのポリタン2個満タンにして、いよいよ今日のハイライト荒川前岳の400Mの直登に挑戦です。長野から来たWさんも一緒のスタートです。重いザックは息子が担いでくれました。なんと急な、長い登りでしょうか、何回も止まって息を整えながら登り続け、確実に高度を稼いでいることが分かります。
この急坂を走るように追いぬいていった大阪からの登山者にはただもうびっくり、塩川土場から6時間でここまできたそうです。ターボ付きの心臓を持っているのでしょう。12時ジャスト、2時間かけて荒川岳の稜線到着。ここを制したものは、勲章ものです。
ラーメンの昼食の後出発する頃に30分遅れてWさんが上がってきました。
中岳分岐に荷物を置いて、一旦中岳を下り岩稜を越えて、悪沢岳山頂へ。なんと長いアプローチの山か、昨日から何時間かけてこの頂きに立ったことでしょうか、頂上での展望は得られなかったが、満足感いっぱいの悪沢岳でした。
お花畑に目を奪われながら中岳に戻り、荷物を持って荒川岳を下り、荒川小屋のキャンプ場へ17時過ぎにつきました。
二人で協力して自炊をし、夕食を楽しみながら、雨の心配もなく風もない快適な南アの一夜を過ごしました。ここでも長野のWさんと会うことが出来ました。

赤石岳に続く

再登山 2011.08.15 三伏峠からの記録

3回目 2017.08.14 椹島〜千枚岳〜悪沢岳の記録

 

赤石岳(3120m)

登山日     2000年7月22日
登山行程   7/22 荒川小屋キャンプ場5;10〜大聖寺平〜小赤石岳〜赤石岳7:40/8:50 〜荒川キャンプ場11:00/12:10〜荒川前岳〜高山裏キャンプ場16:40(泊)
         7/23 高山裏6:00〜三伏峠13:00/13:40〜鳥倉林道16:10
天候      晴

7月22日
水と雨衣のサブザックで赤石岳を目指します。
軽装のせいか足取りも軽く大聖寺平を越えて、小赤石岳の岩場を上り、尾根道は風が強く長袖のシャツを着て、2時間半かけて7時40分赤石岳頂上へ。今日は雲ひとつない絶好のコンデション、仙丈岳から悪沢岳まで、今まで征服した南アルプスの名峰がくっきりと「親子二人連れ登山隊」をおで迎えに二人で感涙。「もうこんな遠い、こんな高い山に来ることは2度とないだろう」と感傷的になりました。又、はじめて見る聖岳からの南アルプス深南部の山々に感激しながら1時間を越える山頂スティ。
テン場に戻りテントを撤収し荒川小屋で昼食をとり、荒川前岳に登り返しです。重い荷物は今日も息子が担いでくれました。
昨日登った急登を下り、高山裏のテン場でキャンプ。
2パーテイのさびしいキャンプも、二人には連帯と信頼の夜でした。「こんな感動を味わえるのもお前のお陰だな」親父はシシュラフを濡らすのでした。

7月23日
余った食料を小屋のおじさんに引き取ってもらい、少しでも荷を軽くして高山裏のキャンプ場を6時出発。
赤石岳、悪沢岳とはどんどん離れていきます。一昨日通った道も方向を変えると新鮮味があります。小河内岳を過ぎると変わって右に、塩見岳を見ながら7時間、三伏峠に到着しました。ビールで乾杯し、それから2時間半かけて鳥倉林道へ16時10分。
疲労感と充実感の入り混じった南アルプス核心部の山行が終わりました。

再登山 2006.08.01 聖岳〜百間洞〜赤石岳往復縦走の記録

3回目 2012年夏赤石岳〜聖岳縦走の記録

聖岳(3013m)

登山日   2000年8月26日
登山経路  8/26 便ヶ島8:20〜西沢渡9:40〜薊畑14:15〜聖平14:50(泊)
        8/27 聖平5:45〜薊畑〜小聖7:20〜聖岳8:20/9:10〜薊畑10:40〜西沢渡〜便ヶ島14:10
天候     晴

8月26日
天気が良いと居ても立ってもいられなくなり8/26〜27予定通り南アルプス聖岳に行ってきました。
18kのキャンプ用具の入ったザックを担いで便ヶ島を8時20分出発。 
山ヒルの襲来に備えてキンカン塗って防御です。でも登り下りともそれらしきものにはお目にかかりませんでした。
西沢渡の索道にのって登山道に入りました。何処の山の上りもその急登を競いますが、この山も何れに劣らぬきつさです。
小休止,大休止、昼休みをはさみながら、小屋泊で光岳まで縦走の横浜の中年男女3人組と抜きつ抜かれつのレースを展開、薊畑に14時15分到着。(最後は首の差で後着)きつかった! 14時50分聖平着。
小屋泊の駒が根の団体さんが、車座で盛り上がっていました。
テントの中は快適も、朝は10℃くらいまで下がりました。19時には就寝。
深夜、満天の星に明日の好天を確認。

8月27日 
テン場を5時45分出発。これでも1番遅い組のようです。山は皆早立ちです。
アザミに代わって見事な紫のトリカブトの群生地の薊畑に上り返し、サブザックで頂上を目指しました。このところ続いている登山の疲れでしょうか、頂上直下のザレた急登はさすがに息が上がりました。小聖岳から1時間で上がりましたが、息子には20分も遅れてしまいました。
楽しみにしていた赤石岳との対面は30分前から上がってきたガスに阻まれ残念無念。
頂上に1時間座って息子と二人、紅茶を飲みながら、兎岳や後ろの上河内岳の眺めながら「今年の夏山の思い出」を語らいました。
最初の10分は30人の団体でにぎやかでしたが、後は縦走者が写真を撮って通りすぎるだけです。夏の終わりを感じました。
その後、今日は先に下りた団体さんとの抜きつ抜かれつを制して、薊畑から3時間40分コースタイム通りで便ガ島に戻りました。

再登山 2006.08.01 聖岳〜百間洞〜赤石岳往復縦走の記録

3回目 2012年夏赤石岳〜聖岳縦走の記録

 

光 岳(2595m)

登山日   2001年5月20日
登山経路  易老渡〜易老岳〜三吉平〜光岳小屋(泊)〜光岳ピストン
天候         5/19晴山頂ガス  5/20快晴

いつも眺めている浅間山はもう雪が消えているので、同じくらいの高さの光岳ももう夏道が出ているだろうと行ってみたのですが、まだ完全な雪山でした.
易老渡の登山届には1名の先行者があり心強い限りです.橋を渡るころには後続の車も1台続きました。とりつきからの急登をあえぎあえぎ五時間で易老岳に。後続の男女3人パーティに追い抜かれましたが、これが神のお告げであったようです。易老岳からは完全な雪山で、赤いテープも見失いがちですが、先行者のトレースを忠実に踏みながら後を追いました。光岳の頂上にかかるころにはガスも出てきて、何回か踏み間違えを繰り返しながら易老岳から2時間半の行程を4時間かけて、18時少し前に光小屋にたどり着きました.
先行者の男女パーティは「近道の為トラバースを繰り返したので後続の我が親子の安否を気遣い始めていたところ」でした。危うく遭難しかけて小屋につくと本当に神様のようにありがたく感じました。急いで作った夕飯も親父は緊張のあまり喉を通りませんでした。その分息子がたいらげてくれました.
一晩中吹き荒れた風も翌朝6時にはピタッと止んで、光岳の山頂では、台風一過のような南アルプス南部の絶景を堪能しました.
帰りも道を間違え「お前が間違えるから」、「お父さんが間違えたんだ」と親子で怒鳴りあいしながら、7時間かけて下り楽しい登山をしてきました。そして良い学習と冒険をしました。一番の先行者はなんとこのハードな光岳を日帰りピストンで下がっていきました。

再登山 2013年夏上河内岳〜茶臼岳〜光岳縦走の記録

 

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